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昨日の続きです。そういった大トロの商品がほっておいても梱包単位で売れていた時代でしたので、今とは隔世の感がありますが、当時はそれが普通でした。しかし結局は、何の努力もせずに売れるというその甘えの構図が、のちに自分の首を絞めていくことになるのです。弊社の倉庫にもヒノキ柱の化粧柱がところ狭しと並べられ、わが世の春を謳歌していました。今やバブルの華やかな賑わい懐かしさとともに、永遠に戻ることのない光景として私の脳裏の中に刻まれるばかり・・・。
私にとって「桧の化粧柱(という価値観)」は非常に幸福な出会いだったと思います。なにしろ105㎜角の柱1本が、4,5万もの価値がついた時代ですので、桧の柱さまさまという感じで、木の事がまだ何も分からない素人同然の私にとっても、「材木屋ってなんて楽な仕事なんだろう」と大きな誤解を与えてくれたものです。それから急転直下、かつての花形・桧の化粧柱は厳しい冬の時代を迎えるわけです。その暴落差は一層私の桧に対する思いを特別なものしたのです。
ひとつの材の価値の頂点と末端を味わった者として、複雑な思いがあります。同じ4面無節の桧柱が今そこにあったとして、その価値は今と25年前を比べると雲泥の差があります。材質は同じと仮定したとしても、価値にそれだけ開きがあるというのは、桧の無節の柱にどれだけ価値を求める人がいるかという点につきます。ものの価値は需要と供給が決めるとはいうものの、それは絶対的な需要があってこその話。和室という需要がなくなれば、求められない商品になるばかり。
最近この仕事に就かれた若い方にとっては、桧の化生柱についてそれほど深い思い入れは少ないのではないかと思います。先日、相当久しぶりに桧の4方化生柱の注文があり、倉庫中を探し回り何とか見つけたのですが、何だか懐かしい旧知の友に再会したような複雑な気分でした。よくぞ残っていてくれた!恐らく今後も劇的に化粧柱の需要が回復することは少ないと思われます。むしろ節のある材を化粧として使う需要は増えてくるのかもしれませんが。明日に続く・・・。
★今日のかけら・#034【木曽桧/キソヒノキ】ヒノキ科ヒノキ属・針葉樹・岐阜産
私がこの会社に入社した当時、つまり今から20数年当時は、まだ無垢材に覚醒していなかったため、合板などの新建材もそれなりに扱っていました。以前は会社として建売住宅まで手掛けていたこともあって、倉庫の中にも木材に交じってユニットバスや洗面台なども沢山ありました。私自身は、まだこだわりどうこうよりも木材屋の仕事のなんたるかすら分かってなかった状況でしたので、言われるがままに注文のあったものを運び販売するというただの肉体労働の日々でした。
そういう日々の中、それなりに建材類も販売してはいましたが、取扱いの規模も少ないこともあって、どうしてもカタログ販売の建材に仕事の面白さや妙味を見出すことが出来ませんでした。肌に合わないという感じで、次第に建材の扱いが減少して、気がつけば倉庫の中にはコンパネすら1枚も無くなっていました。その後、無垢材の底なし沼に両足ともにどっぷり浸かっていくことになるのです。そのことについて今は微塵の後悔もないどころか、よくぞ舵を切ったものだと。
さて、その舵を切る前の頃の話ですが、その頃はわが社の主役は檜(ヒノキ)の柱でした。しかも俗に化粧材と言われ和室などの真壁に使われる高級な柱です。いまや床の間のある和室は風前の灯ですが、今から25年ほど前は必ず1軒につき1室は付き物で、大きな家になると8畳の続き間も珍しくありませんでした。弊社のようなところにさえ、1月に1度は鹿児島からわざわざ欄間屋さんがトラックに高価な彫刻欄間を積み込んで売り込みに来ていたほどですから。
欄間を取り付けるには和室の続き間が必要ですから、和室の減少とともに欄間も激減していくのです。しかし当時は、わざわざやって来ればお付き合いにと、欄間を3、4本も買っていましたが、それとてすぐに売れるぐらい欄間も和室も需要があったのです。欄間は8畳続き間に1組ですが、化粧柱の場合は最低でも10数本必要になります。当時は化粧面が無節の場合、1面1万円程度が相場でした。それが3面、4面化粧ともなれば数倍の価値がつくこともあり、まさに大トロの値打ちもの!
年の瀬も押し迫ってくると、いろいろと気忙しいのですが、思いがけないような話も舞い込んできます。誰もが新しい年を心待ちにしているわけではないという厳しい現実も目の当たりすることも・・・。毎年この時期によく持ちかけられるのが、倉庫の木材を買って欲しいという話。大工をしていたが、寄る年波に勝てず、後継者の見通しも立たないことからこのたび店を畳むことになった、つまり廃業することになったので、ついては倉庫に残った木材を買って欲しいという依頼です。
県の内外問わず、いろいろな地域からそのような話が舞い込むのですが、基本的にはお断りしています。というのも、倉庫の中にも外にも木が溢れていて、とても人様の材料を買い取っても保管する余裕なんてありません。それでも欲しい木があれば無謀にも仕入れてしまうのが材木屋の性なのですが、そういう依頼の多くは大概失望することが多いのです。一応お断りするものの、親しい方の知り合いとか頼まれごとの場合はどうしてもお断りできずに、倉庫にまで足を運ぶことも。
しかし例えば松山市内の場合、その多くはある意味期待通りの結果に・・・。この辺りで仕事をされていた大工さんの場合、使われていたメインの部材としてはヒノキ、スギ、ベイマツ、ベイツガなど。生憎そういう材について私の食指は動かないのです。大体そういう材の中でも「使える材」は既に使われていて、結局残った材には残された理由があるものです。更に私にとって欲しい材というのは、例えばアフリカ材であったり、中南米の木や東欧、ヨーロッパの木などなど。
つまりそれは【森のかけら】にも使える木でああり、現在入手が困難になりつつある材です。そういう材が眠っている倉庫であればお宝(あくまで私にとって)なのですが、そういうケースは非常にレアで、滅多にありません。だからといってそういう場合はいくらでも引き取りますよというわけでもありません。売りたい方はなるべく高く売りたい、買いたい方はなるべく安く買いたい、その思惑にせめぎあい。相場の無いものに値段をつけることの難しさ、辛さよ、嗚呼・・・。
さて本日はイタウバの特徴について。イタウバは濃い茶褐色で、見た目にも重量感がストレートに伝わってくる木です。同じ「アイアンウッド」の中でもウリンに比べると比較的灰汁(アク)が出て、施工後に基礎のコンクリートなどを汚しにくい木だと思います。あくまでも私の経験上ですが・・・。それでも長期間の保管によって、桟積みした部分にわずかに灰汁が染み出しています。白っぽく見えるのは、桟のために経年変化を免れた部分。つまりかなりもともとの木肌です。その上の濃い筋が灰汁の跡です。
施工前には気になるかもしれませんが、施工して数ヶ月もすれば紫外線の影響を受けてすっかり馴染んでしまいます。さらに数年もすれば経年変化で灰褐色になればどの木もロマンスグレーに「成長」しますが、そのわずかな期間も施主さん、設計士さんには気がかり。イタウバはそもそもが濃い茶褐色なので、退色による変化の驚きが少ない方かもしれません。表面を削ってみると、その削り粉はやや黄色味を帯びていて、時間と共に変色します。
梱包の中には、こんなカーリー(波のように皺が寄ったように見える柄)状の杢が出ているものもありました。メープルなどに現われれば相当な価値があるのですが、装飾的な美しさや妙味よりも、耐朽性や強度の方を優先するウッドデッキにおいては、その「価値」はあまり歓迎されるものではありません。むしろデッキ材としては、全体のトーンバランスを逸する「異形のもの」とされてしまいます。イタウバに限ったことではありませんが、用途によって「価値」は変わってきます。
ところでイタウバの端材が出た時に、『モザイクボード』のワンピースにも使った事があったのですが、時間が経つとわずかですがアクが染み出て他の材に影響を与えてしまいました。【森のかけら】は、キューブに加工仕上げして、樹種ごとのカゴにいれて保管してあるのですが、長い時間密着しているとアクが染み出て白いネームシールがきばみます。木の「個性」も使い方、見かた次第でよく見えたり、見えなかったり、気付いたり、気付かなかったり・・・。
先日に続いて、ウッドデッキ材・イタウバの話。それで、現在は必要なサイズ+αに絞り込んで、必要量だけを必要な時期に合わせて少量配送に切り替えました。大型車によるスケールメリットはなくなりましたが、長期在庫の金利負担もなくなりましたので、むしろ今の方法の方が無駄がありません。それも大量にさまざまな樹種を取り扱っていただく商社の皆さんあってこそのこと。その関係でもっとも安定しているのがマニルカラなのです。
ただし、ただ材として考えた場合、イタウバは決して悪い材ではありません。むしろ供給とコストが安定するならば積極的に使いたいぐらいの木なのです。しかし現実には、現在の中南米の林業界は、一時期木の盗伐、乱伐が横行したため厳しい管理の元、伐採計画が行われており、信頼できる仲間がいなければ、仕入れる方としても心配が尽きません。それで今はマニルカラに絞込み、他の材については現在手持ちの在庫がある間だけ販売しております。
つまり在庫がなくなればその時点でイタウバも弊社の倉庫から姿を消してしまうかもしれません。来るべきその時にイタウバの状況が変わっていれば検討するかもしれないのですが・・・。それで長期間在庫してあったイタウバが先日まとまって売れて、その日がかなり現実的になって来ました。ただし、それはあくまでも弊社内部での話で、全国にはイタウバを大量・安定的に流通されていらっしゃる商社や材木店もあると思いますのでくれぐれも誤解のないように。
自分の店でどんな材に絞り込んでどんな材を扱いどういう特色を出すかというのは、それぞれの店の経営判断です。今のところ弊社においては、絞り込むデッキ材の候補から漏れているというだけの事で、イタウバが今後全国的に入荷が厳しくなって扱いづらくなるという話ではありません。私のネットワークの範疇では、ちと難しいぞという判断をしたまでの事。しかもその理由は、材質の問題ではなく流通上の事ですので、イタウバには何の瑕疵もありません。
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