森のかけら | 大五木材


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今日は社員総出でフローリングの磨き仕上作業です。弊社で取り扱うフローリングは、無垢の1枚物(俗にソリッドとも呼ばれます)か、長手方向につなげた物(俗にユニFJと呼ばれます)のどちらかに決めています。15年前程前は、貼り物の合板のフローリングも取り扱った時期がありましたが、それ以来扱いは止めました。FJLも極力扱いません。FJLというのは、簡単に言うとユニFJを横に数枚並べた形の、150㎜幅などの少し幅広のもので、『フィンガー・ジョイント・ラミネイテッド』の略語です。継ぎ手が指先をつなげた形に見えることから、この名前がついたようです。

ユニFJは扱うのに、なんでFJLは扱わないのかという事に深い理由はありません。気持ち的になるべく無垢の1枚ものの形に近い物を扱いたいという身勝手な理由によるものです。ユニFJまでは許せても、床に張りあがった時のFJLの感覚がどうしても馴染めないという物凄く個人的な嗜好の問題を商売に持ち込んでいいのか・・・いいんです、そういう訳のわからないとこに頑固な材木屋もあっていいんです。しかも塗装は、植物性油塗料か塗らないかの二者選択(水回りはプレポリマー塗装します)しかありません。まるでメニューの少ない頑固親父のラーメン屋みたいなものです・・・。

CAKBHFCRウレタン塗装品は、お客さんからの強い要望があれば取り寄せしますが、こちらから積極的に提案することはありません。馴染みの工務店さんは、こちらの意固地さをよくご存知なので、そういう要望をこちらにお伝えになることもほとんどありません。そういう商品は、建材屋さんが段取りされていると思います。またそういう要望を多分そういうお客さんはうちのは来ないと思います。それで30年以上も会社が続いているわけですから、奇特なお客さんも世間には結構多いということだと思います。

 

実際には、一階は無垢のフローリングで弊社が納品させていただいて、2階は合板のフローリングで建材屋さんが納品されるというケースはたくさんあります。合板フローリングも扱えば、両方出来て扱い量も増えるのにと言ってくださる方もいますが、そうすれば1階の無垢のフローリングを勧めた時の青臭い熱弁が嘘になってしまいます。自分の信念を曲げてまで商売をしようとは思いません。まだ若かりし頃は、そういう葛藤もあり目先の売上が喉から手が出るほど欲しい時もありました。自分勝手な思い込みが、もしかしたらお客さんにとっては迷惑をかけている事になるのではないだろうか・・・真剣に悩んだ時期もありました。

その後、【木童】の木原巌さんと運命的な出会いがあり、全国の熱すぎる『ものづくり親父』たちに感化され、無垢で仕上たお客さんの喜びの笑顔と感謝の言葉に支えられ、『適材適所』を10年書き続け、たくさんの本を読み、多くの人との出会いを経て、ついに自分なりに卓見の境地に至りました!自分が本当に好きなものを、自分の言葉だけで喋るという背骨が出来ました。背骨も最初はグニャグニャと柔らかなものでしたが、自分の考えを人様の前で喋っているうちに、どうやらそれがカルシウムになっていたようです。背骨もいつしかシャンとしてきました。ただこれは、自分が材木屋としてこうありたいと願う信念に対しての事で、商売人としてはいまだに背骨どころか軟骨すら生えてない状況です!

20090519 ワンズ佐竹邸14しかし、人間思い込みが激しいと妙なもので、それが自信になったりします。この不遜なまでの思い込みが自分なりに自信となり、うまく喋ろうとか上手を言おうなんてどうでもいいという気分になりました。丁度、愛媛木材青年協議会の会長をさせていただいた頃が大きな転機でした。いやでも人前で喋らないといけない、そういう立場になった時、逆に開き直りました。失敗して恥をかいてもいいから、全力は尽くそうと。そのためにはうまく喋ることではなく、熱く喋ることだと思い、挨拶などのスピーチも原稿を用意するのは止めました。

最初の内は、案の定言葉に詰まったり忘れたりと散々なものでした。その後も決してうまくなったりはしていませんが、少しは思いの熱を伝える手法は分かってきたつもりです。私が愛媛木材青年協議会の会長時のスローガンは、『愛媛木青協がやらずに誰がやる!今やらずにいつできる!』でした。恐れ多くも、尊敬する大彫刻家・平櫛田中先生の言葉をお借りして、自分を鼓舞させかなり負荷をかけました。もう5年ほど前の話ですが、その年は来るもの拒まずの精神でいろいろな事を引き受け、行政の方から大学関係、異業種、全国の木青連の仲間など多くのご縁が出来ました。今となってはその頃の経験(失敗多し!)が血となり肉となり、自分自身の木材業に対する物の考え方を作り上げてくれたと感謝しています。そのお陰で、こうして今日も無垢のフローリングを磨かせていただいています!




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