森のかけら | 大五木材


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20120911 1一見すると木材とは直接関係のなさそうな『築地場外市場』ですが、実際に中に入ってみれば至る所に『』がここにもそこにも!鮮魚や荷物を出し入れする木製梱包材・木製パレットは当然の事ながら山積み。こちらも立派な『森の出口』のひとつ!その用途のほとんどが業務用ですので、一般の方の目にはつきにくい存在なのですが、実は木材特性(軽くてほどほどの耐久性があり廉価で対応能力が高く、廃棄も容易など)を最大限に活かした歴史ある『森の出口』なのです。

 

20120911 2木製梱包材・木製パレットは、上に乗せる主商品を移動させるための黒子ですが、安ければ何でもいいというわけではなく、それぞれの用途に合わせていろいろな規制があります。それぞれの国で、木材の病害虫が輸入貨物の梱包材に付着して国内に侵入することを予防するため、海外から輸入される貨物の木製梱包材に燻蒸等の消毒処理を義務付けています。 当然ながらその性質上価格もシビアですから、大量生産によるコストダウンが至上命題。出口は広くてもその道は険し!

 

20120911 3かつては鮮魚の卸の移動容器といえば『トロ箱』が主流でした。もう20年も以上前の話ですが、弊社でもトロ箱を製材する製材所に原木を販売していた時期があります。当時扱っていたのは『イエローシーダー(米ヒバ 』。その頃は、根元が張った原木が多くて、芯で柱などの構造材、赤身で造作材や派柄材を取り、根の張った部分で『トロ箱』が挽けていました。1本の原木を用途に合わせて骨までしゃぶり尽くして綺麗に使い切るという効率的な仕組みが出来上がっていました。

 

20120911 4かなり大きな径級の原木が輸入されていた事もあって、当時は良質の米ヒバで1軒分の化粧柱から造作材まで全て揃える事も出来ましたし、柾目の板も潤沢に揃っていたので、寺社仏閣などにもよく使われました。新築の際に立派な長屋門を建てられる家も多かったのでそれにもよく使われました。しかし景気の低迷と共に建築材、トロ箱共に需要が激減。出口を失くした樹種の市場での減退のスピードは速く、一気にこの辺りでイエローシーダーは姿を消してしまいます。

 

20120911 5結局イエローシーダーの原木を扱わせていただいたのはわずか数年の事でしたが、お陰で原木商売の醍醐味とスリルも経験させていただきました。取引額が大きい反面、一度風向きが変わってしまうと自分のわずかな努力などではどうしようもなくなる為替の怖さ。それぞれの商売なりにリスクはつきものですが、自分の存在感の見えにくい卸業ではなく、もっと最終的な出口で木に関わりたいという思いが強くなっていきました。築地のトロ箱、鰹節箱がそんな頃の記憶を思い起こさせてくれました。




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