森のかけら | 大五木材


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20120412 1この荒涼とした赤土の大地は、ジョン・カーターがタイムスリップして辿り着いた惑星バルスーム・・・ではありません。生き物の存在をすべて否定するような乾ききった、まるで瓦礫のような赤き大地の正体は・・・実はこれアフリカ産のマメ科の木『ブビンガ』の表面なのです。もっと引っ張ってもよかったんですが、いつも前口上が長いので今回は手短に・・・。大太鼓の胴にも使われるブビンガは非常に重厚で硬い材です。通常こんな形に朽ちることは考えられません。触るとポロポロと崩れ落ちるほど。

 

20120412 2実はこれは保存状態が悪く、ちょうどこの部分に長期間雨の水滴が落ちて、材を穿った結果なのです。ちなみにこのブビンガは私が仕入れた後でこうなったのではなく、この状態を知ったうえである事情があって購入したものです。当然この部分は朽ちて使えませんがそこ以外は充分使えます。長いカウンターなどには不向きですが、小割りして使うには磐石の乾燥具合。ここまで水滴が硬材を穿つには相当長い年月を要したものと思われます。1年や2年でこうはなりません。恐らく5、6年以上・・・。

 

20120412 3水滴に穿たれ陽に照らされさぞ過酷な運命を辿ってきたことでしょう。乾ききって水分が搾り取られひび割れたこの姿はあまりに痛々しい・・・。何とか使える部分はギリギリまで使うように木取りします。建築材や家具しかしていなければ、きっとゴミのように扱われたこのブビンガも、長さをカットして幅をつまえて小さく割ってやれば充分使えます。端が朽ちているからといってすべてが死んでいるわけではありません。照明の具合で別物のように見えるかもしれませんが、右半分はまだまだ健康!

 

20120412 4こういうコンディションのブビンガはいくらかあって、以前に【森のかけら】に加工したものがこちら。元の材は4m以上もありましたので、随分と小さな姿になってしまいましたが、それでもどっこい生きている!大きなモノはなるべく大きく使う事が大原則ではありますが、あまり鉄則にこだわりすぎるとその利用価値を高める事の足かせになる場合もあります。何事も適度のバランスが大切です。いろいろな引き出し(出口)があればこそ、このブビンガが生かせたわけですが、そんな出会いになにやら因縁めいたものすら感じてしまうのです。




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