森のかけら | 大五木材


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今冬の大寒波はさまざまなところに影響を与えています。松山市内は雪が舞うことはあっても積もるようなことはないのですが、南予は豪雪地帯を思わせる大雪。今年は南予や久万高原町など雪の多い場所への納品が多いので、天気予報とにらめっこしながら配達の段取りをしています。降雪そのものよりも道路の凍結が怖いので、なるべく早朝の配達は避けていますが、遠方だとそれなりに時間もかかるので計画が組みにくい・・・。それでもいつまでも引っ張れるわけもなにので、月末に雪の久万高原町へ。

久万高原町で新居を建築されたお客様からダイニングテーブルとベンチのご注文をいただいていて、1月中頃には完成していたものの、あいにく雪が続いていてなかなか納品に行けませんでした。どうやらその日は降雪は無いという事だったので、3t車に積み込んで納品へ向かいました。松山市内は快晴だったのですが、三坂道路を登っていくと少しずつ周辺の景色が変わってきます。山々の頂が白く染まっていく中、風雪に耐えかねてなぎ倒されてしまった木々の姿があちこちに・・・

たとえ倒れなくとも激しい風で木同士が激しくぶつかりこすれ合うと、「もめ」といって内部で圧縮破壊が起きているため、材質が劣化し丸太の価値は極端に低下します。どこでポキンと折れてしまうかも分からないため、建築用材としては利用する事もできないのです。大切に育てた木が伐採時期間近になってなぎ倒されている光景は無残で胸が締めつけられます。大雪が降ると全国各地で麻痺した交通網のことばかりが話題になって、山のことなどほとんど顧みられませんが山にも深い傷跡を残します。

そんな事を考えながら走っていると久万高原町に到着。道路の端にわずかに雪が残ってはいるものの、走行にはなんら問題はなくて、杞憂に終わったかと思い、更に奥に進んでいくと、突然雪が舞い始め道路も徐々に白くなっていきます。チェーン規制も出ていませんでしたが、大きな道路と脇にそれた道では状況は大違い。次第に雪も横殴りに降ってきて道路は真っ白に!あれほど頼もしく見えたお日様はすっかり姿をお隠しあそばれ、あたりの風景は豪雪地帯へと一変。無事に辿り着けるのか!?続く・・・




私と家内は二人とも愛媛県西予市野村町出身で、それぞれの実家も車で4,5分の距離にあります。家内の実家は肥育農家で、およそ400頭もの牛を飼っています。義父はJAに頼ることなく自力で販売ルートを開拓し、育てた肉牛を京都の市場に出荷していて、現在は義弟(長男)も一緒に仕事をしています。いつも肉を送っていただくのですが、味は最高で、肉の苦手な長女すらも「この肉だけは別」といってペロリと平らげるので品質は間違いありません!ただ悲しいかな認知度がいまひとつ・・・

大手と違い多額の広告費を使えるわけではないので、味は最高でもネームバリューが無いため訴求力が弱いというのが悩みでした。それで一昨年、独自のブランドを作ろうということになって、私も微力ながらお手伝いさせてもらい、『吟醸牛・山の響』というブランドを立ち上げました。命名の詳しい経緯については以前にブログで書きましたのでそちらをご覧ください。それから京都の市場でも『山の響』という名前が少しずつですが浸透してきたということで、関わった者としては嬉しい限りです。また地元でも認知度が上がってきて、その肉を取り扱っていただけるお店も増え、地域ブランドということで行政も応援していただいています。その名前にちなんだイベントも開催されます。

それが2月25日(日)に、故郷の西予市野村町横林の『里山カフェ イソップ物語』で開催される「山の響き音楽会」です。『山の響』というブランドにかけて、山の響や地元産の野菜を使った料理の立食会と木管五重奏「Ensembul des Apaches(アンサンブル・デ・アパッシュ)」によるコンサートが開催されます。それに合わせて、前日の24日には横林公民館にて、家内が講師となり小学生以下を対象とした「木工教室」が開催され、木で笛などを作って木の音色を楽しむ予定です。

これらのイベントは、「地域づくり手上げ型交付金事業」の一環として企画されているのですが、3月にはステップアップセミナーとして島根県から専門家を招き農と食を通じた地域づくりに関する講習会を計画されているということです。担当者の方が、山の響という言葉から、演奏会→木の楽器作りへと関連付けて企画されたらしいのですが、あえて「OO牛」とせずにイメージを膨らませるために『山の響』というネーミングとした狙いが功を奏しました。『森の出口』もいろいろな方面に少しずつ広がってきているようです。

木工教室2/24(土)15:00~横林公民館にて(小学生以下対象)、山の響音楽会2/25(日)12:30~ 里山カフェ・イソップ物語にて(定員40名 参加費¥2,000 問い合わせは横林公民館(tel 0894-77-0111)。




森の羽』の段ボール箱入りと『森の砂』の瓶入りについては、とりあえあず店頭とオンラインショップで試験的に販売を始めます。【森のかけら】シリーズにとって久し振りのニューアイテムですが、恐らくまたいつものごとく批判や冷笑の対象となることでしょうがそんな事は覚悟の上。【森のかけら】を作った時も、口の悪い同業者からは倉庫のゴミで儲けてるなんて言われたり、そんなものうちの土場にいくらでも転がってる、そんなもの一体誰が買うのかと嘲笑されました。残念ながら彼らの意に反して、累積販売総数はもう少しで800セットになります。怒りもエネルギー!

そんな事を考えていたら、ちょうどテレビでもある「木のモノ」が話題になっていました。ご存知au三太郎の鬼が半額屋で売っていた『板Phone』がそれ!別バージョンで男女がそれを使って電話している体で向き合ってるCMもありますが、初めて観た時はとてもauの本当のCMだとは思えませんでした。誰かがいたずらで精巧に作ったビデオだと思っていたのですが、auがまじめに作ったものだと分かり驚愕!通話料無料で、近くで(のみ)話せて、落としても割れない、無敵の板Phoneを茶化さず真剣に撮る遊び心に感動!

このCMを観て、それならうちの工場にいくらでもあるというのはたやすい。けれどそれは板Phoneではない、ただの板切れに過ぎない。いくらそこの見た目は同じモノがあろうと、人はそれに感動はしない。どこにでもあるそんなモノに、アイデアと時間と費用をかけてプロが真剣に作りこんだものだからこそ感動があるので、ひと真似に意味はないし、ねたみやそたみ、皮肉で語るのは虚しいだけ。材木屋が見えていなかったモノを見つけて実践した行動力と発想こそが素晴らしい、これぞ『森の出口』!

それが商品化され大量に売れることが『森の出口』なのではない。今まで見えていなかった価値、気づかなかった魅力を引き出してそこに光を当てることこそが、新たな出口だと考える。それは小さな穴かもしれない。でも蟻の一穴という事だってある。安全地帯から批判だけを繰り返す腰抜けの「批評家」にはなりたくない。笑われ馬鹿にされようとも、暗闇を嘆かずに希望を持って小さな穴を穿つ愚かで無謀な材木屋になりたい。板Phoneこそが、私が目指す『森の出口』にともる小さな明かりのひとつなのだ。au最高~!




これが『の羽/パープルハート』です!465✕325✕H295㎜サイズの段ボールにほぼ箱いっぱい分をビニール袋に詰めています。このまま段ボールでお届けします。価格は今のところ¥5,000/箱(送料・税別)で設定しています。収集については、加工前にブロワーで丁寧に他の木の大鋸屑などを吹き飛ばして、ビニールを敷いて他の木屑が混ざらないよう細心の注意を払っているつもりですが、特別な集塵システムがあるわけではなく、あくまでも手作業ですので、わずかに他の木屑が混入することがあります

また、耳付き(樹皮)の板を切断・切削することも多いので、どうしても樹皮を粉砕した屑も混入します。そのあたりは寛容な心で受け止めていただきたい・・・海辺の砂浜にも砂以外にいろいろなモノが混じっていますが、母なる海は寛容に受けとめすべてを優しく包み込んでくれます羽毛も空が・・・と、自分で書いていて、まさに命名した名前に助けられるとはこういうことか、を実感!さて、その『森の砂』の方ですが、こちらはコーヒー瓶サイズのちょうどいい容器を見つけたので、それ1本が1単位。

今のところ、サッチーネパープルハートブラジリアンチークホンジュラスローズ、ココボロ、ブラック・ウォールナットなどマニア心をくすぐりそうな特徴ある樹種をそれぞれ瓶1つずつ用意しました。なるべく瓶の口までいっぱいになるように入れてあります。こちらは今のところどれでも1瓶¥1,500(送料・税別)こんなの買ってどうするの?なんて方はスルーしていただいて大丈夫です。木は材としてだけが日本人の暮らしを支えてきたわけではありません。捨てるところがないのが木の凄さ!

ところで大鋸屑集めて誰に何のために売るの?と疑問に思われる方も多いかもしれませんが、欲しいと思われない方にはいらぬ心配です。とかく使い道が分からないものを否定したり批判する向きがありますが、私などはそこをあれこれ悩みながら用途を考えるのが楽しみでもあるので、下手に用途の説明などあるのは興醒め。まあ、世の中には私と同じような嗜好の方も少しはいると思うので、そういう方の琴線に触れればいいと思っています。もっと量が欲しいという病的な方は直接お問い合わせください。続く・・・




昨日の続き・・・大鋸屑(実際は細かな切削屑と木粉ですが)を集めて袋や瓶に入れて売ろうという、虫のいい話と思われるかもしれませんが、多樹種が混ざり合った大鋸屑の山を見ていたら、これが誰の目にも触れることなく焼却炉の灰となってしまうことに悲しみを覚えずにいられないはず!!←多樹種異常偏執的熱愛症候群、発症中!他樹種が織りなす世界【森のかけら】に少しでも心惹かれる方ならきっとこの気持ちは分かってもらえるはずです。材が魅力的であればその端材も大鋸屑もそれ自体が魅力的なはず

日々発生するといっても、何かしら加工切削する目的があってこその大鋸屑で、大鋸屑を採取するために加工するのでは本末転倒。ちょうどオンラインショップの『ちょこっと銘木端材』コーナーを充実させようと、銘木の香り漂う端材を準備していたところで、そんな銘木の大鋸屑はまさにグッドタイミング。プレーナー加工の際に出る切削屑を『森の羽』、屑丸鋸などで長さを切断する際に出る切断屑を『森の砂』、切断屑よりももっと細かなサンダー磨きの木屑はほとんど木粉状態なのでそのまま『森の粉』と命名。

Sawdustとか横文字も考えたのですが、やはりこれも【森のかけらブランド】の1つに加えたいので、日本語で「森」から始まるシリーズに統一。ネーミングに頭を悩ますこと3日森の羽』はフワッとしていて、それを厚く敷いて寝転ぶと気持ちよさそうなイメージから。『森の砂』は、切断屑なので見るからに小粒で、敷き詰めると海辺の砂浜が浮かんだので。『森の粉』は、見た目通りです。全部同じ名前のサイズ違いにする事も考えました(森の砂/L、M)が、こういうものだからこそこだわりたい!

というわけで実際に大鋸屑を収集することに。とはいっても、スギやヒノキ、米栂や米松の大鋸屑を集めたところで誰も興味を示さないでしょう。そこは、揺りかごから墓場的な多樹種を取り扱うマニアック材木店の強みを生かして、色目に特徴のある木や、存在そのものがレアな木などに絞り込みました。そうなると絶対に外せないのが、『紫御殿』の和名を持つパープルハート。以前から、この木を加工した際に出る妖しくも美しい紫の木屑を捨てるのが惜しくて惜しくて・・・その保存に大義が出来ました!続く・・・




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