森のかけら | 大五木材


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20150218 1トロイと『トネリコ』の話の続きです。古代戦争では武器として利用されたトネリコですが、平和な時代になるとトネリコはその特性を活かして暮らしの中に溶け込みます。粘り強さと強靭な事から、スキーの板、杖、平行棒、農具の柄などに使われました。野球のバットにも使われたともいわれていますが、それは同類のアオダモと混同しているのかもしれません。いずれにせよ握って強く振り回すような道具にはもってこいの材と言えます。

 

20150218 2 北欧では、トネリコは湿った立地を好むことから、水の壊滅的な力からひとを守ってくれる魔力を秘めていると信じられてきたようです。またトネリコは海神ポセイドンの神木とされていたことから、当時の船乗りや漁師たちは、船が転覆しないように護符としてその木切れを船に持ち込んだり、船の細部の仕上げ材に使いました。また雨との関連付けからこの木を雨乞いの儀式にもトネリコは霊力がある樹として使われました。

 

20150218 3また俗信では『傷の木』とも呼ばれ、その樹皮はよき傷薬として、蛇に噛まれた傷を治す特効薬として使われてきました。『医学の父』と呼ばれた古代ギリシャのヒポクラテスもトネリコは、痛風やリューマチの治療薬や利尿作用のある良薬として用いたと記しています。19世紀のイギリスとフランスでは、熱が出たり歯痛がある時には、手足の爪を切ってトネリコの樹の下に埋めれば治ると信じられていました。

 

20150218 4それは人間にだけ有効なのではなく家畜にも効く特効薬とされていたことから、アルプス地方以北では家畜の飼い葉としてニレの葉についで昔から農場の近くに植えられていて、今でも古い農場や城砦には残っています。北欧の神話の中には、「この世で最初の男はトネリコの木から作られ、最初の女はニレから作られた」との記述があるように、北西ヨーロッパにおいてトネリコはもっとも権威のある落葉樹であるとされています。更に明日に続く・・・




今日のかけら・♯079【梣/トネリコ】 モクセイ科トネリコ属・広葉樹・北海道産

他にも先日、歴史スペクタクル映画『エクソダス』について触れましたが、本当はその時は『エクソダス』はある樹の事を紹介するための長い前ふりだったのですが、書いているうちについ熱くなってそこにまで至りませんでした。さて改めて本日は、当初の目論見通りある歴史映画を引き合いに出して木材との関係性についてお話させていただきます。俎上にあがるの2つの素材は、映画『トロイ』とモクセイ科の広葉樹トネリコ』。

映画『トロイ』は2004年に封切られた古代ギリシアのトロイ戦争を元にした歴史大作で、主人公アキレスを演じたのはブラッド・ピット(最高!)、監督は『Uボート』のウォルフガング・ペーターゼン。歴史家などからトロイ戦争との違いを指摘されたりもしましたが、フィクションである映画に対して何をかいわんや。対する樹の方は、野球のバットに使われる事でも知られるアオダモを含むトネリコ属シオジ類の木・トネリコです。

有名なトロイ戦争に登場する『トロイの木馬』はモミの木で作られていたとされますが、この木馬に限らず古代戦争ではさまざまな武器に木が利用されました。特に弾力があって強靭な木は重宝されました。トネリコは同類のシオジ同様に粘りがあり重硬で、石弓、投げ槍、槍、弓、剣の柄などに利用されました。トネリコで作った最も有名な武器は、ギリシア神話に登場するケンタウロスの賢者ケイローンが手にする槍です。

ギリシャの伝説によれば、ケンタウロスはギリシア北東部にあるテッサリア地方の伝説に包まれたぺリオン山という所に棲んでいて、その山の頂上には聖なるトネリコの巨木が沢山生えていて、そのうちの1本を伐採して作ったのがキロンの槍だとされています。後にアキレスは、この槍を使ってトロイ戦争でトロイの王子ヘクトールを討ったとされています。しかし、いかに勇猛といえども武器に使われる木は幸福な用途ではありません。明日に続く・・・

 




Exif_JPEG_PICTURE 『誕生木』をなるべく身近なところで楽しんでもらいたいという思いで作り始めた『12ヶ月の誕生木ストラップ』ですが、その後加工工程の見直しやストラップ紐の一括購入などによってコストが抑えられることになりましたので、本日より大幅に価格を改定させていただきます。今まで1個800(税別)にて販売しておりましたが、思い切って300円値下げをして、今後は1個500(税別)にて販売させていただく事としました。

 

20150216 1これは、同仕様でオリジナルのノベルティ商品にしたいという要望を受けての改定でもあります。片面に誕生木や木言葉、片面に企業やイベントのロゴなどをレーザーで入れて欲しいという問い合わせを多数いただいた事で、今後ある程度の受注のボリュームが見込めそうな事から、作業工程を簡略化したりストラップ紐の一括購入をするなどして対応に備えるのと同時に、レギュラー商品の価格も下げさせていただく事にしたものです。

 

GE DIGITAL CAMERA端材に高い価値を付加させ深い物語性を構築してマニアックな商品開発をする、というのも弊社の1つのテーマですが、一方で今まであまり森や木の事に興味や関心の薄かった人たちにも目をむけてもらうきっかけ作りをするという事も大切なテーマの1つです。そちらの入口(弊社にとっては出口)のツールとして、『森のしるし』や誕生木ストラップ』という廉価商品もあるわけで、こちらは出来る限りハードルを下げておく必要があります。

 

Exif_JPEG_PICTUREですので常に低価格で商品を開発するということは必須命題なのではあるのですが、ある程度量が見込めないとどうしても値段を下げられないジレンマがあります。特に木製品の特性として、大量に作れば作るほど集材コストが増加するという自然素材ならではの課題がありますので、分不相応の大量受注というのは歓迎されないという特殊事情があって、そこが大量生産大歓迎の工業化商品とは一線を画するところです。何事もバランスが大事!

 

Exif_JPEG_PICTUREまあ、そういう裏事情もありまして『誕生木ストラップ』の既製品につきましては、1個500円(540円/税込)での販売という事にさせていただきます。この商品にもカーボンオフセットを付加しておりますので、『森のしるし』同様に1個お買い上げいただくごとに、100g相当の二酸化炭素の削減にも貢献できるという事になっています。是非企業やイベント等でのノベルティとしてのお問い合わせもお待ちしています!




Exif_JPEG_PICTURE昨日に続いて、『日本酒で楽しむ和食』の会の続きです。本会からは少し話が脱線しますが、純米酒の料理に添えられた『柊(ヒイラギ』について。節分の魔除けとして玄関や門口に飾られる『ヒイラギに鰯の頭』の由来は以前に『今日のかけら』の項でご紹介しましたが、鰯の頭のようなつまらないものでも、信仰次第では尊いものに転じることから、皮肉を込めて使われています。葉一枚でもこうして物事が繋がってくると嬉しいものです。

 

20150215 2さて、木を語る上での私の信条は、『肉を買う時は肉の事が好きで好きでたまらない肉屋から、魚を買う時は魚の事が好きで好きでたまらない魚屋から買いたいと思う。だったらひとも木を買う人も木の事が好きで好きでたまらない材木屋から買いたいのではなかろうか、という思いから目をキラキラさせながら夢中で木の事を語る』というもので、そんな思いは暑苦しいとか重たいと言われてもそのスタイルを変えるつもりはありません。

 

Exif_JPEG_PICTURE山川社長も久保田料理長もきっと同じ思いだと思われますが、ただその思いは熱くとも語り口が上品で、上から目線の教えてやる感も押しつけがまさも一切ありません。プロフェッショナルとしての酒造りと食への火傷しそうな熱い情熱は底の方に沈殿し濾過され、口当たりのいい言葉で素人にも分かりやすく楽しませるお話には学ぶところが非常に多く、不特定多数の人を相手にする御商売のお手本としてその腕前を堪能させていただきました

 

Exif_JPEG_PICTUREまた当日いただいた資料の中に「梅錦おすすめカレンダー」というのがあって、季節や節季の行事に合わせた梅錦山川さんのお酒の紹介がされていました。例えば母の日にお薦めなのは『四季香麗水』とか、お月見には秋季限定の『ひやおろし』とか、バレンタインには本醸美酒『ずっと好きでいてください』などと。お酒の風味や特徴と季節の行事を絡めていらっしゃいます。いまさらながらの話ではありますがモノを売るための動機づけとしての物語性の構築の重要性はいかなる職種にとっても必須命題。個人的な嗜好からも、何とかこういう場面で日本酒に添えて使っていただけるような木の器の商品を作りたいところです。勿論物語性たっぷりと盛り付けて!




Exif_JPEG_PICTURE先日は天皇陛下がお泊りになる事で有名な創業380余年の老舗旅館『ふなや』で開かれた『日本酒で楽しむ和食』というイベントに参加させていただきました。このイベントは、フジと愛媛新聞の主催で開催されている『愛媛エプロン教室』の一環で、愛媛を代表する酒造会社・梅錦山川㈱山川浩一郎社長とふなや久保田昌司料理長を講師にお招きして、こだわりのお酒に合う料理を楽しみながら、おふたりのプロからお話をお聞きするというもの。

 

Exif_JPEG_PICTURE私は今回初参加でしたが、いつも人気のある企画だという事で、今回も定員70名に対してなんと300名を超える応募があったらしく4倍を超える競争倍率を勝ち抜いての参加でした。その幸運のチケットを手に入れてくれたのは大学時代からの悪友である岡慎治君。格式ある老舗旅館の金屏風が飾られた間に、選ばれし見知らぬ大人たちが集まりました。梅錦山川㈱さんは、明治5年に創業し、5代も続く愛媛でもっとも大きな酒蔵です。

 

Exif_JPEG_PICTURE第一部はその山川社長が、「日本酒の楽しみ方」と題して日本酒の造り方やその種類についてお話しいただきました。山川社長はお酒に対する卓越した知識をお持ちで、日本酒業界でも有名なお方です。私はお会いしたのは初めてでしたが、その穏やかな語り口から温厚な人柄と、お酒造りが好きで好きでたまらないという熱い思いが伝わってきます。限られた時間には到底収まらない酒への強い思いが次から次から溢れだし言葉が尽きません。

 

Exif_JPEG_PICTUREそれは久保田料理長も同様で、第二部では当日用意された3種類のタイプの違うそれぞれの日本酒(大吟醸、生原酒、純米酒)に合わせた料理を作られその解説を丁寧にしてくださったのですが、そのこだわりぷりはさすが老舗旅館。味は勿論のことですが、目で楽しませることにも徹しておられて、生原酒に合わせた料理の更には季節感を演出する『柊(ヒイラギ』の葉が添えてある憎い演出。ヒイラギに鰯の頭は節分の魔除けです




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