森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

20090811 松原様邸楢テーブル5昨日、ナラのローテーブルを納品させていただきました。アトリエA&Aさんのご紹介ですが、以前にもキッチンテーブルをご購入いただいたお施主様です。キッチンテーブルは、楡:ニレ(エルム)で作らせていただきましたが、今回はナラのしっかりした杢目を選んでいただきました。常時使われるという物ではないので、脚は折りたためるメーカー品をお取り寄せいただき、天板に取り付けさせていただきました。アリ桟もしっかり取り付けて、脚を付けると結構な重さになります。それでもローテーブルなので、脚を折りたためば私一人で何とか持てる・・・ぐらいの重さです。ナラはギュッと目が詰まり、身が締まっていて重たい木ではありますが、幅剥ぎにすれば更に重さが増します。しかし、この重さが値打ちです!

20090811 松原様邸楢テーブル4まったく同じサイズの木でも、ポプラシナノキなど軽軟な木はひょいと持ち上げれます。それぞれの木の特徴ですから、軽いからといって安いとか悪いという物ではないのですが、見た目の印象として、何人かがかりで汗だくになって運んでいる座卓と、軽く小脇に抱えるように運ぶ座卓とでは、ありがたみも変わってくるのではないかといつも不安になります。決して重たい木が良いという訳ではなく、ケースバイケース、要は適材適所だと思うのですが、提案する時にもその事が脳裏をよぎり、あまり軽いと値打ちを分かってもらえないのではと、心配になります。元来の心配性ですから仕方が無いのですが、いつまでも覚えてない(覚えられない!)楽天的な性格でもあり、その能天気さが自分でもが救いだと思っています。でなければ心配の種が多すぎて息が詰まってしまいます。

 

 

今回は結構な重さでしたが、心優しいお施主様のお手伝いもあり、2階へ無事納品させていただきました。アトリエA&Aさんのセンス溢れるしつらえにうまく収まるか不安でしたが、すべて杞憂に終わりました。使い込まれて味の出てきたパインのフローリングとの相性もバッチリです。ご笑納いただき本当にありがとうございました!

20090811 松原様邸楢テーブル3最近は、変な材木屋という認識がやや浸透してきたおかげで、来られるお客さんもそれなりに『覚悟』して、来て頂けるようになったので随分楽になりました。変な話をしても、ああこういう人なんだから仕方がないんだと、諦観のような思いを持っていただいているのではないでしょうか。もう直す気もありませんし、このまま突き進むつもりですから仕方がないのですが、誰にでもそういう態度で接する訳ではありません。相手を見て、木が好きそうな方ならとことんいきますが、そうでもない方には普通(怪しい!)に接します。誰でも彼でもとなると、ただの頑固親父ですから、そこはそれひとかけらの常識ぐらいはわきまえている・・・つもりです。

でもいつも思うのですが、折角こんな所にまで足を運んでいただき、蒸し風呂のような倉庫で木を見ていただくのですから、それだけで帰してしまっては申し訳ないと・・・それだけで帰りたい人もたくさんいると思いますが・・・それで、ついつい余計なおしゃべりをしてしまいます。それに長い人生に1度くらいは、材木屋の親父と木の話を聞いていただくのも悪くはないじゃないかと勝手に決め付けています!お話を聞いていただいて、帰り際に「あまり木にはこだわってなかったけれど、木も面白いね」なんて一言声を掛けていただけようものなら、更にお引止めしてまだ話の続を・・・いや、丁重に御礼を申し述べさせていただきますが、『材木屋冥利に尽きる』とはこの事です。

私には、植林して木を育てる山も、伐採のための重機も、柱を挽く製材機もありません。けれど、山に木を植えたり、伐採したり、製材する事だけが、『木を守り育てる仕事』ではありません。そういう人々の思いや活動を熱く伝え、知って理解していただく事も『木を守り育てる仕事』だと思っています。私はまだまだ未熟で、その域には到底達するものではありませんが、あたかも山の中でそびえ立つ木をイメージし、命ある物を使うのだという感謝の気持ちとその歓びを感じてもらえればありがたいです。『育てる林業』、『作り出す林業(製材業)』と同列に『語り伝える林業』があってもいいと思っています。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2009年8月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  
Scroll Up