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私がもっとも信頼を置く同世代の設計士のひとり・ジューサンケンチクセッケイの石村隆司君による、独立後初めての完成見学会『キタシロハウス/オープンハウス』が8月3日(土)、4日(日)の2日間開催されます。今回は駐車スペースの都合などもあって、ご予約いただいた方のみとなるそうです。閑静な道後の住宅街に佇むキタシロハウスは、スマートな外観からもそのセンスの良さが伺えます。当日はテレビ番組の取材もあるとかで、私もこっそりお邪魔させていただこうと思っています。予約制という事ですのでご興味のある方は、ジューサンケンチクセッケイさんにお問い合わせ下さい。
今回、弊社ではホワイトオークの乱尺幅のフローリング、ラスティック・メープルのフローリング、メルサワのパネリング、アマゾンジャラのデッキ材などを納品させていただきました。石村君とは出会ってからもう10数年の付き合いで、公私ともに大変お世話になっています。そのセンスとバランス感覚の良さにはいつも感心させられますが、長い付き合いで求めているものは何となく理解できているつもりです。阿吽の呼吸で提案がはまるとテンションも上がります!
お互いの事が大体分かっているので、いちいち細かな事まで言わなくとも理解しあえるというのもありがたい事で、打ち合わせもスピーディ。ちょっと癖のある材で、見せ方、使い方に注釈をつけなけらば心配な材というのもあるのですが、そういうものって値段云々よりも、先方の理解度がないと後々トラブルになるだけだし、聞いていなかった、知らなかったみたいな素人みたいな事を言われると、怒りを通り越して悲しくなります。その点でも石村君のように信頼度が高いと安心。
そうなれば、リーズナブルな仕入れも可能になりますし、面白い遊びを仕込むことも出来るようになります。石村君のデザインは、決して『木』がこれでもか~!と前面に押し出て圧倒するような無垢材見せ見せの家作りではなく、上品で程よい抑制の効いたシャープで洗練されたもの。そういうデザインの家の中で、今後木がどんな風に遊び心を持って使われるのかも楽しみです。まずはその第一歩である『キタシロハウス』を見るべし!完成見学会の報告はまた後日・・・。
以前から、『建築以外の分野での木材の活用促進=新しい森の出口』構想について触れてきましたが、そのひとつが【森のかけら】や【森のしるし】などのオリジナル商品です。材に貴賎はありませんが、個人的には針葉樹よりも広葉樹の方が好きなので、ついつい広葉樹の出口に目がいってしまいます。しかし現実には、目の前に大量の針葉樹製品が溢れています。その大部分はスギ・ヒノキであり、この愛媛県産出の主材の建築以外の『出口』を考えなければ、その構想も絵に描いた餅でしかありません。
広葉樹の出口だけ考えていたのでは余りにも狭き了見ですし、マニアックなひとりよがりになってしまいます。しかし、このありふれた素材の料理方法がいたって難しいのです。料理でもそうでしょうが、どこにでもあって日頃から口にする素材の料理方法ってほぼ確立されていて、その素材を活かす新しい料理方法を見つけるのってそう簡単な事ではないでしょう。日本人の主食・お米の新しいよう理法方を考えるってかなり難しい課題だと思います。
その難しい命題に挑んでいる猛者は多くて、ここ久万高原町でもその『新しい出口』の成果が着々と出来上がってきています。国内外のラリーなどモータースポーツなどの主催運営を行う競技団体SSER organisationさんが新しい試みとして製作されているのがこちらの木製トラス。いくつかのパーツを組み上げていくと、こんな巨大なものに!このトラス以外にもさまざまな種類があって、つなげていくとステージにトランスフォーム!各種イベントでも対応可能です。
このトラスなどのパーツは、久万造林さんの倉庫で日々コツコツと組み立てられているのですが、弊社も少しだけ関わらせていただいております。最初は重たい木が乾燥によって、次第に軽くなっていくのも木製品の妙味かも。この木製トラスについてはまた改めて詳しくご紹介させていただきます。この日は、帰りに井部君のお母さんから取れたての面白野菜をいただきました!見たこともないような種類のものも。井部家の畑にも『新しい出口』が開いているようです!美味でした~!!
もともとそこには無機質な建物はあったのですが、今はご覧の通り。開放的過ぎる窓から見える海の借景も渾然一体となって、よほど意識しないと床材にまで目が行くことはありません。いろいろな面白い調度品やインテリアが雑多な賑わいを見せて、不思議なおもちゃ箱のような雰囲気を醸し出しています。窓からは潮の香りと爽やかな風が吹き込んできて、いつまでもいつまでもそこに佇んでいたくなるような心持ちになります。 |
今年の5月上旬に松山市北条沖にある無人島・鹿島に和みのカフェがオープンしました。新聞などにも取り上げられ、その後も数々のイベントも開催されたので、市内の方は行かれた人も多いと思うのですが、行こうと思いながらもなかなかタイミングが遭わず、先日ようやく島に再上陸する事が出来ました。上陸とはいっても、船でわずか5分の距離なのですが、いつもは使わない「船」という移動手段を使うだけで、『ハレの日』の気分に浸ることが出来るのは船の魅力でしょう~。双子と私の3人でいざ鹿島へ!
昨年子供たちを連れて行った時に、水着を持参してなくて子供たちが我慢できなくなって下着で泳いだ経験から、今回は家を出る時から水着を着込んで準備万端。早朝から島に行って、まずはたっぷりと泳がせ遊ばせてておいてから、開店後のカフェに行くことにしました。朝早かった事もあって、浜辺には釣り人以外にはひと家族のみ。この砂浜は人工的に作られたものだそうですが、早い時間であれば人も少なく子どもの海遊びには穴場スポットだと思います。
我が家の双子にとっても小学生最後の夏休みという事で、しっかりと遊び倒すつもりのようです。私自身はインドア派でしたが、夏休みに勉強などした記憶もありませんので、まあ元気にしっかりと遊んでもらえれば充分かと・・・。元気でいれば何とかなります。早朝には少し雨が降っていたのですが、島に着いた頃には雨も上がり、強い日差しが帰ってきました。周辺に何も妨げるものの無い、海辺から見る夏の海はどこまでも眩しく爽やか~!
気持ちのいい風が吹く中、子どもたちも体が冷えるまで夏の海をご堪能。お腹が空いた~と、自然にカフェに足が向くような時間を見計らって、さあカフェへ。そのカフェは、島の船着場を降りて、島を左に向かって歩くとものの1、2分もすればそのカフェは現れます。そのカフェの名前は、『海とcafe』。決して普通のカフェというわけではなく、自分と向き合えるような静かな場所を目指したという事で、通常カフェでは考えられない「食べ物、飲み物、悩み持ち込み可」の看板が!さあ、それでは店内へ!
地元愛媛の木材については、県内の製材所から直接仕入れるパターンと、市内の木材市場から仕入れるパターンがあり、弊社ではその2通りを使い分けています。木材市場の場合は、月に1、2度開催されていた『木材市』に出掛けては、『競り』を通して仕入れをするのですが、各樹種ごとに生産社を揃えて欲しいとの要望が多く、現在は各製品ごとに生産社を決めさせてもらっていて、ほとんどが『付け買い』で、この10年近くは地元の市場での競りには参加していません。
松山の場合、地元の製品市場に出品される樹種のほとんどは杉か桧で、弊社の得意な耳付きの多彩な広葉樹などの製品は滅多にお目にかかることはありません。そういう事もあって、市場に行くことが少なかったのですが、先日久し振りに市場に材を取りに行く機会があって、そこで目にしたのが例の桧の原木!そうです、昨年の秋にこのブログでも紹介した『ご神木への冒涜』事件ではからずもその「主役」となってしまったあの悲劇の6~700年生のご神木・桧。
話には聞いていましたが、実際に実物を見るとその大きさに圧倒されると共に、これだけの巨木の命を不本意に断ってしまった事への呆れや怒りが込・み上げてきます。一般の方からすれば、お前がしている商売と何が違うの?と思われるかもしれません。伐ってもいい木と伐ってはいけない木、それは人間の勝手な言い分であって、木にしてみれば伐られる事の正当性をいくら並べられても、その命の連鎖を断たれるわけですから不条理な現実でしょう。
その不条理な現実にどれだけ説得力のある言い訳を添えて(あくまでも人間都合の)、胸を張って堂々と端材の端材まで無駄なく最後まで使えるか。それが材木屋としての仕事と、不当な伐採と分ける一線でしょうか・・・。もしもこの桧が、不当に枯らされたりしたものでなく、堂々と伐採されたものであったとしたら、もっと違う意味で話題になった事でしょうが、横たわる巨木を前にすると、自分のしている仕事の意味について深く考えさせられます。
さてこの桧、末口(梢)側から見ると立派ですが元側に回ると、大きな洞(ウロ)が開いていて4mぐらいまで広がっているとの事。どうやら希望価格の入札が成立しなかったそうですが・・・何とも複雑な心境。ないしろこれだけ立派で巨大な桧、愛媛でもそうそう出る代物ではありません。しかし市場の片隅でひっそりと佇む姿を見ていると痛々しくもあり、これだけの立派な木に相応の箔をつけて、もうひとつの「晴れの桧舞台」に出せてあげられなかった事はやはり罪作りだと思うのです。
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