森のかけら | 大五木材


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20090907 道後4先日、仕事の打ち合わせで道後に行きましたが、昼間と夜では道後の町も全く違う顔をのぞかせます。出来ることなら道後は夜に限ります。昼間の道後は、納品や配達のお仕事。狭い路地の中で木材を抱えて「すみません、すみません」と観光客に気をつけながらの納品です。別に観光の仕事をしているわけでもないのですが、そういう場に出ると何だか妙に腰が低くなって、観光でいらしたお客さんに「こんにちは、いらっしゃい!」の声でも掛けてしまいそうになるのは、商人の性でしょうか。少しでも愛媛県人としてサービスせねば、と訳の分からない使命感を感じてしまうのも性分でしょうか・・・。

道後という場所は独特の雰囲気を持っていて、松山市民にとっても『近くて遠い別次元の街』です。映画『千と千尋の神隠し』に出てくる異世界へといざなうトンネルのような結界が、道後の周辺にはりめぐらされていて、そこに入ると時間の流れもゆったりしていて、せかせかした気持ちも急に緩んできます。観光客のくつろいだ浴衣姿がそうさせるのか、仕事に来た人間にとっても妙な落ち着き感を与えてくれます。昼間から浴衣姿で散策されている家族連れの姿でも見ると、それほど急がなくてもいいかという気分になってしまいますが、実際にも道後の中は時間の流れが緩い気がして仕方ないです・・・単に気もそぞろという事でしょうか。

20090907 道後イチイガシ400年2さて、仕事で行くといつも道後温泉本館の右隣の小高い丘の上にある湯神社の駐車場を利用するのですが、そこに2本の大木があります。いつも気になっていたのですが、なかなか落ち着いて見る時間がなくて残念に思っていました。たまたま先日、少し時間があったのでゆっくり観察しました。1本は樹齢400年の『イチイガシ』、階段側の方は樹齢300年の『クスノキ』でした。どちらも松山市の保存樹木の指定を受けていました。丘の上から松山市内を見下ろすその姿はまさに威風堂々、立派な大木です。

左の画像が『イチイガシ』、左下の方に車が写っているので大きさが分かると思いますが、かなりの巨木です。こうして改めて観察するとその巨大さに圧倒されます。ちょうど西日が眩しい時間帯でしたが、後光に浮かび上がるような神々しさが漂っていました。

 

20090907 道後クスノキ300年そしてこちらがもう1本の『クスノキ』。こちらは石の階段を飲み込むような形で根元が変形していましたが、その樹形もクスノキらしいですね。なぜかクスノキの樹形は、根元が妙に膨らんでいたり、ねじれていたりとユニークなものが多く、憎めない木です。樹齢300年という風格はありますが、トトロが棲むにはちと狭いようです。

20090907 道後クスノキ300年2 

 

 

 

 

 

 

この辺りは他にも結構背の高い木がたくさん植えられているので、このクスノキも充分大きいのですが、他の木々に溶け込んでしまいそれほど目立たないのかもしれません。まあ、300年、400年をもさり気なくしてしまうあたりが、日本最古の湯・道後温泉を擁する道後の歴史のなせる業でしょうか。

 道後温泉の湯玉』や、商店街の看板、足湯の材料、道後でのイベントなどに関わるまでは、異次元空間・道後に特別な感情はありませんでしたが、身贔屓というものでしょうか、ご縁ができてからは妙に観光客の数やら街の装飾やらが気になって仕方がありません。やはり関わりがないと愛着も生まれません。何だかこれから、ますます深く関わってしまいそうな嬉しい予感も致します。頑張れ、道後!この連休が勝負です!




20090918 西嶋さん5このブログにもよくコメントをいただく『木工する神主さん』こと「絵本玩具」研究所 ヤマドリ工房西嶋さんが作られた作品のご紹介です。前にも一度ご紹介させていただきましたが(2009.5.14)、あれから作品を数点預からせていただいています。このブログにもリンクを貼らせていただいておりますので、ヤマドリ工房さんのHPをご覧になっている方もいらっしゃると思いますが、意欲的にどんどん新作を発表されています。HPもご自分で製作されているという事ですが、とても見やすく綺麗でセンス溢れるHPです。多彩な才能をお持ちで羨ましいです。

20090918 西嶋さん2最近の私のお気に入りは、やはりこの『草竜』と『竜の船』です。『草竜』は、『ソウリュウ』と呼びます。竜好きの私にはたまらない造型です。『草竜』は、製作段階からラブコールを送っていたので、2匹もお預かりさせていただきました。このフォルム、色合、表情、たまりませんな!私としては白竜の方が好みです。良い悪いではなく好みの問題です、あくまで。材木屋の業としてなるべく着色をせずに、植物性油などでクリアー塗装して木本来の色合の経年変化を楽しむ体質が骨身に浸み込んでいるのですが、こうして見ると着色にもそれなりの味や趣きがあります。『喰わず嫌い』も年とともに少しずつ嗜好が変わってきました。

20090918 西嶋さんよく画像を見てもらえれば分かると思いますが、ディティールへのこだわりは半端ではありません。ブラックチェリーブラックウォールナットなど樹種も用途を考えて『適材適所』に使われています。もう充分な完成度だと思うのですが、ご本人はまだまだ世に出せるものではないと・・・完璧主義なんでしょう。もの造りへのあくなき執念を感じずには入られません。お預かりしている作品も、『販売用』としてではありません。弊社の2階の展示室に来た子供たちにガンガン遊んでもらって、思う存分に壊してくださいという『体験用』なのです。壊れやすい所を検証して、更に改善するという目的はようく分かるのですが、ここまで緻密に丁寧に作られた物をそう雑には扱えません。飾っておきたい・・・それは作者の本意ではないですね、木の玩具は子供に遊んでもらう事が一番の幸せですから。

作品への異常なまでの凝り方や、ブログでの博識さは並大抵ではありません。神主さんだけあって(それ以前にもかなり面白い前歴をお持ちです)いろいろな物事に精通されています。製作工程や道具についてもよくブログで説明されていますが、まあ造詣が深い!そういうこだわりが作品に反映されるのだと思います。それぞれの作品に対するバックボーンや背景の物語へのこだわりも半端ではないです。私が言うのも何だと思いますが『異常』です、私も同類ですが・・・。ちなみに『草竜』のプロフィールは、『草食のドラゴン。神話の森に棲む。歯はあるが牙は無い。性格は至って温厚で、家畜化も可能。大人のサイズで5メートル程。翼状の背びれを持ち、ジャンプは出来るが、空を飛ぶ事は出来ない。』普通ではありません。普通なんてつまらない。あくまで『本気』です!

これからも、ちょっと変わったデザインで楽しませていただきたいと思います。なお、この画像は実物の色合がうまく再現されていませんので、是非ヤマドリさんのHPをご覧下さい。綺麗に整理された作品がご覧になれます。それにしても、もう充分販売して遜色のない出来和えだと思うのですが、そこは作り手にしか分からないこだわりもありますから・・・!




20090917 木質加工分科会本日は、ある人の企みで『産業技術連帯推進会議 四国地域部会・木質加工文科会』という、難しそうな硬そうな会議に参加させていただきました。一介の材木屋風情が場違いではなかろうかとは思いましたが、昨年の『デザイン活用売れるものづくり支援事業』の補助金の採択を受けて以来、私の行政アレルギーはすっかりなくなりました!それどころか、行政の中にもこんな馬鹿な・・いや、面白い人がいるという事に気づき、それからはいい意味で行政の方とのお付き合いの距離感が測れるようになりました。結局、今更ながらですが人間対人間であるという事ですね。補助事業の時にお世話になった愛媛県産業技術研究所岡田所長や、このブログでもよくコメントをいただく藤田さんとは、その後も今日まで友好な(それ以上の)関係を続けさせていただいています。お二人とも最初に出会ったときから比べたら、物凄く柔和なお顔に見えるのは、こちらがしっかり懐の中にまで入ったせいでしょうか。先方も同じように思われているかもしれませんが・・・。しかし、皆さんのおかげで遠かった行政の距離は縮まり、それまで正直堅苦しく億劫に思っていた行政の方との対応が物凄く楽しく、新鮮になりました。こういう方たちがたくさんいれば、本当の意味で開かれた行政が実現できるのにと思いますが、『組織』という見えざる敵が立ちはだかるのでしょうか?

20090917 木質加工分科会3さて会議は、四国四県の木質関連の研究の成果を発表されたりする厳格なものでありましたが、私と同席していた中岡建佐藤社長エスデザインスタジオ佐野勝久さんは、愛媛の隠し玉として、硬い会に一陣の風を送る特命を受けていました。直接そう言われたわけではありませんが、このメンバーを送り込むという事はそういうことだと勝手に解釈です。佐藤社長は真面目なお方ですから、きちんとパソコンでデータを整理され、とうとうと淀みなく説明をされました。さて私は、喋る前には『特命』の事を強く意識していたのですが、喋り始めると『駄目だ、これでは自分らしくない!』と速やかに軌道修正!営業トークに切り替えさせていただきました。【森のかけら】ほか、いろいろ関連商品を持参していたので、話が飛びながらあれやこれやとりとめのない事をまくし立てて、少しだけ暴走したかも?岡田所長、満足いただけましたでしょうか?

 

少しでも笑っていただこう、興味を持ってもらおうという気持ちで最初は話していましたが、喋っているうちに気持ちよくなったので好き勝手な事を喋ってしまいましたが、面白そうな奴がいて面白しろそうな物を作っているという印象は植えつけられたのではないかと思います。私としてはそれで満足!会にとってどうだったかという判断は、懐の深い岡田所長にぜ~んぶお任せです。こちらとしては、大船に乗った気持ちで好きなことを喋らせていただく機会を与えていただきありがたいかぎりです・・・そういう主旨ではなかったかも?

20090917 木質加工分科会2それでも後の懇親会で、他県のみなさんといろいろお話が出来たことは大きな収穫でした。特別高度なノウハウがなくても(実はあるのですが・・・)、こういうシンプルな物で木がPR出来るという事に、軽い驚きを感じたという方もいらっしゃいました。まずは、こういう真面目でお堅い会でも、【森のかけら】の存在を知っていただけたというのは嬉しいことです。木には硬い木も柔らかい木も、赤いのも黒いのも、重いのも軽いのもあります。頭と心を軽くされて、童心の気持ちで【森のかけら】に触れてみられてはいかがでしょうか。皆さん方の難しそうな研究の一服の清涼剤になるやもしれません。同席された四国四県の皆さん、拙い話にお付き合いいただきどうもありがとうございました。

同じ働くのであれば、誰かに喜んでもらえて感謝の言葉が直接聞きたいと思うのは、企業の行政も同じだと思います。【森のかけら】は、何とかひとり立ちできるようになりましたが、もはや大五木材だけのものではなく、ここまで携わっていただいた多くの方の思いが結晶したものだと思っています。岡田所長や藤田さんが、行政の皆さん方に『面白い物があるよ!』といたずら好きの子供のような表情で薦めてくださる姿を見ると、大袈裟ではなく涙が出るような気持ちになります。何故、この人たちはこうまでして、【森のかけら】を薦めてくださるのだろう。きっとどうしようもなく【森のかけら】ファンなんだなと・・・朱に交われば赤くなるのか、類は友を呼ぶのか分かりませんが、もはや他人とは思えません!あの時、この選択をしていなければきっと独りよがりのとんがったような【森のかけら】になってしまっていて、今のように多くの方の共感は得られなかったと思います。

山の中の小さな湧き水にあった『石のかけら』が、ある日大雨で小川に流れ出し、川を下っていくうちに流れもだんだん速くなり、とんがっていた角が削られすっかり丸くなり、気がついたら大きな川に合流していました。流れが穏やかになり、周囲を見渡してみると、そこには見たこともない大きな魚や貝や恐ろしい『人間』もいました。怖そうな『人間』に拾われどうなるかと心配していたら、もっと大きな川に移してくれました。大河の中で、『かけら』は身の程知らずと戸惑いを覚えながらも、大きな流れに身を委ねているところです。この先どこまで行けるのだろうか・・・『かけら』の冒険はまだまだ続いていきます!




 ★今日のかけら・#032 【カランタス】 Kalanyas センダン科・広葉樹・東南アジア産

カランタス

 久し振りの『今日のかけら』です。ここで取り上げる時には、ただの材木の画像だけではなく、施工したり加工した画も欲しいので画像待ちになることが多いです。珍しい樹種や、このあたりで使用例が少ない物はそういう画像がなかなか撮れません。この『カランタス』は、よく使っていただいてはいたのですが、写真を撮り忘れて画が揃いませんでした。ようやく現場の写真が撮れましたので、晴れて取り上げさせていただきます。

20090716 カランタス2カランタス』との出会いは、数年前の九州の大川市の木材展示会でした。大川は言わずと知れた家具の町です。町中至る所に家具屋さん、木工所さんが軒を連ねています。よくこれで商売になるなと思わせる程、密集していますが、話を訊けば材木屋さんなども同一樹種でも寸刻み、わずかな形状違いで細かな分業が出来ているそうで、この長尺ならどこそこ、この厚みならどことかうまく棲み分けしているそうです。もっとも全体の仕事量がここまで落ち込むと、そう綺麗ごとばかりも言っておられないようです。

 

その大川では、『カランタス』はよく使われる馴染みのある木のようです。恥ずかしながら、そこで出会うまで『カランタス』という木を全く知りませんでした。材木屋のくせに、と言われそうですが、この世の中まだまだ知らない木は星の数ほどあります。図鑑でしか見たことのない木や、用材に向いてない木はまず日本に輸入されることもありませんから、現地で見るしかありません。そのためだけに行く事は出来ませんが、しかし『見てみたい』、『触ってみたい』という欲求は物凄くあります。その欲求が、私を【森のかけら】製作へと突き動かしたのですが・・・。

特に木材の場合、産地に近い事や地域性によって使い材が極端に偏る傾向があります。例えばこの辺りで無垢の硬めの敷居といえば、モアビがほとんどでした。似たような性質ですが、セランガンバツは受け入れる土壌がありませんでした。同様に造作材も米栂(ウエスタン・ヘムロック)が中心で、メルサワ雲杉などは出る幕もありませんでした。広島・山口などではバツが多く使われ、モアビは少数だと聞いています。また、九州では造作にメルサワもよく使われるようです。結局、近くに何を得意とする製材や材木屋があるかという事と、過去にどれくらい実績があって経年変化でどうなるかを大工さんが熟知しているかによるのでしょう。松山の場合、保守的な風土ですから、とにかく新しい物には抵抗が強く、浸透させるには相当時間がかかります。値段が安ければ何でも売れるという物ではありません。地域ごとの家作りの作法みたいな物もありますから。まあ、特殊な材というのはそれを扱う『変わった人』によって、紹介され扱われる訳で、そういう人が身近に入るかどうかが最大のポイントだと思いますが。

20090916 カランタス5それで、軽軟な『カランタス』は家具の町・大川では、引き出しの内部や箱材などとしてよく使われてきたのでしょうが、愛媛では浸透しませんでした。大柄な木目ですが、深みのある赤褐色で癖も少なく、扱いやすい剤です。この呼び名はフィリピンでの呼称で、インドネシアでは『スリアン』と呼ばれます。最初は、良く似た別の木だとばっかり思っていました。

弊社では、厚み25㎜と厚み45㎜の2種類があります。薄い方は、主に箱物用に製材された物でしょうが、今回軒天の化粧板に加工して使っていただきました。基本的には板目挽きなのですが、幅広いものが取れるので『柾目』に木取りして柾目板として仕上げました。板目は年輪幅が広いので緩やかな印象を受けますが、柾目にすると雰囲気もかなり変わります。柾目に挽いているわけではないので、こういう材が幾らでも取れるという訳ではありませんが。

 

20090716 カランタス以前には学校の教材として本棚にも使ってもらいました。軽くて柔らかいので加工も容易に出来ます。その分湿度にも敏感なので、引き出し材や箱材はベターな選択だと思います。右画像の45㎜の板は、300㎜幅も取れるほど広い物もありますので、数枚幅剥ぎにしてテーブルやカウンターなどにも使ってもらいたいのですが、この柔らかさとどう付き合うかが問題です。何とか木の触感を活かしながら使える用途を探っていきたいと思います。大量に仕入していますので、かなり廉価な値段で販売出来ます。短くカットした端材を『ちょこっと端材』コーナーにアップします(予定)ので、興味のある方は是非、使ってみてください『カランタス』!




樹木の音色

20090915 コンサート今晩は家内と長女が、佐渡裕さん指揮の 『兵庫芸術文化センター管弦楽団の松山公演』にお出かけです。ブラームスの『ヴァイオリン協奏曲ニ長調』や、ドヴォルザークの『交響曲第8番ト長調』などが演奏される、高尚なコンサートです。そういう高尚さとは縁のない私と双子(小2)はお留守番です。本物が理解できるかどうかという問題ではなく、絵でも音楽でも芝居でも本物に実際に触れるという事は大切です。特に感受性豊かな子どもの頃に少しでも『本物』に出会わせてやりたいと思います。子どもには分からないと思うのは大間違いで、以前にも劇団四季の子供向けの芝居を観賞しましたが、『本物』の持つ迫力と説得力は年齢に関係がありません。子どもなりに緊張し、のめり込んで見入っていました。子どもの時はその僥倖を確信できないでしょうが、きっと感受性の奥底の方にへばりついて記憶されるのでしょう。やがて大人になったときに、その記憶のかけらが何かのヒントにでもなってくれればと思います。

          
20090915 ストラディヴァリウス話は戻って、『音楽と木の関わり』といえば勿論【楽器】です。古(いにしえ)より木は楽器の材料として使われてきました。ヴァイオリンなどはその代表格ですが、名器の誉れ高いストラディヴァリウスは数億円するものもあります。もはや簡単に楽器などと呼べるレベルではないですね。聞くとことによると、ヴァイオリンを製作して300~400年もすると、自然に樹脂分や水分などがジワリと抜けて、ほどよい状態に安定し、素晴らしい音色を奏でるという事のようです。残念ながら、それほどの素晴らしい音色を直に聴いたことがありません。また聴いたとしてもその良さが果たして分かるかどうか・・・。ただ、それだけの物になれば、そんな不安も凌駕するほど圧倒的な音を奏でるのかもしれませんが。

 

 

そのストラディヴァリウスといえば、裏板には『スプルース』、表板には『メープル』が使われているという事ですが、その乾燥具合や材質は半端ではないでしょう!でも作った時に数億円したわけではなく、名手の手から手に渡り時代を超えるうちに価値が出てきたのでしょう。逆に、余程仕上がりや素材のバランスが極めて良かったので、現代にまで生き残ったのだと思います。しかし、これだけの価値の物になると使われた木も本望かもしれませんが、張り詰めた緊張が切れないでしょうね・・・。

他にも、和太鼓には『欅(けやき』・・・もっとも最近は、大太鼓の胴に使う大きな良質の欅が少なくなって、アフリカ産の『ブビンガ』にその地位を奪れつつあります。

20090915 大正琴には『』・・・正式には『(そう)』といい、中国から伝来した楽器のひとつです。中国では、筝を高貴な伝説の生き物・竜に見立てて、各部に竜の名称が使われています。例えば、人が演奏する側が『竜頭』、反対側が『竜尾』などなど。竜は天空の桐の葉の中に棲んでいるともいわれていますから、その結びつきも強いようです。

 

 

また、オルゴールには『オバンコール』、琵琶には『』またはピアノの響板は『スプルース』などなど。さらにギターになると、あまりの種類の多さに枚挙にいとまがありません。それにしても、何の木でもいいという訳ではなく、先人達はこの楽器にはこれと、材の特徴と音の響きを計算して実に細やかな最良の選択をされています。四季の変化は、特徴の違いがはっきりした多植物を育み、日本の楽器として音の文化をも育んできたのです。日本の音色の優美さ支えているのは、多様な日本の樹木たちなのです。




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