森のかけら | 大五木材


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それこそ今まさに伐ったばかりの木というものは、水分をたっぷり含んで生々しいのでその樹皮も簡単に剥くことができます。外皮がついたまま乾かしておくと、虫にやられる危険があるためなるべく早い段階で剥くのですが、今回の『ニッケイ』については、それだけではない理由で早く皮を剥いておきたい理由がありました。うちの倉庫には『ニッケイ』の耳付き板が幾つかあって、お客さんが材を来られた時に、文字通り五感で木を味わってもらう時に活躍しています。

名前は伏せておいて、ニッケイの樹皮を少し取って手渡し、匂いをかいでもらいます。木に詳しくない方でも、ほとんどの方が「どこかで嗅いだことのある匂い」と言って、『シナモン』あるいは『ニッケイ』(あるいは、ニッケ)の名前を挙げられます。それまで高級銘木とか、大きな一枚板みたいなものに気後れして遠くに感じられていて木の世界が、途端に身近に感じていただくきっかけになるので、とても重宝しています。やはり木は、いろいろな感覚で味会わなければなりません。

そのニッケイの板は、長さが2m、幅が300㎜前後の小幅なものですが、それでもニッケイの木としたら相当な大物だと思います。ご存じの方も多いとは思いますが、ニッケイの木が匂うのは樹皮の裏部分のみで、材そのものには匂いはありません。なので、お客さんが来られるたびに、そのニッケイの樹皮を取る(実際には、皮も乾いて硬くなっているのでパキンと小さく折るようにして取ります)のですが、あまりに樹皮を取り過ぎて、そろそろ丸裸になりつつありました。

そのニッケイとて、いつまでも匂いを楽しむためだけに倉庫にあっても仕方がないので、いずれ巣立っていくことになるので(これがなかなか巣立たないので、ありがたいような困ったような・・・)、代わりのニッケイを探さねばならないと思っていたのですが、木材市場に行ってもニッケイなんて見かける事はありません。伐採したとしても、かなり早い段階でその筋の関係者に回っていくのでしょう。樹皮は生薬にもなるそうなので、材そのものよりも皮や根が金になるのでしょう。




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