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『岩田健 母と子のミュージアム』、昨日の息子に続いて私のお気に入りは、『虹』というタイトルが付けられたこの作品。兄弟と思われるふたりが天空に出現した虹を指差している構図です。写真には写っていませんが、ふたりの足元には1匹の猫がたたずんでいます。ふたりの指差す先にあるものが虹か何かは見る人の委ねられているように思われます。私は、凛としたふたりの表情から感傷的という甘優しい言葉ではなく、決意や覚悟のようなものを感じました。
作品に製作の詳しい説明は書いてなかったので私の勝手な思い違いかもしれませんが、アートは作る側と見る側がそれぞれの感度で作り上げるものだと思っているので受け取り方は自由でいいのではないでしょうか。館内壁面に『林中晩歌』というタイトルがついた一編の詩が書いてありました。作者の兄が戦争に赴いて亡くなられた悲しみが綴られたたモノで、最後は「樹間を漏れる光線の角度はどうやら午を廻ったらしい」という一節で締めくくられていました。厳しく辛い時代に生まれた作品です・・・。
楽しいアートを眺めることの出来る現在、ものづくりの根源に悲しみや辛さがあるものに対峙すると身が引き締まる思いです。モノを生み出すにはいろいろなパワーがあると思いますが、それは時代に翻弄され、時に憎しみや悲しみがその種となることもあるのでしょう。幸せな時代に生かされている事の喜びを感謝します。たっぷりと作品を鑑賞して、次のアート巡礼地は『ところミュージアム大三島』。小さな島ですが、空と海と自然の風景とアート、見どころが満載です。
『ところミュージアム』は今までに何度も来た事があるのですが、通過するわけにはいきません。作品数は決して多くないのですが、海を臨む傾斜地に建っていて、その風景を眺めるだけでも充分。当日はかなりの強風が吹いていて、テラス出ると身の危険を感じるほど・・・。以前来た時は、息子がそこに座り風景をスケッチしていました。今回は島の絶景を堪能させてただくに留め、ここを離れました。この後もまだまだアートのたびは続くのですが、その報告はまた機会を見つけて・・・。
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