森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
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20130920 1小学校の運動会において、子供たちの本番の遥か前に大人たちの陣取り合戦が繰り広げられるのは、ごく自然な光景となっているようで、この時期の早朝に配達で市内を走ると、小学校の周辺に長い行列を見かけます。雑沓や行列が苦手な私は並んだ事もないのですが、前日の夜から並んでいるという猛者も居たりして、呆れるやら感心するやら・・・。最近はあまりの加熱ぶりに歯止めを掛けるために整理券なども配られているようですが、このエネルギー何かに転換出来ないものでしょうか・・・

 

20130920 2さて、以前にご紹介させていただいた、絞り丸太と破風板で作ったシーソーですが、当日の競技ではしっかり活躍してくれました。運動会が土曜日開催でしたので、子供たちの出番が重なる午後から、仕事の合い間を縫って応援に駆けつけました。中学生の娘が張り切って、前方の席を確保していましたが、とても人を掻き分けながらおばさんたちの中に入る勇気は無く、観覧席の後ろの方からの観覧だったのですが、チームごとの色に染められた絞り丸太はよくボールを弾いていました。

 

20130920 3これをもって、材の活用が広がった云々などと言うつもりはありませんが、木材の利用があまりに建築材偏重で、「建築材にあらずんば材にあらず」などと言う輩に至っては、自らの命脈を断ち切る思考停止状態!偏狭すぎてその構図から零れ落ちる、建築にはあまり適さない材に対する人権(木権)蹂躙!、とまで言えば過激かもしれませんが、あまりに片寄ったものの見方をしてしまうと、それ以外の可能性に気付かなくなってしまいます。見えるものすら見えなくなってしまう。

 

20130920 4本来、暮らしの中で当たり前のものとして使われてきた「木のモノ」ですが、今はそれを使う(異素材から本来の木に戻す)事にもいちいち理由が求められるややこしい時代です。コストが上がることへの何らかの説明(いいわけ)を付加しなけらば受け入れられないほど人間の感受性はお粗末なものではないと思うのです。それは木であっていいよね!と素直に受け入れる事の出来る感性と皮膚感覚は、子供の時代から日頃どういうものを使っているかで養われていくものだと感じた運動会でした。




20130919 1織田信長や豊臣秀吉、徳川家康など誰でも知っている有名な戦国大名の家紋10種をモチーフにした木製マグネット『森のしるし・戦国家紋第一弾』でしすが、少しずつではありますが戦国ファン、家紋ファンの皆さんに支えられて販売が進んでいます。個人的な趣味・嗜好が大きく影を落とす弊社のものづくりですが、血は争えないと感じたのは、今年の夏休みに小学6年生の息子が選んだ自由研究の素材が『真田幸村』だった事。ある意味で男の子の通過儀礼みたいなものかも。

 

20130919 2自由研究については自分で頑張って関連書籍を読み込んだり、ノートにまとめていましたが、真田家の家紋『六文銭』はじめ、敵味方の武将の家紋の大いに役立ったようです。自分の知らない知識を追い求めようとするのは子供も大人も同じです。戦国家紋についても第二弾、第三弾を準備していましたが、最終工程でもたついていました。それが今回の息子の自由研究の事で商品化が加熱!第二弾、第三弾どころか、一気にその次に予定していて『維新十傑』まで完成しました!

 

20130919 3とりあえず、本日は『戦国家紋の第二弾、第三弾』をご紹介。第一弾ほどメジャーではない戦国大名もいますが、それほど歴史に詳しくなくとも一度や二度は名前を聞いた事はあるであろうレベル。その20人とは、石田三成、黒田長政、浅井長政、毛利元就、朝倉義景、竹中半兵衛、島津斉彬、福島正則、本多忠勝、長曽我部元親、今川義元、井伊直政、山内一豊、酒井忠次、大友宗麟、池田輝政、直江兼継、藤堂高虎、北条早雲、斉藤道三。いずれも歴史の名だたるつわもの。戦国好き、家紋好き、歴史好きな人以外には興味のない商品かもしれません。商品開発の戦略としてはターゲットを絞り込みすぎて市場が小さいとか、何に使うのか目的が不明瞭などと言われるかもしれません。しかしそれはあくまで一般論。大量生産・大量消費時代の古き王道のロジックでしょう。

 

 

20130919 4弊社のようなスーパー零細企業が、ピンポンとに絞りに絞ったスーパーニッチな市場を狙わずに何を狙うのか?100人に1人のファンを獲得する(生み出す)商品開発こそが生きる道。理屈ばかりで商品開発やマーケットを論じたところで空疎。一般論で論じられないところにこそニッチのニッチたる所以があり、その地で日々呼吸をしている者にしか分からない感覚があります。第一弾は、メジャーな戦国大名たちの名前力で、ノーマルな方にもご購入いただきましたが、決して認知度の高くない第二弾、第三弾の家紋を購入される方こそが、弊社の求めるニッチなターゲットの皆様。さあ、この20の家紋を言い当てられる歴史マニア、家紋マニアとの出会いを待つ!ちなみにこの戦国家紋は、県内外の百貨店、スーパーマーケット、などのガチャポンでも販売していただいております。見かけた方は、是非戦国家紋30種類コンプリート出来るまで、大人買いのチャレンジをお待ちしております!

※ 過去のブログの中に古い記述で¥150/個がありますが、現在は¥200/個となっておりますのでご了承下さい。

 




20130918 1このアカガシは年輪がハッキリしていませんが、髄線が太く柾目にはナラのような派手な虎斑(とらふ)が出ます。この虎斑が板目に出ると、縦に長い目のような筋状の斑点が散らばったような「樫目模様」になります。カシの中で一番堅いのはウバメガシだとされますが、用材の中でもっとも重たく堅いのはアカガシだとされています(気乾比重0.87)。残念ながら弊社には、【森のかけら】の素材になる程度のアカガシしかありませんが、そんな断片でも重さは実感できます。

 

20130918 2元寇の大碇に使われた事でも分かるように、水湿に非常に強く、重くて強靭な事からその用途も特別なものでした。造船の分野では碇、舵、櫓(ろ)、櫂(かい)や船縁(ふなべり)など水に接触する部分には欠かせない重要な資材として重宝されました。また荷車や車輪、槍の長柄なども、磨耗に強い材質の特徴を活かした用途です。「古事記」においては、ヤマトタケルノミコトが、アカガシで造った木刀をしつらえて、相手の刀と取り替えて倒したという記述があります。

 

20130918 3現代においてもアカガシは有用な材で、有名なところでは木刀、三味線の棹や撥(ばち)、算盤の枠、鉋の台木、鑿(ノミ)の柄などに利用されています。昔、アカガシの木刀を所有するには警察の届出が必要だった時代もあったようで、それだけアカガシの強さが広く世間に認知されていたのでしょう。まあ、骨も砕けてしまうようなあの強靭なアカガシで叩かれる事を想像すると・・・。ちなみに昔は警察の警棒もカシの木で作られていました(最近は強化プラスチックなど)。

 

2013918 4アカガシで造った鉋台を持つと その重みがズシリと手に伝わってきます。成長が早く大きくなるアカガシですが、枝葉を沢山伸ばすため(製材すると節が多く出るので)建築用材として適さないようで、木材市場などに出てくる事はほとんどありません。身近なところでも鉋の台木ぐらいしか見る事がなかく、意識する事も少なかったのですが、元寇の大碇を見て以来なんだか妙に心が惹かれてしまいました。次からは【森のかけら・お任せコース】の定番としたいところですが、今後の供給に一抹の不安が・・・。




★今日のかけら・#003 【赤樫/アカガシ ブナ科コナラ属・広葉樹・宮崎産

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先日の町内会の旅行のブログで、元寇の船の大碇(おおいかり)が『アカガシ』で出来ていたという話が出ましたので、アカガシについてご紹介させていただきます。【森のかけら】のストックは、日本・世界それぞれにアイウエ順に並べて保管しています。『森のかけら36』でも『100』でも、8割方は樹種を自分で選ばれるのですが、稀に『お任せ』でお願いというご注文もあり、アイウエオ順で選ぶ時にいつも気にするのが「アカガシ」と「シラガシ」のどちらを選ぼうかという頃。

 

20130917 3なるべく違った種類の木を選んだ方がいいのではと思いから「カシ」は、他にも「イチイガシ」もあるのですが、一般的に認知度のあるアカガシシラガシのどちらかを選ぼうかと悩むのです。【森のかけら240】では3種類ですが、『カシ』の名前の付く木は多くて、アカガシ、シラガシ、イチイガシの他にもウラジロガシ、ツクバネガシ、ウバメガシ、アラカシなどの木があります。それらすべてがブナ科コナラ属で、ドングリを付ける木でもあります。ついでにこちらが『ドングリの5かけら』。

 

20130917 4そのように多くの種類があるカシ類ですが、全国に分布しているわけではなく、新潟県の海岸線から福島県あたりが北限で、四国、九州、朝鮮半島の南部、台湾などの暖温帯に多く分布しています。カシ類の中ではもっとも高所にまで分布し、標高の高い所(600~1110mあたり)でしばしばアカガシ林を形成することがあります。成長すると高さ20mに達するものもあるようですが、多くは刈り込みや移植にも強く、成長が早い事から屋敷林、庭園樹として植えられています。

 

20130917 5このアカガシは、コナラ属の中では唯一葉縁に鋸歯がないのが特徴で、学名のQuercus acuta(クエルクス アクタ)には「鋭い」という意味があるようです。その「カシ」の語源について。カシは木偏に堅い(樫)と書くのが一般的ですが、いずれのカシも粘りがあってナラ以上に堅いという特徴に由来しています。また、カシという呼び名は「雄樫(いかし)」という、枝葉を沢山茂らせた樹形を指した言葉からきています。アカガシは、材が赤味を帯びている事から赤樫と表わします

 




20130816 1息子が生まれた年に、敷地内に立てた鯉のぼりの竿が、経年変化でかなり危険な状態になっていたので、先日倒す事にしました。上の子供が女の子で、それから2年後の双子(二卵性の男女の双子)の誕生で初めて授かった男の子でしたので、当時は嬉しくて結構頑張って長い竿を立てました。45尺(およそ13.5m)桧の丸太です。今では運搬するだけでも大変ですが、その長い長い竿の先にたなびく鯉ののぼりを見上げる時、ささやかな幸せを感じていました。

 

20130816 2しかしその長尺ゆえに、一度立ててしまうとその後おいそれと倒したり立て直す事も出来ず、それから10数年の間、鯉のぼりを上げなくなってからも竿はそこに立ち尽くしていました。当時は張り切って深い穴を掘って、支柱となる枕木を埋めたつもりでいましたが、時間の経過と共に土が削られ流失したりして、枕木がやや斜めになりはじめ・・・最近ではかなりの角度で傾き、危険な状態になっていました。事故でも起こさないうちに倒さねばと思ってはいたのですが先日ようやく決行。

 

20130816 3根元で直径が6寸(およそ180mm)ぐらいはある丸太で、いくら古くなっているとはいえ、13、5mもある長ものですからそれなりの重さもあります。3人がかりで慎重に、ロープを掛けて倒す位置を決めて、鋸で切り込みを入れて引き倒しました。倒してみるとやはり先端部分はかなり朽ちていて脆くなっていました。木元の方こそ表面は灰褐色でも中身はまだしっかりはしていたものの、先端は強い台風でも来ればポッキリ折れてもおかしくないような状態でした。

 

20130816 4思えば11年もの間、風雪に耐えてよくぞ頑張ってくれたものです。倒す瞬間には、一生懸命に穴を掘った時の事や、雨が降るたびに大急ぎで片付けた事、大空にたなびく鯉のぼりの勇姿など、本当に走馬灯のように懐かしい思い出が蘇りました。いつも仕事が終わった夕焼け空の中に悠然とそびえていた桧はもうそこにはありません。10数年も見慣れた光景の中から、あるべきものが無くなるという事に一種の喪失感のようなものを感じます。森の中にいれば13、14mの桧といってもありきたりの存在で、特別な感情を抱くわけでもありませんが、森を離れて町にやって来た1本の桧が、こうして今その担わされた役割を終え、姿を消そうとする時、ただ「モノ」を片付けるという感覚以上の複雑な感情が湧きおこりました。我々家族に幸福な日々を与えてくれた桧ののぼり竿に感謝を込めて・・・。




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