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先日久し振りに製品の木材市場に行きました。日頃から製品の仕入れではお世話になっているものの、自身が市場の門をくぐるのは6、7年ぶりの事。愛媛県松山市は、平成の市町村合併で現在51,7万人(平成23年度末現在)で、四国最大の人口を擁しています。しかも愛媛県は桧の生産量日本一を誇る全国有数の木材算出県なのです。にも関わらず、松山市内には木材の製品市場はたった1つしかありません。これは最近の事ではなく、私が業界に入った20数年前からそうなのです。
私自身が松山で生まれたわけではありませんし、先代の父親も純粋な材木屋というわけではない家系なので、大五木材に入社する以前の松山における業界事情に明るくありません。そもそも松山市内は国産材よりも外材の製材工場が集積していたので、国産材製品流通の基盤である市場機能を必要としなかったのか、それとも過去には存在した市場が閉鎖したのか、理由はよく分かりませんが、人口比で見ると異常な少なさだと思います。その1件というのが愛媛県森林組合木材流通センターです。
市内をはじめ県内各地から木材製品が集められ、県内外の木材屋に販売されています。弊社では葉柄材を中心に製品を仕入れさせていただいています。以前は月に1回開催されるセリに来て製品を競って購入していましたが、最近はもっぱら「メーカー指定」の「付け買い」がほとんどになりました。大工さんが手刻みをしていた時代と違って、プレカットでの家作りが主流になると製品の安定供給が必要命題となり長期契約などの影響で、製品相場の乱高下は少なくなりました。
もはや市場が製品相場をリードしていた時代は過去の話。相場の上げ下げはあっても末端単価への転化は容易ではなく、結局材木屋が差額を調整する事に。最終的なモノの値段の決める権利を失いつつある現状に、新たな『出口』を求めるようになったのは10年ほど昔。それから【森のかけら】を経て、ようやく製品から商品へ脱皮をしようとしているところです。しかし、久し振りに訪れたこの地は私の材木屋としての原点でもあります。大学の4年の秋頃に、大五木材への就職が決まったのですが、時同じく当時の専務が独立する事になり、私の人生計画は大きく変わりことに・・・。明日へ続く!
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