森のかけら | 大五木材


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20120224 1本日は、魚の解体ショーならぬ「木材のさばき」に追われました。今日、俎上に上がったのは遠くアフリカからお越しの『パドック』!染料を抽出するほど鮮やかな紅色が特徴なのですが、その肌も大気に触れていると、ものの数ヶ月で褐色に変色してしまいます。長さ3m、300mm角のパドックの太角を割って、厚み60mm程度の板に挽いたのですが、綺麗な杢が何枚も取れました。ただし残念ながら、1枚だけ内部に大きな割れがジクザグに入っていました。こうなってしまっては建築材としては致命傷です!

 

20120224 2割れの入り方が杢目を横断したりしていて、家具としても手に余してしまいます。家具材やクラフト材であれば短く切って使えるじゃないかと思われるかもしれませんが、あまり小さいと加工するにも危険で効率も悪く、他のパーツとの取り合わせにも問題が生じたりします。昔は、こういう材の『出口』を持っていなかったので、どうにもする事が出来ずに、そのまま倉庫の肥やしとなって歯がゆい思いをしていました。それが今は沢山の『出口』があります。まずは通常あり得ない、割れに添っての斜めカット。途端に鮮烈な紅色が鋸屑が噴出します!

20120224 3もうケチ根性の塊ですから、斜めの割れをカットするにしても、なるべくロスを少なくしたいのです!これはごく一部ですが、割れに添ってこういう風にカットしていきます。反射の具合で色合いが変わっているように見えますが、ひとく削りして1枚脱ぐと凄いんです!こうして長さを短くしてから今度は幅を割り返していく訳ですが、これ【森のかけら】を作る工程ではありません。【森のかけら】の場合は、仕上がりが35mm角なので、荒材で40mmもあれば充分なのです。これだとほぼ60mm角が取れます。

 

20120224 460mm角に割った状態がこちら㊧。これはごく一部ですが、大割れの入った「パドック」の板は今回すべて無駄なく細切れに解体させていただきました。60mmから35mmに削り落とす「削り代(しろ)」すらモッタイナイ!大きなものはなるべく大きく使わせていただかねば、罰が当たります!それで今回、この材料を使って作ろうとしているのは新しい商品。まだその実態は明かせませんが、素材のサイズに合わせた商品のバリエーションが増えれば、無駄と私のフラストレーションも消え去ります。新商品のお披露目はしばしお待ちくださいませ!




20120223 1子供達の通う小学校では、声に出して教科書を読んで家の人に聞いてもらおうという「音読」という国語の宿題があります。うまく読めたか、大きな声で読めたか、気持ちを込めて読めたかなどの項目がある「音読カード」があって、家の人がそれをチェックするようになっています。小学4年生の娘が、いつも「聞いて」と教科書と音読カードを持って来るのが日課となっていて、今日も今日とて私の部屋にやって来ました。最近読んでいるのが、日本人なら誰もが知っている木下順二の名作「夕鶴」です。

 

20120223 2偶然というか、ご縁があるというか、何かに呼ばれたのかもしれませんが・・・少し前に山形県南陽市役所の農林課の方から【森のかけら】を購入したいというお問い合わせがありました。最近全国の行政の団体の方から、森の多様性や個性を知ってもらう教材として展示したいというお申し出を沢山いただくようになりました。ありがたい事です。山形県は、数年前に日本木青連の全国大会が開催されたた時に伺わせていただきました。、山形県には行った事があるのですが、土地勘がないものですから山形県南陽市という地名を聞いても正直ピンときませんでした。しかし、これも何かの縁だと、南陽市の事を調べさせてもらうと、なんとあの「鶴の恩返し」の里だったのです!南陽市には、古くから民話「鶴の恩返し」を開山縁起として伝承している鶴布山珍蔵寺があるそうです。まさに「夕鶴」が取り持つご縁と独りで勝手に興奮!

 

20120223 3その珍蔵寺は・・・伊達氏や上杉氏なども珍蔵寺を訪れたという名刹で、創建は寛正元年(1460)に極堂宗三和尚が開山したと伝えられています。開山縁起では寺名にもなった珍蔵は「鶴の恩返し」で鶴を助けた本人の名でこの寺を開山したとも言われて、周囲には「鶴の恩返し」にゆかりのある鶴巻田、織機(おりはた)川、羽付など地名が周囲に残っていて、「鶴の恩返し」の民話の里として現在に生き続けているそうです。子供の音読で久しぶりに「夕鶴」の話を聴いたと思ったら・・・まあ、不思議なご縁です。

20120223 4数回やり取りを重ね、最終的に「日本の100」と「世界の100」をフルセットでご購入していただくことになりました。南陽市では、市内全保育施設でドングリを始めてする木の実を使っての木工クラフト体験を実施されているそうで、木育にも力を入れられています。お買い上げいただいた「森のかけら」は、昨年末に新築した森林交流センターで、 小さな子供たちはじめ木を愛する多くの皆さんが森を学ぶ「触れる教材」として展示していただく事になりました。実にありがたい事です。

 

20120223 5山形県は、まだ【森のかけら】をお届けしていなかった未開の地であったのですが、これで全国でまだお届けできてない地域は、あと6県となりました。奇しくも、『夕鶴』に登場する人物の名前は、与ひょう(よひょう)運ず(うんず。さまざまな人の巡り会わせで、運を与えていただき、このつながりが生まれました。こうして全国各地の方からお声をかけていただけるようになるとは夢にも思いませんでした。決して【森のかけら】のその後の使い方を覗いたりはしませんので、どうかこのご縁が夢と消えませんように。

 




20120222 1家内が『木の玉プール』やのおもちゃなどを車に積んで、県内の保育園や幼稚園を巡回(?)させていただいている関係で、そこで木のおもちゃに興味を持たれた方や、アマチュア木工作家さんなどがよく事務所に訪れられます。ひと昔前(10数年前)は、出入りするのはほとんどが大工さんでしたが、随分さま変わりしたものだと自分でも不思議な気持ちです。家内は日中は出払っている事が多いのですが、木のおもちゃについては営業時間(8時~17時内であれば自由にご覧いただけます。

 

20120222 2倉庫を改造した狭い展示室で、常備暖房完備というわけでもありませんので(!)、少々寒いのを覚悟でご来店いただけるのであれば少しは楽しんでいただけるかと。一方、木材目当ての方については、事前にご来店時間をご一報いただけると助かります。わざわざ弊社を訪ねて来られるような方は、お目当ての材料が「特殊」なモノが多いので、それが倉庫のどこにどれぐらいあるのかが分かるのは私だけ。突然来られると対応できない事もしばしば・・・。逆にうまくタイミングが合えば、こんな釣果も!

 

20120222 3大手のホームセンターのような感覚でお越しになる方にはお気の毒ですが、そこまでの対応が出来る体制にありませんので、どうかご了承下さい。若かりし頃一時は、そのような形態を真剣に考えた事もありましたが、所詮背伸びをしたところでいつかほころびが出ます。自分の能力は己が一番分かっています。身の丈に合った商売こそが零細企業の生きる道。その細道の中で個性を磨けばいいのだと、今は揺るぎがありません。決して諦観などではありません。極意とでもいうものでしょうか。

 

20120222 4さて、そんな中、先日木のおもちゃ目当てでご来店された女性の方々が、扉を開けるなり「うわ~、木の香りが凄~い!」と。毎日木と接している私たちは正直、もうほとんど木の香りを意識していないのですが、初めてお越しになる方からはよくその言葉が聞かれます。そこまではよくある光景なのですが、その後続いて「こんな所で毎日仕事がしてみたい~」と。何気なしに感じたままの思いが口に出たのだと思うのですが、それを耳にして私は一瞬「はっ!」となりました。日々の仕事に追われ、そういう事を考える余裕もありませんでしたが、一般の方にすれば日常生活ではありえない「周りがすべて木に囲まれているという、通常あり得ない特殊な環境」なのです。そんな所で仕事が出来るありがたみをすっかり忘れておりました。事務所の玄関傍にも『ちょこっと端材』はじめ数10種類の木材が所狭しと並べられて、複雑濃厚な香りを醸し出していることでしょう(私にはさっぱり匂いが届きませんが)。

 

20120222 5それはやはり「特別な体験」なんだと思います。先日の梅原 真三さんの言葉を理解しているつもりで、全然見えていませんでした。「香りの商品化」は長年温めている企画なのですが、温めすぎて煮詰まってしまいました。あまりにひねりを求めすぎると本質がぼやけてしまいます。立体的な木を平面で考えすぎていたと反省、もっと立体的に考えねばと教えられました。ヒントも先生も、至る所に潜んでおいでです。骨までしゃぶって、その残り香までも売りものです!




数日前のブログで『ハマーハウスのモンキーデスク』をご紹介させていただきましたが、「木が木を呼ぶ」って事もあるのかもしれません。ある樹種に声が掛かると不思議にその木に相次いで問い合わせがある事があります。まさこの『モンキーポッド』がそのケースで、ハマーハウスのお問い合わせ前後に幾つかの問い合わせが集中しました。こちらが売ろう売ろうする時はまったく売れず反応も無かったりするのに、「流れ」が来た時は不思議なものです。結局「邪心」があるうちは「物売り」なんでしょうね・・・

木が木を呼ぶ』ように、いろいろな事に顔を突っ込んでいると、ある事を契機に『モノがモノを呼び』込んできたり『人が人を呼び』寄せ、今までバラバラに見えた事象が一気に結びついてきます。そもそも世の中、多かれ少なかれ何らかの関係性を帯びているのですから、それにようやく気付いてきたというだけの事なのですが・・・何しろ今まで信じられないくらいに視野が狭かったものですから。いつもながら前口上が長くなりましたが、私にとって思い出深い『モンキーポッド』と言えばここ『てんぐ屋敷・桃太郎』さん。

店舗の1階のカウンター、テーブルに豪快に『モンキーポッド』を使っていただきました。特に1枚板を削りだしたカウンターは圧巻です!焼き鳥の味は保証しますが、是非お店のカウンターやテーブルも目で味わっていただきたいと思います。その『桃太郎』さんが、個室を増やす事になったのですが、その際にも『モンキーポッド』を採用していただきました。それがこちらの耳付きの1枚板。木にも『目に見えないバイオリズム』のようなものがあって、途端に『モンキーポッド』に声が掛かるようになりました。

『ハマーハウス』さんもそのおひとり。モンキーポッドに限らず(20年以上も材木屋をしていると)こういう事ってしばしばありますが、あまりにそれが重なると『見えざる神の采配』を意識せずにはいられなくなります。ああ、端材を捨てずにきちんと活用しているから、木の神様が少しだけご縁をつないでくれたんだ・・・なんて信仰心の薄い私でさえ考えてしまうほど。木が人を呼んだのは、以前いよココロザシ大学で講師を務めさせていただいて以来のご縁、NPO法人Eyesの元気印・竹下愛ちゃん。

ある企てのために作戦会議をしてのですが、その場所に選んだのがこちら。その場に愛ちゃんが持って来てくれたのが、私が以前リクエストをしていた『道の駅とおわ』の『畑のジンジャーシロップ』!以前拙ブログでもご紹介しましたが、このジンジャーを牛乳に少しだけ入れて飲むのが大好きなのです。それまで高知県が生姜の生産量日本一だという事も知りませんでしたし、何より生姜がこれほど美味しいものだとは思いませんでした。この瓶のデザインは、桐島の奥さんが描かれているそうですが、温もりの伝わる素朴なデザインで大好きです。それで『道の駅とおわ』と関係のあるらしい愛ちゃんにリクエストをしていたのですが、ちゃんと覚えていてくれました!これは昨年の11月頃の話なのですが、昨日のNHKで梅原真さんのお話を聴きながら不思議な高知のご縁を楽しんで悦に入っていました。これも木の神様のお導きでしょうか(ショウガ)!




20120220 1つい先程NHKの「プロフェッショナル・仕事の流儀」という番組を拝見しました。いつも観ているわけではないのですが、いろいろなジャンルの職人が登場されていてとても面白い番組です。そもそも例の「プロジェクトX」の後釜として制作された訳ですが、もう「プロジェクトX」が終わってから7年も経つんですね・・・。あの番組が「過去の業績」や「組織」にスポットライトを当てていたが、これからは「現在の仕事」と「個人」へと方向転換すると大々的に宣伝もされていたのが最近のように思っていましたが・・・

 

444さて、今回は高知県の有名なデザイナー・梅原 真さんが主役でした。実は別の番組を観ていたのですが、家内の面白いのやってるよ、との声で放送直後に滑り込めました。梅原さんは、高知県の土佐山田町を拠点にして地元の眠れる地域資源に新たな命を吹き込んで活躍されているデザイナーさんで、その名前はよく存じ上げておりました。デザインされた商品も何度も手にし、何度も口にした事があります。大好きな高知の道の駅『四万十とおわ』に行くと、梅原さんのデザインしたものがここにもそこにも。

 

GEDC2543番組の後半で、「放し飼い有精卵」の養鶏家の方の卵をデザインする話しがありましたが、あまりのタイミングにドキリ!実は今、愛媛県の補助金事業の採択を受けて、本物の鶏ではないのたまごの最終デザインやパッケージ、物語づくりに奔走していたからです。さすがにこちらは「食べ物」ではないので、かぶる部分はないのですが、「遊びが過ぎると違うものになってしまう」とか、「あまりに忠実に再現すると無味乾燥したもになる」とか、身につまされる金言を頷きながら拝聴しました。

 

20120220 4ネーミングが決まれば、それでもう全体の半分ぐらいが出来たようなもの」と、ネーミングの重要性も説いておられましたが、私も自分の商品については絶対自分で決める主義なので、相当に無い知恵を搾り出します。思いついた言葉を何度も何度も口にしていたら、不思議なものでそのうち口にしっかり馴染んでくる言葉が出てきます。私の場合は、そうなったらそこから一気に話しを膨らませるわけですが、やはりそこは素人、最後の味付けが出来ません。

 

20120220 5骨格は出来ても、それを如何にうまく消費者に美味しそうに見せれるように盛り付けるかが肝心です。そして、盛り付けてもらったものを見てみれば、どこからどうみても自分のエッセンスなんだけど、細部が微妙に骨格にも修正が施されていて、にもかかわらず雰囲気を壊すどころか作り手のメッセージがよりうまくアサーションされているという魔法のような世界、それがプロフェッショナルのデザイナーだと思います。いかに押し付けではなく、作り手の中の火種に気持ちよく火をつけてくれるか・・・

 

20120220 6それは名前が知れ渡っているとか、どこそこの商品が売れている打とか、規模が大きいかなどという事とは無縁で、如何に依頼主と信頼関係があるかの1点に尽きると思います。そういう意味ではそれぞれにベストのデザインパートナーがいるはずで、私にとってそれは全幅の信頼を置くパルスデザインさんこそがベストデザイナー!その絆を更に深めるために、今日もパルスデザインの事務所を訪ねます。かつてあれほど遠かった「デザイナーさん」がとても身近にか感じられるようになり、その大切さが骨の髄まで染み込んだのも大内さん、スタッフの皆さんのお陰。『足元に眠っている宝に気付いた男』の伴走をしていただく会社はここにもあります。どうか私の破天荒なココロザシにも当分の間、お付き合い下さいまし。そしていつの日か、『特集・森のかけらを作った男』の中で存分に思い出を熱く語って下さい!




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