森のかけら | 大五木材


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昨日の続きです。

カツラ今までは欲しくても手を出さなかった(出せなかった)大物に、なぜだか異常に心惹かれてしまいました。理由は分かりません。そんな見積りが入っていたわけでもありません。売れる自信もまったくありませんでした。そして何より、【】の木に触れたのはその時が初めてだったのです!しかし何故だか、幅1000㎜を超える大盤が心に引っかかって離れなくなりました。これはどうしても私が買わねば!そんな気分でした。しかし、これだけの大物、ここは少しでも安く仕入れねば・・・。共木でない物も含めると全部で10枚ありましたので「全部買ったら幾らにしてもらえるの?」と訊くと、「これだけの物はそうそう出る物ではない。また、こういう物を値切って買うのもこの桂に対して失礼な話だ。」という言葉にあえなく陥落!結局全てを買ってしまいました・・・。

勢いという物は怖い物で、結局その時の市で、桂の他に栃や地松の耳付板を200数万円分購入してしまいました。買ったはいいが、商品が会社に届いてからが大変でした。今まで注文以外で、これだけの板が在庫にあったことはありません。当時の社長(父親)や社長からも、「売れる当てもない物を仕入れて」と冷たい視線を浴びました。実際売る当てもないし、売り方も分かりません。どうしよう・・・!

当時はまだ今ほどの受託不況ではなく、大工さんや工務店さんも仕事の合間に、頻繁に弊社に来られていました。すると否が応にも巨大な耳付板が目に止まります。結構遊び心のある現場を持っておられた方が多く、一目見るなり「面白い」と興味を持っていただきました。たまたま、そういうサイズのテーブルを探しておられたお客さんが来られたりする幸運にも恵まれ、売れるのか?の心配をよそに順調に売れていきました。まあ、今から考えればかなりの激安だったので、売れたわけですが、ノウハウも知識も無かったわけですから、当時の私が販売出来る材料としては相応の値段だったと思います。いい勉強をさせていただきました。しかし、下手に売れてしまった事で味を占めてしまいました!それから耳付板の長い付き合いが始まる事になるのです!

20090811 桂相当回りくどい前置きになりましたが、【】の事に戻ります。そういう経緯で桂には、並々ならぬ愛着があるのですが、桂は知れば知るほどに奥深い木です。日本の木で好きな木を挙げよと言われれば、私の中では『山桜』と『』が雌雄を争います!誰が言ったか忘れましたが、一説には『人間の体温に一番近い木』とも言われています。触っていただければ分かりますが、実にデリケートな触感です。全体的に均質なので、どこを触ってもだいたい同じような肌触りが味わえます。桧のような冷たさでもなく杉ほど軽やかでもなく、手の温度と同化したようなしっくりさが桂の独特の触感です。

やや軽軟なため、刃物が鋭利でないと毛羽立ちが出来やすいので注意が必要ですが、乾燥も速やかに進み、ねじれや反りの発生も少なく扱いやすい木だと言えます。その割りに、西日本の市場にあまり出回っていないのは、供給量の問題というより、この質感を持て余しているのではないかと思います。もっとも、用材となる木は東北や北海道に多く、かの地ではたくさん使われているのでしょうが。やはり産地から遠ざかると、木の活かし方や技法を含め、そのものの熱が冷めてしまうのでしょう。なんとか桂の魅力を愛媛でも広げていきたいと思うのですが。




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