森のかけら | 大五木材


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人が動けば我も動かんという流れが、旅行ブームや温泉ブームなど現在にも続く産業の基盤を作ったといっても過言ではないと思います。情報過多で選択肢が増えすぎた現代では日本国民がこぞって熱狂するような過剰ブーム望んでもなかなか叶わないですが、それはかつて木材業界にも大きな恩恵をもたらしてくれたのです。何千万もする屋久杉の家具や、何百万もする彫刻欄間、数十万もする床柱などが飛ぶように売れた時代が、この愛媛にだってあったのです。弊社ですら50万を超える欄間が月に数台売れた時代がありました。

弊社の倉庫の中にも「その頃の名残り」がいくつかあります。例えばこちらの鉄刀木のヒョウタン。これは20数年前に徳島の唐木専門の材木屋から買い求めたもの。営業でこちらまで来ることもあれば、徳島に買い付けに出向くこともありました。今はもう廃業しましたが、仏壇や家具だけでなく、こういう小さなモノも沢山製作して展示してありました。海外で作らせたものや国内で作ったもの、本当の銘木から眉唾物の出所不明のいかがわしいものまであれこれ。少々高く仕入れてもそれより高い値段でバンバン売れて、楽しい時代でした。

こちらのタガヤサンの木製グラスもその当時の売れ残り。三大唐木の中でも特にこのウェンジが私のお気入りでしたが、ある時期からその興味が一気に失われていきました。それは若い頃に銘木の関係者と徳島に買付に行った際タガヤサンの木工品に惹かれていた私に対して、先方の唐木屋が(若いだろうけどあなたも材木屋だから知っているだろうが)と、後から揉め事にならないように予防線を張ったのかもしれませんが、「それはタガヤサンではなく、アフリカ産のウェンジを漂泊して柄を鮮明にしたニセモノだから」と教えてくれてから。

阪神タイガースが好きだからということもあるのか、いやもしかしたら縞柄が好だからタイガースが好きなのかもしれませんが、ともかく生来縞柄が好きだったのでタガヤサンに惹かれていたのですが、それは別にウェンジであってもよかったのです。気持ちが引いたのはそれがウェンジを漂泊したからという事ではなく、その業者が「ニセモノ」と言った事。我々が材木屋と知っていたからそう言っただけで、相手が素人なら堂々と「タガヤサン」として売っていたわけです。そのようにニセモノ扱いされる木としてウェンジに対する興味がトーンダウン。明日に続く・・・




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