森のかけら | 大五木材


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20130415 1先日ご紹介させていただいた松山市千舟町の「久万高原ダイニング」さんで会食。メンバーは、最近非常によく行動を共にしている盟友・井部健太郎君と久万郷のメンバーでもある竹森洋輔君(竹森ガーデン)、同じく久万高原町で野菜を作っている久万高原町青年農業者連絡協議会の今年度の会長・山岡誠之君(山岡農園)、久万高原町農政課高木勉係長の山幸彦チーム。それに対抗する海幸彦チームは、松山市堀江町の「みなと食堂」の松岡佑樹君と私のふたり。

 

20130415 2私自身には海チームという認識は薄いのですが、四国の軽井沢を標榜する久万高原町から見れば、(地図から見ても)海のそばという認識になるんでしょう。山チームと海チームが集まり何をしようかというと、今回は山チームの料理を味わいながら、山と海の連携を考えようという事です。初対面の方とも一気に打ち解けるのはお酒の力ばかりではありません。職種は年齢は違えども、それぞれの立場で何かを変えようというベクトルは同じ方向を向いています。

 

20130415 3しかし最近こういう交流が増えてきて、顔触れを見れば私がいちばん年上という事も多くなりました。複雑な気分ですが、それが現実。急がねば間に合わなくなります!それにしても、まだ普通の材木屋だった若かりし頃、この種の異業種の集まりに居心地の悪さを感じ、主催者は余程のおせっかい好きか、とんだ物好きぐらいにしか理解できませんでした。そんな自分がまさか、そういう連携を推進する立場になろうとは皮肉なもの・・・。異業種との連携については年々切迫感が強くなっています。

 

20130415 4それだけ皆に余裕がなくなってきているのも事実。しかしそれゆえに、話す内容にも真剣みが増します。それぞれの業界ならではの若者の悩みは、いつか私達も来た道。悩みの根幹は同じでも、バブルの余韻の中で浮かれながら過ごした世代としては、申し訳ない気持ちもありますが、そういう世代ならではの発想も出来ると考えています。今までも構想こそあった『山幸彦と海幸彦』の会議ですが、ようやく実際に動き始めました。くれぐれも神話のような諍(いさか)いにだけはなっらないように気をつけながら!!




20130414 1本日は西条市の成龍酒造さんで酒蔵開放イベントに出展させていただきました。前回の秋に続いて二度目の出展となりました。木と酒って相性が良くて、酒樽や枡酒はじめ酒蔵の至る所に木の姿があります。とはいえお客さんのメインはお酒。いつも完全なホーム(木が大好きな人が弊社を訪ねて来ていただき、倉庫を案内しながらお話し、商談をする)でばかり試合していると、闘争心が鈍るので時々アウェイで、緩んだ闘争心を奮い立たせ、心を鍛えねばなりません 

 

20130414 2前回は秋の開催で、それなりに厚着もしていたのであまり感じませんでしたが、今回は4月というのに酒蔵の奥の貯蔵タンクのある弊社の出展ブース付近は座っていると足元から寒気が・・・慌てて上着を取りに車へ。こういう環境でないといいお酒は出来ないんでしょう。改めて天井を見上げると年季の入った梁や桁が酒倉を力強く支えています。やはり酒蔵は木造が似合います。木造の酒蔵というだけで日本酒のイメージが豊かに広がります。モノづくりの舞台設定は重要です。

 

20130414 3今回はモザイクチェアーモザイク・ブックスタンドなど、こういうイベントに出品するのは初めての商品も多く出させていただきました。こういうイベントでは高額商品はタブーのように言われますが、商品PR の意味も込めて、今回お披露目させていただきました。これ面白い~、可愛い~と、反応は上々でした。売れる売れないは別の話。それでもチラシなどを見られて、「大五木材さん、知ってます~」とか「以前お店に行きました」というお声をかけていただく事が増えました。

 

20130414 4それは、家内が木の玉プールや木のおもちゃなどを持って行って各地で地道なイベントを続けてきた成果だと思います。昔気質の材木屋は、木の啓蒙活動とか木育といっても、どうしてもすぐにその結果、効果を求めてしまいがちです。私自身も当初はその気長な種撒きをいぶかしく思ったものでした。しかし、10年前に始めたとしたら、今その時生まれた子供は小学校の高学年。何もしなければ長く感じる10年も、何かすればあっという間です。土が軟らかいうちにせっせと種を蒔かねばなりません。さて、成龍酒造さんの蔵出イベントでは、50種類以上に増えた木製マグネット『森のしるし』も出品させていただきました。前回はまだ戦国大名10種と少ししか揃っていなかったので、反応も弱かったのですが、今回はまだ背景作り込み途中の『第五惑星JUONの星人』たちも、見切り発車で出品。

 

20130414 5前回は、初の出展という事もあって、商品を見られては「これ何?」の質問の雨嵐!アウェイの洗礼に心が折れそうになりましたが、今回は「前も買ったよ」と手に取っていただく方が増え、ありがたい限りでした。各ブース毎、タンクに出展者の名前の札を貼っていただいているのですが、弊社には『森と生きる 森のかけら』という嬉しいキャッチコピーまで頂いています。それが私には『森と生きろ』に見え、命題を投げかけれているようで心に響きました。この決意、使わせていただこうと思います!




本日も『日本で最も重たい木の1つ・イスノキ』の話しです。この重硬な木は、建築の現場ではあまり、いやほとんどお目にかかることはありません。余程上質なものがあれば、床柱床框など床の間の装飾に使われる事が稀にありますが、愛媛に限っていえば私は未だ住宅にイスノキが使われている現場を見た事はありません。中には「キツツキ館」に鎮座ましましていたような大きなイスノキもあるのでしょうがそんなものはレア!家具材としても量が揃わねば使いづらいものです。

ではなぜそんな材を仕入れているかといえば、これはもうきっぱりと『材木屋の好奇心』のみ!世界中の木を見てみたい、触ってみたいという好奇心です(どちらかと言うと、立木よりも材としての木。つまり製材された材の方への気持ちが強いのですが)。そのために仕入れるなんて道楽だ思われるかもしれませんが、決してコレクションとして仕入ているわけではありません。実際にこの目で見て、触れて、担いで、削って、塗装してみないとその特性を知ることは出来ません。

そこから、その木に適した出口を探していくのですが、すぐに出口が見つかるというわけではありません。木によっては数年、10数年かかる事も。いつ上の方から啓示が降りてくるのか?これも人とで出会い、モノとの出会いなのですが、未だ道に迷っているばかり・・・。倉庫にあるイスノキは長さが3mあり、体調のいい時に覚悟を決めて臨まないと簡単には動かす事も出来ません。今回も明るいところに移動させて写真を撮ろうと思ったのですが、肘の調子が悪いのであえなく断念・・・。

このイスノキ、生垣や庭木、公園木として植栽されますが、材は木刀だけでなく、櫛や楽器、器具、ステッキ、寄木細工にも使われます。またその灰は「柞灰(いすばい)」として陶磁器の釉薬にも使われるそうです。時々、イスノキ=椅子の木なんですか?と訊ねられる事があるのですが、そうではなくてこの名前の由来は琉球の方言に由来したものだそうですが、詳しい事が分かっていません。四国や九州の一部では『ユスノキ』とか『ユス』とも呼ばれることもあります。


それは古名のユシノキ(由之乃支)の通音と考えられているようですがはっきりしません。また『ヒョンノキ』なる変わった別名もあるのですが、それはこの木の葉っぱにアブラムシ類が寄生して作る『虫えい(虫こぶ』が出きるのですが、成虫が出た後小さな穴が空いて空洞になります。その穴に唇を当て笛のようにして吹くとヒョウヒョウと鳴る音に由来しているようです。 その虫えいはタンニンが含まれているので染料としても利用されます。硬く引き締まった木にはなにひとつ無駄がありません!




さて、『イスノキ』に話しを戻します。その解説のプレートには、『ゆすのき 標準和名:イスノキ』とありました。木材業界では、「イスノキ」の名前の方が一般的だと思うのですが、俗称や別名の多さこそが、暮らしに根ざしさまざまな用途で使われてきた木の多様性を物語るものでもあります。解説文には梼原町では自生も見られ、町名にちなみ九州から製材品を取寄せ木材加工の研究をしたり、町有林の複層林の下木として植栽もしているとありました。

以前に旅行した際、鹿児島で植生された立派なイスノキを見ましたが、県内では見た事がありません。在庫として倉庫に眠るイスノキは、上の看板にもあるように私も九州は宮崎県から仕入ています。宮崎県の都城市は木工が盛んな地域で、以前お邪魔した都城木材さんでは、広葉樹の堅木(樫など)を使ったスコップや鍬など器具の柄の加工もされていました。このイスノキの出口として有名なのが木刀ですが、都城市では全国のおよそ8割ほどのシェアを持っているそうで木刀王国

ただその素材の多くは樫(シラカシ、アカガシなど)だそうで、生育量の多くないイスノキは木刀の世界でも貴重なもののようです。特に高齢木のイスノキの芯を使ったものは地元で『スヌケ』と呼ばれ、木刀の中でも最高級材として珍重されています。こんな重硬な木刀で叩かれる事を考えただけで寒気が・・・。今までに幾つものイスノキを仕入れてきましたが、立て掛けるために倉庫に運ぶのにどれほど苦労した事か!もうその見た目だけで、この木がどれほど重たいのかを自己主張しています。

濃いこげ茶色の木肌を磨いてやれば惚れ惚れするほどの滑らかさなのですが、硬さも半端ではありません!こちらはそのイスノキで作った『森のりんご』。釘すらも曲がってしまうほどに強靭なイスノキをよくぞここまで見事に加工してくれたものです!荒材の時にはその鋭いそげらに何度も泣かされたものですが(刺さるともの凄く痛い!)、こうして曲線になるとその滑らかさ、そしてズシリと掌に伝わる重さは尋常ではありません!美しいものには棘あり!




今日のかけら・#011 【柞木/イスノキ】 マンサク科イスノキ属・広葉樹・宮崎産

昨日に続いて、高知県梼原町の太郎川公園の話しです。この公園の中には、『きつつき学習館』という施設があるのですが、自然体験学習施設といった趣きある木造の建物で、森の掃除役・啄木鳥(キツツキ)と木工作(木をつつく)から命名されたものだそうです。当日は施錠されていましたが、係の方が気さくに開けてもらい中を拝見させていただきました。地元梼原のスギをふんだんに使った、その地に馴染んだ建物でした。私が興味があったのは建物そのものよりも中の展示物の方です。

そこには、木に興味の無い方には恐らくスルーされてしまうであろう変哲もない1本の丸太が横たわっていました。そのネームプレートには『ゆすのき』の文字が!そう、これこそ『日本でもっとも重たい木の1つイスノキ』の別名です。「日本でもっとも重たい木の1本」というのは矛盾したような表現ですが、国産の木の場合、個体差を考えると重さに幅がありそれぞれの木の産地の強い主張もあり、イスノキ、ウバメガシ、オノオレカンバなど複数の木が『日本でもっとも重たい木』の称号を得ています。

木材図鑑などでもその表現については苦慮しているようで、『世界一重たい木・リグナムバイタ、世界一軽い木・バルサ、日本一軽い木・キリ』は、ほぼ定説となっていて異論もないようですが、『日本一重たい木』の座はなかなか決まりそうにありません。材木屋の肉体感覚(肩に担いだり加工したりの)では、このイスノキがもっとも重たく感じられますが、それはこの木の通直で大きなものが少ないため、曲がっていたり枝が出ていて担ぎにくい(持ちにくい)ため力が分散するからかも。

幾つもの樹種がNO.1という曖昧さに不満を持つ方もいるようで、何が真の日本一なのかを決めようという声もあるようですが、私はむしろこの曖昧さこそが木の面白さだと思うのです。いいんじゃないでしょうか、「OOと言われる」とか「OOらしい」なんて怪しい表現で楽しんでこそ『生きている素材・木』の魅力じゃないですか。何でもかんでも理詰めで、数値に置き換えて工業化して、鉄やアルミなどと競うという道が、木に対してどれほどの負荷を与えているのかと考える事があります

数年かけて乾燥させたんじゃ商売にならない、経験則に頼った天然乾燥では、後々のクレームの原因になる、という現実はあります。でも昔の家はそうして造られてきました。昔の大工さんはそうして木と付き合ってきました。これは単なる家作りの工程の問題ではなく、何もかもを短時間で素早く処理・解決し答えを求めようとする、今の駆け足の生き方そのものの問題だと思います。自然の時間と向き合う事を忘れると美しい風景が見えなくなってしまうんだと諭されました。

 




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