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本格的に無垢の内装材を扱ってみようと思ったのは、木童(神戸)の木原巌さんと出会ってから。それまで知らなかった全国各地の針葉樹、広葉樹それぞれの特性を活かした樹種の提案というスタイルに惹かれたこともありますが、何よりも共感したのは『作り手側の物語』を伝えていくという姿勢。今でこそ、生産者の顔の見える商品というのは当たり前になっていまうが、10数年前の木材業界においてそれを実践しているところはほとんどなかったように思います。しかも木原さんが画期的だったのは、それを全国展開した事。
自分の住む地域の木を取り上げてその木について語るというのではなく、日本各地の特色ある木とそれから作り出される商品、そしてそれ生み出す個性溢れる生産者のこだわりというものを伝えながら、商品を認めてもらいモノづくりの姿勢に共感してもらう。木の仕事を通じドラマを語るという事は、それまであまり考えた事の無い仕事でした。嗚呼、そんな事を仕事にしてもいいのだと強い衝撃を受けました。その考え方に共感する人が全国から集まり語り合うのです。ファンを作るという考え方はその後の私の骨格となりました。
当時、木原さんに言われたのは「本気でその地域の木を売りたいと思うのならば、その地に行ってその空気を思いっ切り吸って、そこで働く人の生の声を聞いて、肌で感じて来い」という事。まだネットが普及してない頃でしたので、現地の情報は足でかせぐという事が主流でしたが、その教えを実践できたことが今の私の血であり肉となっています。全国から集まった仲間たちと一緒に全国各地の生産者を訪ねるツアーにも沢山参加させていただきました。その中で全国各地のいろいろな木に出会ってきましたが、中でも思い出深いのが能登のヒバとの出会い。
木童では文字通り北は北海道から南は九州まで全国各地の特色ある樹種を厳選し、生産者と共に話し合いながらオリジナル商品を作っていました。その中に、石川県能登半島で先々代から『能登ヒバ』にこだわり続けている生産者がいらっしゃいました。それまで『能登ヒバ』については、雑誌等でその存在は情報としては知っていたものの直接見たことがありませんでした。そもそも『青森ヒバ』ですら四国ではほとんど見かける事がありませんでしたので、私にとってはある意味幻の木であったのですが、そんな私が能登に行く事になったのです。明日に続く・・・
先月、ついに石川県金沢市まで北陸新幹線が開通し、新しく始まったNHKの連続テレビ小説『まれ』も石川県能登が舞台になるという事で、一躍石川県に脚光が集まっています。某シンクタンクの試算もよれば、それらの経済効果(直接的な観光客の消費金額、それに伴う雇用・所得環境の改善における二次的な経済波及効果を合わせて)は低く見積もっても400億を越えるのではないかとも言われています。選抜甲子園大会でも福井の敦賀気比高が北陸に初めて紫紺の優勝旗をもたらすなど、どうやら今年は北陸の年になりそうな気配。
そういう『持っている地域』には相乗りして運をいただくべし。というわけでもありませんが、盛り上がっている北陸・石川県金沢市から先日お客様がお見えになりました。北陸地区かけら特命大使でもある㈱ムラモトの村本喜義社長。岐阜の銘木市場や東京のギフトショーなどでもご一緒したりと、このブログでも何度もご登場いただきました。呼吸する羊毛断熱材「ウールブレス」や植物性オイルなどの取り扱いはもとより、木に対する造詣も深く、遂には『流季の家』という家造りまでトータルで展開されていらっしゃる金沢の親分であります。
特に断熱や自然素材を使う家造りについては一家言を持っておられ、具体的かつ理路整然と語られる論旨展開はとても分かりやすく、ああこういう風に筋道立てて説明しないと理解してもらえないのだなあと、ただただ勢いだけで脱線しまくりの私としてはお手本のように拝聴しております。村本さんが凄いのはそれをただ言葉で語るだけではなく実践が伴っている事。立派な主義主張を掲げる材木屋は世の中に沢山います。環境問題から地域材の活用、木の語り部の継承、木育や木の啓蒙活動、材木屋としての在り方等々、言うは易く行うは難し。
それらを次々と実践されているのが村本の兄貴。こういう人が道先を照らしていただけていると後に続く者は大変心強いのです。四国のある材木屋の廃業に伴い、膨大な在庫を一手に引き受けて綺麗に仕舞いをつけられた一件はやがて語り草となると思います。こういう話にありがちな整理屋とは一線を画した、材木屋の男気溢れる関わり方。木に携わった事を後悔してほしくないという一年で、社員の方々と共におよそ一ヶ月にわたり四国に寝泊まりして、巨大倉庫の中で材を整理し、仕分けしまとめ、使える材は使える場面に出すために削り直し、磨き直し、数十年の長きにわたり日の目を見る事がなかった銘木たちは再び眩しい光を浴び津ことになったのですが、その顛末についてはこちらに詳しいです→『高知での製材所整理顛末記』
まあとにかくそんな男気のある兄貴ですが、そのこともあって最近『四国率』が随分高くなっているようで頻繁に四国にお立寄りいただいています。先日もその流れで愛媛にもご来店いただいたのですが、折角なので一緒にお食事しようということになり、テーブルやカウンターなどを収めさせていただいたお店をはしごして、色気の無いオッサンふたりで木について延々と語り合ったのです。私はこういう時間がたまらなく好きなんです。材木の仕事していてよかったなあと心底思える瞬間。そこで出て来るのが地域材の話、石川と言えば・・・明日に続く。
4月3日で49歳になりました。多くの方から心温まるお祝いのメッセージをいただき本当にありがたく感謝申し上げます。家族の誕生日は娘たちがケーキやお菓子を作ってくれて、自宅で家族だけのささやかに誕生パーティーをするのが我が家のしきたりで、例にもれず私の誕生日もそうしてもらいました。それはとても幸福で贅沢な時間なのですが、こうして家族全員揃って誕生日をお祝いするのもあと何回あるのだろうかと、残りの時間の事も考えるようになりました。やがて子どもたちも家を巣立って独立していきます。それも遠い先の事ではありません。
十数年前に母を亡くした時に、人生は一度しかないという事を切実に感じ、会いたい人、行きたいん場所などにわずかでもご縁があった時には無理してでも時間を作って機会を逸しないように心掛けてきました。更に数年前に父を亡くした時には、本当にやりたい事は体が充分動くうちに、周囲の反対があろうとやり抜こうと強く決意しました。その2つが私の人生にとっての大きな転換点でした。それを実行するためにかなり無理して自分に負荷をかけたり、自分を作ったりしたこともありましたが、振り返れば覚悟と決断の甘さに恥じ入るばかり。
いずれ訪れる大きな転換期を分かっていながらも随分と決断を先送りしてきました。そこには変化に対する恐れや不安、面倒くささなどがあり、ついつい流れに流されてダラダラと過ごして、リスクの無い小さな変化を課すことで免罪符を得たような気持ちになっていたのです。それが、50歳の節目を前に避けられない決断の時期が迫ってきて、この1年は会社にとって大きな決断をしていく年になります。誤解されるといけないので先にお断りしておきますが、会社を閉めるとかそういう深刻なものではなく、あくまでの方向性の事です。
たまたま複数の取引先(仕入先も売り先も)が廃業、倒産するなど、木材業・建設業というものも大きな変換期に来ているのは間違いありません。おいおい先細りの業界ではありますが、家というものが決して不要になるわけではないので、今まで通りのやり方でもそれなりに仕事を得る事はできるでしょうが、その事で本当にやりたい事を犠牲にして、そんな人生で果たして後悔しないか?理解者がいるうちに、自分のやれるタイミングで動こうと心は定まりました。いきなり大きな変化が現れるわけではありません。地下深くでコツコツと・・・
昨日、【森のかけら】は香りよりも色彩に重心をかけているというような話をアップしましたが、それにはモノづくりの裏事情もありまして・・・。何のヒントも無い240種の無塗装の『かけら』を見分けるのは至難の技、いやほぼ不可能とまだ言いましたが、オイルを塗ったものであればもしかしたら世の中には見分けられる『かけら達人』がいるかもしれません。恥ずかしながら生みの親でありながら私にはそのような特殊能力が備わっておりません。ではどうやって240種もの木を見分けているのかという事ですが・・・
そもそも一度に240種の木を加工するわけではありません。長い時間の積み重ねで、それぞれの樹種を少しずつ加工してストックしています。在庫の少なくなった樹種を幾つかずつ加工していくのですが、荒加工する際は5~600㎜程度の板を割って40~45㎜角の棒状のものにするので、さすがに樹種は判別できます。材の判別は、全体の雰囲気、木目、質感、重さ、匂い等々少しでも「情報」が多ければ多いほど正確性が増します。問題は、その時いくつか樹種をまとめて加工に出すのですが似かよった材は一緒にしないという事。
荒材の段階では雰囲気が随分違って見えても、削ってしまうと判別できないようなケースも多々あるので、なるべく特徴や色合いの違う木をまとめるようにしているのですが、240種もあると欠品等の具合でどうしても似たような木が混じってしまう事があります。そんな時は判別も困難を極めます。まずは木目や質感、重さ、匂いなどを手掛かりにザックリ分けて、次にルーペで小口の細胞を観察。細胞から240種を識別するというわけではなく、裸眼で見分けのつきにくい2,3種の似かよった材の見極めをするため。
材木屋でもルーペや顕微鏡で小口を覗いた経験のある人って案外少ないのではないでしょうか。私は「かけら」の識別でしょっちゅうルーペを覗いていますが、専門の勉強をしているわけではないので、見分けるための記号的な意味合いで観察していますが、実際に観てみると思っている異常に個体差がハッキリと現れます。私は15倍のルーペを使っていますが、それでも充分細胞を堪能できます。カメラを通しても写せるか試してみたら、接写に強いGR(リコー)がその実力をまざまざと発揮してくれました!こちらは『カシワ』。
今まで自分の目を通して確認してきただけでしたが、写真で撮ってみると画としてもそれなり木の個性が現われていて結構面白そうなので、『今日のかけら』あたりでそれぞれの小口の写真も貼り付けてみようかなどと考えています。これをアカデミックに解説するだけの知識もありませんが、ちょっと深みにはまってしまいそうになるほど魅力があります。『かけら』を識別するための1つの手法からまた商品が生み出され・・・ミイラ取りがミイラになるとはこの事。まあ、そういう事をしながら今日もコツコツ『かけら』を仕分けしているのです。
「240も種類があってよく混同しませんね」とよく言われます。いくら木のプロと言えどもいきなり240種類のかけらサイズの木を並べられて、全ての名前を正確に当てろと言われたら、全問正解できる人はほとんどいないと思います。さらにそれがオイル塗装前の状態であれば、ほぼ不可能だと断言してもいいでしょう。【森のかけら】は、植物性オイルを塗っていますが、そうすることによってオイルが材に浸透し、本来持っていた木の色彩感が鮮やかに浮き上ってきてくるのですが、無塗装だとどれもこれも似たり寄ったりの色合い。
オイルを塗ると、オイルの香りが強くて木の香りが楽しめなくなるので、無塗装のモノが欲しいという問い合わせも時々いただくのですが、私は香りよりも色合いの方に重心を置いて【森のかけら】を作り始めましたので、今のところは無塗装バージョンはお断りしています。また、上述した通り、塗っていないかけらは恐ろしいくらいに地味なのです!そもそも世界のかけらに比べると、日本のかけらの方がかなり地味ですが、無塗装だと更に個体差が分からないほどに地味になり、華やかさが欠けてかなり物寂しい感じになってしまうので私的にはNG。
木をどういう視線で捉えるかは人それぞれですので、いや私はどうしても香りを楽しみたいという方は、それでいいと思います、ただ私的には香りよりも木の色の方に強く惹かれるという事。香りについてはまた別の形で商品化するつもりでいます。それと、イメージ的にかけらを鼻に近づけると爽やかな木の香りが鼻腔をくすぐると思われている人も多いのですが、多くのひとの手を経て商品化される【森のかけら】は、無塗装であっても実際そこまで香りの強いものはごくわずかなのです。青森ヒバ、クスノキ、ハードサイプレス等々。
しかもその香りの源は赤身部分にあるので、カットした部位によればクスノキでも香りに希薄なものもあります。なので香りを楽しみたい〜という目的で購入されるとガッカリされるかもしれません。日頃から木に囲まれた環境で仕事をしていると、いいなあなんて仰っていただく香りフェチの方もいらして、改めて自然素材で飯を食わせてもらっているという自分の置かれた環境のありがたさを感じることもあります。ところが長年そういう環境にいると香りに麻痺してしまって、一般の方ほどに木の香りに気づかなくなってしまうものなんです。
クスノキなどの香りの強い、いや強烈なものを製材したり加工する時は、匂いとの戦いですし、自宅に帰っても子どもに「臭~い」なんて言われるほどに体に匂いが染みつきます。またローズウッドなどバラ科の木を削る時などは、甘いバラの香り・・・なんて感傷は吹っ飛ぶほど!ドギツイ大量の香水を浴びながら加工しているような感じになって、メガネをしているとレンズが曇るのが嫌でマスクなしで作業するのですが、長時間していると悪酔いしそうに。他にもタモやケヤキ、ラボアなど心構えの必要な木は多数あります。
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