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秋風が吹く頃になると無性に観たくなる映画があり、先日も久し振りにDVDで鑑賞。季節的には夏が舞台なのですが、作品から得られる物悲しい印象が秋に似合うのです。その映画は、1992年にロバート・レッドフォードが監督した秀作『リバー・ランズ・スルー・イット』。1910~1920年代の古き良きアメリカのモンタナ州ミズーラが映画の舞台。原作者であるノーマン・マクリーンの目を通して描かれた家族の物語、それはもうひとつの兄弟版『スタンド・バイ・ミー』でもあります・・・牧師で厳格な父と母、真面目で学業優秀な兄、そして社交的で才能もありながあそれを持て余し気味の弟。そんな家族をつないできたのはモンタナの大自然でのフライフィッシング。何も喋らなくても竿を振るだけで理解しあえた少年時代。やがて時は流れ、兄弟はそれぞれの進路に進む・・・。
兄は都会の大学講師に、弟は地元の新聞記者になるものの、生来のギャンブル好きが災いしてトラブルが絶えず日々を刹那的に生きている。久し振りに帰省した兄弟はフライフィッシングの竿を握る・・・。折に触れて登場する鱒(マス)釣りの風景は、太陽光線が水面に反射して絵画のような美しさ。以前にも触れましたが、私は魚に触るのが苦手で、情けない話ですが子供の頃から、あの魚の鱗のヌメッとした感覚がどうしても馴染めません。そんな私ですら釣りに行きたくさせてくれる映画です。
彼ら親子にとって釣りはただの遊びではありません。親子が渓流で竿を構える時、言葉はなくとも共有する時間に互いの心に強い絆が生まれます。釣りをキャッチボールに置き換えてみれば、多くの少年が経験した大人の世界への通過儀礼を連想するでしょう。映画の中でフライフィッシングは、あたかもセレモニーのようの静謐で神聖にも見えます。自分もいずれこうやって息子と竿を競ったりする日が来るのだろうか、歳とともに自分の立場も子供から親の視点へと変わっていきました。
秀才肌の堅物の兄と無鉄砲な弟というアメリカ映画にありがちな兄弟の構図は、えてして弟の視点が描かれる事が多く、成長と共に対立していくパターンが定番ですが、この映画では青年時代に一度殴りあいはするものの以後互いの距離感を保ちながら成長していきます。モンスターが出たり、天変地異が起こるわけでもなく物語りは淡々と進行していきます。川はどんな時も変わらず流れていきます。・・・岩は太古から雨に濡れてきた。岩の下には言葉が隠れている・・・明日に続く。
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