森のかけら | 大五木材


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★今日のかけら・090 【バッコウヤナギ/跋扈柳】ヤナギ科ヤナギ属・広葉樹・北海道産

 

20090821お盆は過ぎたものの、これから残暑が厳しくなりそうです。まだまだ去り行かない『熱い夏』ですが、少しでも暑さがしのげるように願いを込めて、今日は少しでも涼しくなる話です。涼を誘う夏の風物詩といえば『風に揺れる川辺の柳』でしょう。そこで、今日はそのヤナギの話です。私の実家はダムの湖畔沿いでしたので、昔から柳がたくさん植えてありました。ヒョロヒョロとして細長い葉がユラユラと揺れる姿は、いまでもよく覚えている懐かしい風景です。

私がまだ幼き昭和40年代の田舎は、本当に車も少なくのんびりしていて、夜には近所の大人も子どもも橋の電灯の下に集まって夕涼みをしていました。今から考えると、別の国のような光景でした。子どもの感覚ですが、当時は街灯も、家の灯りそのものも少なく、闇は底なしに暗く、夜は怖さや恐怖の対象でした。柳といえば幽霊と相場が出来あがっていますが、夜の闇は怖くても柳に恐怖を感じた事はありません。むしろ、昼間風にそよぐ柳のイメージが刷り込まれていて、私にとっては『柳=涼』の象徴であって、マイナスイメージはありません。

 

その湖畔沿いで風にそよいでいた柳というのは、【シダレヤナギ】で、それを見て育ったものですから、柳といえば【シダレヤナギ】しか想像できません。ヤナギには実に多くの種類があります。残念ながら【シダレヤナギ】は、【森のかけら】には含まれていません。子供のころの目線ですからいい加減なものですが、昔見ていたヤナギは結構大きな木だったと思います。しかし、この稼業を始めて20数年、市場に【シダレヤナギ】の材が出材されたのを見たことがありません。ほとんどが【バッコウヤナギ】か【ドロノキ】だと思います。ただ、木材市場では学術的な分類は求められませんので、何ヤナギかまでは表示もしませんし、買う方もそこまで求めません。私の知らないところで【シダレヤナギ】も木材市場に出ていたのかもしれませんが・・・。

 

20090821堀のヤナギ5『柳=幽霊』という構図もいつから出来たのか分かりませんが、昔の足のない幽霊画の背景に書き添えられていたイメージでしょうか。シダレヤナギは、太陽の光りを充分に浴びれるように柄がねじれていついていて、細長く枝垂れています。それが名前の由来でもあります。その姿からも、いかにも日本の木のように思われがちですが、実は中国の中南部が原産とされ、日本には奈良時代頃に伝わったとされています。木の伝来と合わせて、『柳=幽霊』のイメージも伝わったかと思ったら大間違いで、実は中国ではシダレヤナギは縁起のよい木とされています。ヤナギそのものがとても長命な木ということもあり、子宝を授かるとか、旅人の無事を願う『結びヤナギ』などの言い伝えも残っています。

この項、長くなりそうなので続きは明日に・・・




20090821 なが坂最近、木材の関係の会合の他にも、いろいろな処に顔を突っ込んでいるので、集まって話をしたり、飲んだり、飲んだり・・・する機会が多いのですが、そういう時によく利用させていただいているのが、松山市内の繁華街にある『酒屋・なが坂さんです。100人以上が入れるほど大きなお店で、奥に広い座敷があるので大人数の時にはとても助かります。年を食っていくとやはり畳の上で盃を傾けたくなります。店内にも木材がふんだんに使われています。そうです、その木材を弊社が・・・という訳ではありません。残念ながらこちらのお店には木材を納品させていただいてはいないのですが、オーナーとご縁があってよく利用させていただいています。こちらのお店の前に、二番町で『官町別邸・橙(だいだい』というお店を開店されました。もう5,6年(もっと前かな?)も前の事です。その時に縁があって、こちらのお店には内装の材料など1式を納品させていただく事になりました。オーナーの長坂さんとも、その時が初めての出会いでした。

20090227 なが坂工務店さんのご紹介でお会いした時は、随分若い方が経営されるのだなという印象でした。長坂さん自身まだまだお若いうえに、どちらかというと童顔で当時は大学生ぐらいに見えたものです。その時に、ご自分でも古民家を解体された材をストックされていたので、カウンターやテーブルなど使える部分には古材を使い、不足する部材を加工・納品させていただきました。お店は、三越の西側で私達が学生の頃、ディスコがあった場所で、地下に潜っていく造りです。工事の最初の頃は照明灯が心細く、足元の不安定な地下に潜っていくのですが、洞窟の中に入っていくような独特の雰囲気でした。

次第に階段ができ、床が貼られ、壁が立ち上がり、内装が出来ていきます。我々木材屋はこういう店舗の場合、土台や柱などの初期の構造材を納品する時には、まだ何も出来てなくて、内装材を般入する頃は短い納期のため、多くの業者が入り乱れ混乱しており、のんびり店内に立ち入れるような状況ではありません。最後に、使っていただいた木の写真でも撮らせていただこうかなと思ったら、検査、手直し、備品搬入、開店準備と慌しく、気がついたら開店していたというパターンが多いです。しかし、『橙』さんに携わった時は、取り付け物も多かったのでかなり頻繁に長時間、現場に滞在しましたので、店舗が出来上がっていく工程をじっくり見させていただきました。

20090821 橙2ひとつのお店でこれだけ色々な種類の木を使わせていただいたのも初めてでしたし、壁材、階段材、テーブルの天板、造作材などいろいろな加工もさせていただき相当勉強になりました。その当時はまだ店舗の内装を植物性油で塗装するお店はなかったと思いますが、オーナーのご理解が深く、全ての無垢のテーブル、カウンターを植物性油で塗装させていただきました。正直まだ弊社にも塗装のノウハウが少なく、試行錯誤の中の挑戦でした。住宅で無垢材を使う経験は豊富にありましたが、人の出入りが激しく、手入れの頻度も高く、照明や冷暖房など、無垢材に過酷ともいえる厳しい環境でどこまで持ちこたえられるのか、かなり不安や心配もありました。案の定、いろいろな問題も生じました。こちらに不安があるのですから、さぞやオーナーも不安だったと思います。メンテナンスにも何度も何度も足を運ばせていただきました。その後、十数回も飲みにも行かせていただきましたが、メンテではそれ以上伺いました。昼はメンテ、夜はお客さんで、という事も何度かありました。

20090820 橙東京で有名な飲食店をデザインされる設計士さんの造りは、私達が見ても斬新でかなり話題にもなりました。京都のおばんざいのような料理も新鮮で、いろいろな意味で刺激を受けました。料理も独創的で美味しく、お客さんも引っ切り無しで大繁盛!このお店の成功を元に、数年後『居酒屋なが坂』も開店されました。そういう意味でもオーナーは勿論でしょうが、私にとっても『橙』は忘れる事のできない思いで深いお店の1つです。今ここに、『橙』がオープンした時に配られた宣伝物のひとつがありますが、いまだに何だか捨てられません。『男だって初めての女を忘れられない』なんて映画の宣伝コピーがありましたが、『業者だって忘れられない思い出深い現場』があります。長く深く関わらせていただき、それがご縁でオーナーとも親しくお付き合いさせていただくようになりました。曲がりなりにも関わらせていただいたお店が繁盛していて、そこで自分が収めたカウンターの上でおいしいお酒を飲ませていただける、材木屋にとってこれ以上の醍醐味はありません。

最近の我々の会合は、大人数で集まり大声で長時間話をするため、他の方のご迷惑にならないように広くて間仕切りのある『なが坂』さんの方を利用させていただいております。『橙』さんは、少々お洒落すぎて我々おじさんには不釣合いになってきたという事もありますが・・・。いつものように飲食店の紹介をさせていただきながら、ほとんど食事の事に触れないというのは、筆才不足という事でご容赦いただきたいと思います。どうぞご自分の舌でお確かめ下さい。味は保障いたします!内装の木材については、また日を改めていずれ。




20090819 竹森ガーデン今週の日曜日(8月23日)は、【久万郷】さんの『3回子育てワンダーランドin久万高原』です。当然我が家もお手伝いも兼ねて参加させていただきます。このイベントも既に3回目という事でかなり定着してきたようで、今回は早々に定員が埋まり、総勢で100名にも及ぶ大イベントになるようです!既に今回の会場となる『竹森ガーデン(竹森洋輔:代表』では、着々と準備が進んでいるようです。森の中の果樹園でぶどう狩りと石釜ピザづくりを楽しむ一日というテーマで、デラウェアの収穫体験や石釜でピザ焼き体験が出来るという事です。詳しくは、久万郷さんのホームページをご覧になってください。

20090503 ■竹森ガーデン58今までにも何度も取り上げさせていただきましたが、『久万郷』のメンバーとは何だか不思議な縁で結びつき、深く関わらせていただく事になりました。今でこそ、多種多様な異業種の方とお仕事をさせていただけるようになりましたが、『久万郷』がその扉を開けてくれました。今でも昔と同じように、木材・住宅業界の中だけで仕事をしていたらと思うとゾッとします。恐らく、現状を打開するきっかけも見えずに、「業界」の中で愚痴と不満を言い合いながらなす術もなく、不況の闇の奥底深くに沈んでいってしまったのではないかと思います。

異業種の方と関わりを持ったからといって、すぐに新しい仕事が見つかったり、売り上げがアップするわけではありませんが、視界は間違いなく大きく開けます。他の仕事を知ることで、自分の仕事を見直すことが出来ます。そして何より、自分の会社で出来る事が、社会の中でどういう立場にいるのかを(良くも悪くも)はっきり認識できます。そこからどう踏み出すかが大事ですが。私としては、いろいろな立場や個性の人間と話が出来るのは、それだけで大きな財産です。美味しいお酒を飲める仲間も増えますし・・・。なぜ、ここまでお酒好きばかりが集まるのかは謎ですが!

このイベントとは別ですが、『久万郷』メンバーとの縁が呼び水となり、この秋は多種多様なイベントが目白押し状態です。まだ具体的に発表できる段階ではありませんが、今の内にもっと『飛び道具』も増やしておかねば!時間のかかった【森のかけらブランド】の新商品も今月末頃にはようやく発売できそうです。例のこれとか(→)、ほかにも3,4点自信のある物があるのですが、どこをもって完成とするのか、優柔不断で決断できずに悩みます・・・。

 

お盆以降、急に風も涼しくなってきたような気がします。夜、網戸にして寝ていると、明け方は肌寒いぐらいで、すっかり秋の気配が漂いますが、松山でこの調子だったら久万はさぞかし涼しい(寒い)ことだと思います。用意周到に準備して、今週末は久万の山の味覚をたっぷり堪能させていただきます。




★今日のかけら・#030 【ケンパス】 Kempas マ・広樹・東南アジア産

20090819 ケンパス

 最近よく文があります。枕木といっても、新品の物ではなく実際に線路で使われていた中古の枕木です。枕木というと、材料となる木が決まっていると思われる方も多いのですが、実際にはいろいろな樹種が使われています。国産の枕木としては、何といっても【】が有名です。ただこの辺りにはそういう大きな栗がないので、実際に使われている『栗の枕木』を見たことはありませんが・・・。他にも、『青森ヒバ』や『』などにも、枕木で使われたとの記述があるのですが、青森ヒバでは少々柔らか過ぎる気がするし、それだけ大きな樫が枕木に使えるような安価で揃うのか疑問です。そういう事もあったが、やはり問題があり永くは使われなかったという事かもしれませんが、日本は広いですから何があるかは分かりません。木材にも、まだ見ぬつわものが眠っているかも入れませんから。

20090818 枕木枕木材としての適応条件は、まず堅牢であるという事。数10tもの車輌を支えるわけですから当然の事です。さらに大量に使うわけですから、そこそこ安価で安定的に手に入る事。細かな精度は求められませんが、製材後に暴れやすかったり、反りやすい物も出来れば避けたいです。また、枕木には腐食を避けるために保蔵材が注入されるので、薬剤の浸透性がよい物がベストでしょう。どれだけ試行錯誤があったのか分かりませんが、そういう条件を満たした物として、世に認められている物の1つが、【ケンパス】です。

前述の条件を満たしているのでしょう(検証したことはありませんが)、このあたりで見かけるほとんどの枕木がケンパス・・・だと思います。というのも、中古で薬剤が浸み込み、かなりダメージを受けていますので、全体の雰囲気から推量するしかないのですが。中には、内部に大きな洞が出来るほど朽ちてしまったものや、ザックリ割れの入った物もあります。よく、どれくらいの重量ですかと訊かれますが、重さもまちまちで軽く持てる物から、二人がかりでようやく持てる物までさまざまです。

枕木=ケンパスという構図が先にあると、フローリングにも使われる事に違和感を覚えるかもしれませんが、少し着色してウレタン塗装したフローリングもかなり出回っています。表面に逆目や毛羽立ちやすいので、ウレタン塗装が基本となるため、弊社では扱ってはいません。釘持ちがよいことから、他にもパレット材やダンネージなどにも利用されています。ケンパスの【森のかけら】を手にとって見てもらうと分かるのですが、結構面白い杢目が出るので他の用途に使っても面白いと思うのですが、枕木の印象が強すぎて思考が止まってしまいます。

DSC01001日本はどういう用途にでも細かな注釈をつけますが、現地では硬くて安ければ、使える物は何でも使うという大らかさがあり、アケンパスのほかにも、ユーカリ系の木も同じような特徴を持つようで、『ブラックバット』、『ポッティドガム』なども枕木に使われているようです。更に『ビリンガ』、『タリ』、『クマル』などのマメ科の木や、『カポール』、『ヘリチエラ』、『グリーンハート』など様々な気が枕木に利用されています。

 

肌がデリケートな私としては、強い薬剤の注入された枕木は手に余す事もあるのですが、ガーデニングや車止めなど用途も広く根強い人気があります。昔、枕木を磨いてベンチに使うという猛者もいらっしゃいましたが、薬剤の事もありますので、なるべく素手で触れる事のない外部での使用にとどめるべきです。以前ほど入荷が安定しにくくなりましたが、日々車輌の重みに耐え、奮闘する縁の下の力持ちに敬意を払いつつ、これからも枕木の第二の人生のアシストをさせていただこうと思っています。




なぜ【ラミン】が市場から姿を消したかという事ですが、そもそもラミン】は東南アジア、主にインドネシア、フィリピン、マレーシアなどに生育するゴニスチラ(ジンチョウゲ)科の大径木です。

消え行くラミンの丸棒②.bmp10数年前まで盛んに使われていた樹種が突然姿を消したのは、インドネシア政府からラミンの伐採・商業取引の禁止令が出され、2001年にワシントン条約によって、絶滅する危険性がある種に指定されたからです。ラミンという樹種そのものが、乱伐により今では伐採を制限しなければならないほど希少な樹種になってしまったようです。かつてその輸入先の上位には日本も名を連ね、大量のラミンが輸入されてきました。ラミンだけでなく、良質の材が紹介されると、われ先にと商社が競い合い乱伐を進めてしまった罪深い過去があります。輸入が禁止された後も、違法伐採が横行したようです。さらにラミンの生育地が、こちらもワシントン条約で絶滅する危険性がある種に掲載されている野生動物、オラウータンの生息地でもあるのです。つまりラミンの森を伐る事は、オラウータンの森を奪い去ってしまう事にもつながってしまうのです

4,5年前に【森のかけら】構想を考えた時に、実はラミンも候補に入れようか迷ったのですが、条約締結以前に国内に合法的に輸入された物であったとしても、そういう悲しい背景のある木を入れるのは不本意だったので除外しました。勿論、輸入材を扱わせていただいている立場から、違法伐採の問題を対岸の火事として、自分の責任を回避して偽善者ぶるつもりはありません。ただ、こういう事例があると全ての輸入材がすべて悪であるという極端な理屈もどうかとは思います。発展途上国のような地域においては、今でも森林崩壊が進められ大きな問題となっています。

全世界的にこれだけ住宅産業が落ち込み、物が売れない現状で一体そんなに木を伐採して何を作っているのかと不思議に思うほどです。かつてのように無垢材にはもはやそれだけの求心力はなく、多くが製紙原料であったり、合板の材料になっているようです。また、焼畑による森林伐採も深刻な問題ようです。しかし、森林が現地に住む多くの人々の生活の糧である現実もあります。様々主張や利権が複雑に絡み合い、机上の話し合いで簡単に解決できるような生優しい問題ではありません。突き詰めていくと林業=悪のような解釈をされてもたまりません。そもそも人間という存在そのものが、他の生き物の命を奪わねば生きていけない罪深い生き物なんですから、動物や環境など自分以外の他者との関わり方のバランスを取るしかないのではないかと思います。

ちょこっと端材#034 ラミンの丸棒あまり普段の生活に関わりのない大きな事では冷静で論理的な論理を展開できるのに、日常的な小事には慣れすぎて焦点がぼけた判断しか出来なくなる事があります。例えば野生動物の保護や環境問題を声高に叫ぶ方が、肉牛の入ったハンバーガーを食べる行為。食用として飼いならされた肉牛の命よりも、野生の動物の命の方が尊いという理屈は偏狭です。あげ足を取るつもりではなく、野生動物の保護や環境問題を訴えていくその理念は大いに賛同します。しかし、その一方でそういうこと(例えば鯨の捕獲や、焼畑農業での生活)に関わって生きていかねばならない現実もあるわけで、その部分を必要以上にバッシングする行為が私にはどうしても偽善に写って仕方ありません。

私自身も森の恩恵で仕事をさせていただいておりますが、人のつながりの中で商売をしています。違法伐採した物を購入しようなどとは考えもしませんが、直接アメリカや東南アジアに行って、伐採現場に立ちえるわけではありません。結局、間に入っている人間を信じるしかないのですが、これは木材に限らずあらゆる商売の原則だと思います。誰を信じて物を買う、つまり商品の裏に信用も張り付いている事になると思います。

20090816 ラミン丸棒2今日は珍しく硬い話になってしまいましたが、通常考えているのはそんな大仰な事ではなく、『縁あって手に入った材は、無駄のないように骨までしゃぶって使い切る』という【ドケチ精神】だけです。その軸だけぶれないような商売をするのが材木屋としての使命だと信じるしかない、というのが私の信条です。スイカ割りに使ったラミンの丸棒も、ワシントン条約の締結により、ラミンが輸入出来なくなったために廃業した木材屋の倉庫に眠っていた古い在庫をまとめて引き受けた物です。数千本ありましたが、店舗の内装やら太鼓のバチやらで少しずつ販売しています。勿論、ここにある物が売り切れば、後は仕入れるつもりもありません。中には古すぎてカビが発生している物もあり結構処分もしました。かなり年季の入った梱包で、10数年前の物かもしれません。もうその会社はありません。当時どういう状況で伐採・加工されたものなのかもはや知る由もありません。しかし、この丸棒の木・ラミンがオラウータンの森を豊かにしていた事、そして乱伐したという現実を物語る遺産として私の手元にあるのも事実です。

そして私は材木屋としてそのことを語りながら、ここに残ったラミンの丸棒がお役に立てるように信じて売っていくしかないのです。それは物が売れていくということが必ずしも手放しで喜べない複雑な心境です。みなそれぞれの『覚悟』を心に秘めて生きているのだと思います。




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