森のかけら | 大五木材


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1年以上前に伐採して製材した後、天乾させてきた愛媛県産の『ユリノキ』の板ですが、想定した以上のスピードで乾き、使い勝手がいいことからいろいろな用途で使っていただいています。学校の構内に生えていた樹だったのですが、スクスク育っていたので直径が2尺(およそ600㎜)に迫るような大物もありました。それらもいい具合に乾いて、そのうちの一部は住宅・店舗のカウンターや枠材、クラフトの細工などに利用されました。乾燥したら、未乾燥材にその席を譲らねばならないので別の倉庫に移動。

基本的に乾燥した材は、倉庫内に立て掛けて保管するようにしています。乾燥が出来るまでは桟積みして上から荷重をかけて、風通しのいい差し掛けの屋根の下で保管しますが、しっかり乾燥が確認できたら、最前線の現場に赴いてもらわねばなりませんので、迅速に対応できるように立てて保管します。これこれこれぐらいのコンディションでこういうサイズの板が欲しい、というオーダーが入ると、立て掛けた板をめくりながらどれで対応できるか確認します。注文があるたびにそういう作業が繰り返されるわけです。

ものによっては何度も何度も同じ木をあっちにやったりこっちにやったりと動かすわけですが、そうやって持ち上げることで、その後の乾燥の進行具合を肌で確認することも兼ねています(と自分に言い聞かせながら、倉庫が狭いなんてことは言い訳にしないポジティブ志向!)。含水率を測って乾燥具合を見るというのが基本だとは思うものの、旧式のアナログ人間である私は含水率よりも自分の肩量りの方を信頼しているので、体感測定しないとどうも信用ならない。それでもし間違いあっても自分は納得できるので。

倉庫に立て掛けた材も、販売の状況によってどんどん倉庫内を移動していきます。例えばその樹種がまとまってある時は、もっとも人目につくセンターを飾っていても、枚数が減って来ると隣に移動させられ、センターには別の新人が座ることになります。更にいいものから売れていき、節のあるものなどばかりが残ると、目立たない裏の筋へと移され、華やかりし栄光は過去のものへと。そうやって世代交代ならぬ樹種交代が、狭い倉庫の中では日々繰り返されていくのです。




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