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先週の話になりますが、地域と森林・林業・木材業のトータルデザイン&実践型ビジネスを標榜する『古川ちいきの総合研究所』さんの11月度現地研修会に少しだけ参加させていただきました。『古川ちいきの~』さんは2012年の4月に生まれたばかりの会社ですが、代表の古川大輔さんは、「日本の森林・国土の再生、地域と人のつながりの再生を担う一助となること」を目指して、熱心に全国の森林と消費者を結びつける活動をされています。今回は久万・嶺北での研修会でした。
2日間の日程で、1日目は久万高原町では、久万森林広域組合の工場やモデルハウスなどを見学して、愛媛大学でのディスカッションタイムがあり、その際に盟友・井部健太郎君が自社の森林経営について語るという事だったので、私もそこから井部君と参加。最近よく二人でこういう会議やイベントに行く機会が増えました。お互いそれぞれの立場で、『新しい森の出口』を探していますが、身近なところに同世代に同じ志を持つ仲間がいるというのは何とも心強く頼もしいものです。
『古川ちいきの~』さんについても、井部君からの紹介でしたが、森や山の事を真剣に考える仲間の皆さんと熱心に活動されていらっしゃるようです。社名の「ちいきの」には、「地域」、「木」、「いのち(ココロと生物多様性)」、「粋(イキ)」、「機知(キチ)」という意味を込められているとかで、単なる建築資材だけではない『森のか出口』を探されている立場には共感する部分もあります。思えば10数年前に、私も木童(神戸市)さんの主催される産地ツアーで、全国の産地を訪ねさせていただきました。
いくら本を読んだり、ネットで調べようとも、実際に産地に行ってその空気を腹に入れて咀嚼し、自分の言葉で喋らねば絶対に人には伝わらないという事を身を持って体験した頃の事を懐かしく思い出しました。その後も機会あるごとに産地に赴き、北は北海道をはじめ、岩手、宮城、福島、石川、長野、静岡、愛知、三重、鳥取、徳島、高知、福岡、宮崎、大分等々、それぞれのこだわった経営哲学を持った親父たちの火傷しそうな熱いお話を聴かせていただいた事が、今の私の血であり肉であります。
今年もすっかり告知を忘れておりました。今月の24日(土)、25日(日)の2日間、昨年に引き続いて『えひめ・まつやま産業まつり』に出展させていただきます。このイベントは、愛媛県と松山市が連携して開催される県内最大規模のイベントで、『すごいもの博2012』のタイトルが示すとおり、おもしろいものづくりをされている企業も集結します。弊社は、イベントでは鉄板の人気を誇る『木の玉プール』や木の玩具、そして【森のかけら】や『木言葉書』、『森のしるし』などを持って行かせていただきます。
弊社は左の会場図でいうと、中央のメインステージに向かって左側のNO.134の『愛媛県森林局・(公財)愛媛の森林基金』ブースの中の1コーナーで出展させていただきます。出展させていただいてありがたいのは、商品を通常馴染みの少ない広い層にPR出来る事と、いろいろなものづくり人と出会える事。私の手掛けるものがかなりマニアックで、一般の方に迎合しない商品ばかりなので、かなり高いハードルを飛び越えて来られる猛者の方でないと辿りつけないため、こういう機会は貴重です。
いつも自分の土俵で戦っているので、ある意味「なんでもありの異種格闘技戦」のリングにはいくらかの戸惑いもあります。【森のかけら】をご覧になっては、「何これ?」という質問にお答えするのも正直ゲンナリ。万人に理解していただける商品を作ろうなどとは微塵も思っておりませんので、基本的には分かっていただける方にだけ分かっていただければいいというスタンスなのですが、こういう土俵に上がっておいてそれを徹しては「試合放棄」と受け止められかねません。とりあえず戦わねば!
最近、異種格闘技戦に出ることが増えたのですが、あまりに「郷に入った戦い方」をしてしまうと、大五木材らしくないと一部に熱狂的なマニアに失望を与えて自身の色を殺してしまいかねず、ペース配分が難しいところです。それを考えれば、やはりアントニオ猪木は素晴らしかったと思うのです。対アリ戦で、リングに寝転がった猪木にとって、戦術、戦略、名誉、地位、会社、契約、お金・・・多くを背負った両雄にとってあれがあの時考えられるベストの選択。戦わない人間だけが、戦う男の姿を笑うのです。
先日の中学生の職場体験の話の続きです。2日間の職場体験で弊社にやって来たのは、地元の中学2年生の男女2人。都会では、中高生が加害者となる悲惨な事件も起きていますが、この辺りの中学生は驚くぐらい純真。裏の顔を知らないという口の悪い人もいますが、2日も一緒にいれば作った顔かどうかぐらいは分かりますし、大人が子どもを信用してやらなくなってしまったらおしまいでしょう。そのためにこそ、学校以外で「働く大人の姿」を見せるこの授業の意義があります。
普通、企業に職場場体験授業の依頼をされる先生方にとって、「何も特別な事をしていただかなくて結構です。普通の仕事を体験させていただければ」というのが常套句なんでしょうが、まあ弊社は『普通の材木屋』ではありませんので、『普通の材木屋』の仕事がどういうものなのか分かりません。弊社にとっての『日常の仕事』を体験してもらうという事でご了解をいただき、お引き受けさせていただきました。今弊社が日々こなしている仕事の多くは私の入社時にはなかったものばかり。
古くからのお付き合いの工務店さんなどは、事務所を訪れるたびに「何屋さん?」と呆れ顔の嘲笑を浮かべられますが、昔は腹立たしく思えたその言葉すらも、今では賛辞に聞こえてくる爛漫さ!いいじゃないでか、何と言われようとも。我が道を往く、それだけです。昨今の中学生にとって、恐らく職業選択の幅の中にはないであろう『材木屋』も、何でも木の事をする『木のもの屋』となると話は別でしょう。『森のしるし』の台紙折りから、木の絵本の製本作業、木育イベントのお手伝いに家具の加工。
材木屋かくあるべし、なんて形式的なものはヒョイと飛び越して、木にまつわるいろいろな事を仕事にする事で、材木屋という看板を背負いながらでも何でも出来ます。一応、それっぽい事も体験してもらおうと、ZEN FURNITUREの善家君の工場に連れて行って、家具造りの醍醐味やら面白さ、鉋がけの体験もしてもらいました。善家君自身も、子供向けの木工を指導する機会が増え、説明も手馴れたものです。やはり実際にものづくり最前線に立つ人の言葉には重みがあります。彼らも興味津々。
さて、その次には『木のもの屋』には欠かせぬ存在・デザイナーさんのお仕事。私の懐刀・パルスデザインさんで、新商品の打ち合わせ。大内さんにもデザイナーの仕事の妙味を語っていただきました。何の仕事をしたって楽な事はないと言われる人もいますが、私だってこの仕事が天職だと思えるようになったのは、この7、8年の事。思い切って材木屋の概念という枠を飛び越えて、外から木の仕事を見てみれば、あらゆる産業と多かれ少なかれ関わりを持ち、ウェルカムで迎えてもらう仕事は他にありません。
世に星の数ほどある職業の中で、この仕事を生涯の職業に選んだ我が『強運』を褒めてやりたいと思うのです。2人の中学生にとって、材木屋という仕事がどう映ったのかという事にはあまり興味がありません。子どもの頃、八百屋さんでは野菜や果物を売っています。魚を売っているのは魚屋さんです、と習いましたが、それから40年。世はボーダレスになりましたが、波に乗り切れず取り残された仕事の職域の幅を狭めてしまってのは我々の固定概念かもしれません。楽しい仕事はそこにはない、自分で作るもの!
●LIVE(4組)
☆tomoka…ポップス ピアノ弾き語り(大 洲)
☆KENTA…ポップスボーカル(西条)
☆COJI… BLUES ギター弾き語り (大洲)
☆yukari…ポップス ギター弾き語り (宇 和)
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少し前の事ですが、中学2年生になる長女が、学校で職場体験の授業があり、自分は卒業した近くの小学校に行く事になったと嬉しそうに話していました。娘は学校の先生になりたいというわけではないようですが、学校の先生が親の仕事以外でもっとも身近に感じられる『仕事』だと感じたのか、あるいは給食が食べられるという事だけで選んだのか・・・。いずれにせよ人様のお仕事を体験させていただくのは貴重な経験です。その2日は中学2年生全員が近辺で職業体験をする日でした。
それで弊社にも2名の体験申し込みがありました。木材小売業というのは、その日その日の先方からの注文に応じて動いているので、なかなかきっちりした予定が立たない仕事です。しかも弊社のような少人数の零細材木店の場合は、誰がどの仕事の担当などという余裕はなく、誰もが大抵の仕事をこなせるオールラウンドプレイヤーでなくてはやっていけません。パソコンで見積りをして、木材を倉庫に立てて、耳付き板を加工して穴を補修、配達に行って、戻ってスタンプを押して小物の打ち合わせ。
その日その日の流れの中で、時間をみつけては出来る事を出来る分だけやっていく、そんな日々の繰り返しです。なので折角職場体験に来てくれても、教えてあげられる事があるかなあとも思ったのですが、テレビドラマなどには決して出てこないこういう仕事も世の中には沢山あって、それも大事な歯車のひとつなのだと感じてくれればいいかなと思いお引き受けさせていただきました。娘も人様のところでご迷惑をおかけするわけですから、ご協力ぐらいさせていただかねば申し訳ありません。
それにしても数ある職業の中からよくぞ『材木屋』を選んでいただいたものです。体験先は、生徒達の職種の希望を聴いて、先生が探されるそうですが、弊社には男女各1人ずつの2名が来る事に。当然、『材木屋』などというマニアックな希望ではなく、「建築やものづくり」という大きなカテゴリーの一角でしたが、それにしてもよくぞその中に材木屋を選んでいただいた事!弊社の場合、【森のかけら】を全面に打ち出したホームページと、実際に事務所で行なわれている日々の活動には大きな差があります・・・。
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