森のかけら | 大五木材


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森のかけら】では国内外の240種を揃え、それ以外にもマニアックな材を扱い、『木に貴賤無し』をモットーとしている弊社ですが、本音を言えば苦手な木もあって、あえて無理してまで集めない木もあります。苦手とは具体的にどういうことかというと、材に癖があって取扱いに特別なノウハウが必要とか、その木のネタが少なくて盛り上げにくいとか、単に出口が少なくて売るのが下手とか理由はさまざま。木としてメジャーでネタも山盛りなのですが、ちょっと苦手としていて申し訳なく思っているのが実は意外にも『マツ』。

誕生木の1月にも選定しているし、ここが松山市という場所であるという事も考えれば、不遜な話だと思うのですが・・・。ひと口にマツといっても、アカマツクロマツ、エゾマツ、トドマツ、カラマツ、ヒメコマツ、更に海外まで含めるとベイマツ(ダグラスファー)サザンイエローパイン、メルクシパイン、ロシアンラーチなど樹種は多岐にわたります。森のかけらでもその中から5種をセレクトして『松の5かけら』を作っているぐらいですから、マツは仲間の多い木です。

更にその中でも丸太、耳付き板、製品など形状もさまざまで、フローリングやパネリングなどの最終商品に関しては日頃から大変お世話になっています。ここで私が苦手と言っているのは、耳付き板など丸太を挽いた状態のマツ。飴色に輝くマツの光沢などは大好きなのですが、私に距離感を抱かせる最大の要因はその重さとヤニ。小さな材の場合はそうでもないのですが、ちょっと大きな耳付き板とかになると、乾燥したといってもかなりの重量。私の場合、材を持った時、納品時の事までイメージします。

最終的に自分も納品に関わることになるので、若い頃にはそうでもなかったもののさすがに最近はあまりに重たい材は少し辛くなってきました・・・。まあそれは人数でカバーも出来るのですが、問題はヤニ(脂。マツにとっての生命線であるのですが、若い頃からどうにもこのヤニが苦手で、ついついマツと距離を置いてしまうことに。昔、長野で初めてマツの脱脂乾燥を見たときは衝撃を受けたものです。私が高校生の頃に建てた実家の床に使ったマツは、今でもヤニが噴出しています。ヤニも木言葉同様に長寿です。




えひめのあるくらし』もいよいよ佳境を迎えております。東京のギフトショーに出展後、京都、新潟、三重、岐阜、台湾など国内外でイベントをしてきましたが、最後のイベントが地元で開催されます。場所は四国中央市豊岡町、四国4県のおいしい食材や加工品を扱う「まなべ商店」さんが会場。3月10日(土)、11日(日)の2日間開催します。5年間続いた『おとなの部活動』も遂に卒業を迎えることになりました。何でもそうですが、「最後」というのは感傷的になるものです。

終わりを迎えるにあたって、この活動が始まった日の事が走馬灯のように蘇ってきます。思えばまだ私も40代でした。3社(Sa-Rah、yaetoco [無茶々園]、大五木材[森のかけら])で始まった企画でしたが、その時には5年も続くとは思ってもいませんでしたが、アメーバ式にメンバーが増えて海外にまで出向いてイベントすることになろうとは。特に後半は女性が急増して、初期の頃とは雰囲気もすっかり変わりました。集まったメンバーも腹に一物を持った個性派ばかりで多くの刺激を受けました。

イベントは2日間あるのですが、仕事の都合で私は2日間とも店頭に立てるかどうか微妙・・・。現在スケジュールを調整中ですが、10社が勢揃いする最後のイベントとなりますので、是非ご来店ください。

sora&花結び http://hanamusubi.biz 

Sa-Rah http://sa-rah.net

ギウラ工房 http://sugiurakoubow.blogspot.jp

田中戸 パン豆 ひなのや http://hinanoya.co.jp


BRIDGE http://www.bridge-dogo.com

まなべ商店

森のかけら [大五木材]www.morinokakera.jp

yaetoco [無茶々園]http://yaetoco.jp

朗-Rou- http://rou-cheerful.blogspot.jp

 

四国のおいしいもの屋 まなべ商店
愛媛県四国中央市豊岡町長田168-1
TEL&FAX 0896-77-4422   営業時間 12:00-18:00




弊社のオンラインショップに先日アップしてみたのが、ロマンスグレーの渋い『エイジングパネル』。恰好よさげな名前をつけていますが、要は日焼けして灰褐色になった杉板をカットして裏に桟を付けただけのもの。ひと昔前であれば、日焼けして灰褐色になった時点で商品価値は無くなり、焼却炉行きになっていましたが、今やこの質感が求められる時代。そういった材がありませんか?という問い合わせもあるぐらい。狙ってそうしているわけではないものの、材木屋にはどこにも少しはそういう材があります。

弊社でもかつては、『さっさと売らないから売り物にならなくなってしまった材』という残念と失望の材でありましたが、時代は変わりました。もともと商業店舗などでは、昔の古材を装飾的に使うことはあったものの、最近では個人の住宅などでも使いたいという要望が急増。そういうわけで、弊社でも意図せずそうなってしまった材の出口として商品化してみることにしました。それがこちらの『エイジングパネル』。まだ試作段階なので、今後仕様も根本的に変えるのかもしれませんがとりあえず。

試作サイズは430X430X24㎜、エイジング杉板が12㎜で裏の桟厚が12㎜。接着剤で止めているだけですが、反応を見てビスなり金物で接合するかもしれません。実は試しに作っている途中から、それを見て面白がって、本格生産するなら使いたいという人が数人いらして、エイジング材の人気を肌で感じています。試作と言わずにもっと作ってみたらとも言われたのですが、生憎というか幸いというか、そういう風な状態になったエイジング材が少ししかなかったため、パネルサイズで8枚のみの試作。

もしこれで評判がよかったからといっても、すぐにロマンシンググレーが作れるわけではなくて、そこは時間がかかります。ということで、調子に乗って早速エイジング材の製造に入ることに。つまり日焼けさせるわけですが、そこは『モッタイナイイズム』が背骨である弊社のこと、まっさらの新品をそんな事にはしません。ちょうど秋の台風で大雨に晒されて使い物にならなくなってしまった材があったので、それを裏の土場に並べて計画的生産を開始。これから数か月、何もしない仕事があります。




昨日、アメリカで発生しているホワイトアッシュの虫害の話に触れましたが、リアル生物の苦手な私としては、成虫ならまだしも芋虫の幼虫はお目にかかるのも避けたいところ。弊社でも最近は丸太を扱う機会が増えて、土場には招かざる訪問者がウヨウヨといらっしゃっておりますが、アメリカのそれとなると体形もかなりビッグだと思われ、私の恐怖度も増幅されると思われます。蛇やトカゲなどのヌメヌメ系に比べると、まだどうにか成虫のメタリックなボディは触れるのですが・・・

まあ、それも慣れというもので、さすがに日々カミキリムシの幼虫に出会っていると恐怖感も薄らいできました。しかしこれが大群で発生となると・・・そういうニュースを聞いて私の脳裏に浮かぶのは、映画『神と王』の空をも覆いつくさんばかりのイナゴの大群が町を襲うシーン。勢いよく口にも飛び込み、あらゆるものを食い尽くす!ホワイトアッシュの虫害は、幼虫によるものなので状況は違いますが、ひとたび虫に狙われてしまうともうそれが収まるまでひたすら耐えるしかないのでしょう。

恐らく現地ではそんな呑気な事を言っている状況ではないと思われますが、アメリカなどの大規模な森林火災などの報道を見ていると、人間の力で抑え込むことには限りがあって、自然に鎮静するまで見守るしかない、手のつけようがないというのが現実だと感じます。2017年にカリフォルニアで起きた森林火災の焼失面積は約9万ヘクタール(ちなみに東京都はおよそ 21万9千ヘクタールなので、東京都のおよそ半分近くが焼失した計算)ということなので、火災にしても虫害にしても日本とは桁違い。

日本の零細弱小材木屋に出来ることは何もなくて、ただその現実を受け入れるしかないのですが、今まで北米産広葉樹の中では価格もリーズナブルで人気のあったホワイトアッシュが、今後手に入りにくくなる可能性があると思うと、倉庫に立てかけるため担ぐ板も何だか重く感じられます。『木は決して人間のためにだけ生まれてきたわけではない』というのは私の信条ですが、それは綺麗ごとではありません。ホワイトアッシュに限らずこの問題は、すべての木が避けては通れない宿命。




北米産のホワイトアッシュが入荷。弊社ではホワイトオークと並んで回転率の高い広葉樹のひとつです。在庫があと数枚というぐらいになると、ああやっと全部売り切ったという安堵感があるものの、早めに次の手当てをして在庫の谷尾を作らないようにしなければとの焦りもあって複雑な気持ち。なければないで落ち着かず、あればあれでどう売ろうかと悩む、アンビバレントな気持ちは毎度のこと。ところで汎用性の高いこのホワイトアッシュが今、切実な問題に悩まされています。それは・・・

昨年、仕入れている商社のほうから情報は入っていたのですが、まだそこまで問題は切迫していると思っていなかったのですが、今年に入って徐々にその影響が出てきました。それは「虫害」の問題。ホワイトアッシュの生育域は、カナダの南部からアメリカ全域ですが特にアメリカ東部一帯が有力な分布域と言われています。そこで、近年エメラルドアッシュボーラーという甲虫による食害が発生し、その被害も信じられないくらいの規模で、ホワイトアッシュの大木が次々に立ち枯れしているのだとか。

このエメラルドアッシュボーラー(EAB)という虫は、もともとアメリカにいた虫ではなくて、今から30年ほど前にアジアから来た外来生物ということだそうで、外来生物で悩まされているのは日本ばかりではありません。このEABは、ホワイトアッシュなどのトネリコ類の木が大好物ということで、狙いを定めて食べているらしいのですが、その食欲とスピードは恐るべし勢い!そのせいで既に一億本以上ものアッシュが立ち枯れてしまっているそうで、その被害は深刻でアメリカ全域に広がっています。

アメリカ政府も手をこまねいているだけでなく、アジアからEABを寄生する蜂を輸入したり、ミネソタ州ではEABに感染した木の匂いを嗅ぎ分ける犬を導入するなどの対策を講じているようですが、圧倒的な数の前にはなす術もないようで、事態はかなり深刻なようです。リアルタイムの情報というわけではないので、現在の正確な状況は分からないのですが、国内に入ってくるホワイトアッシュの量がその深刻さを物語っています。恐らく今年は全国で、ホワイトアッシュが不足する事態が発生するかと!?続く・・・




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