森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

Bison ford the Firehole River in Yellowstone National Park, Wyomingオオカミプロジェクトの最終回です。アメリカのイエローストーン国立公園では、既にその計画が実行され、生態系のバランスの修復に一定の成果をあげています。その根底には、『ナチュラル・レギュレーション』という新しい思想があります。自然の管理は、人間が干渉せずに自然本来の営みの任せることが最適とする考え方です。近年我々は、「人間に役に立つものだけを保護し、無益にならないものは駆除する」という功利的な概念で社会活動をしてきました。

 

Leopold wolf following grizzly bear; Doug Smith; April 2005しかし今やそれは行き詰り、社会全体が閉塞状態に陥っています。これからは、人間の都合に反するものも含めた本来の姿の自然を保存し、相応のリスク(例えばオオカミに咬まれたとしても)を承知のうえで、自然と共存する意義をを重視する『自然保護思想』が重要だと述べられています。言葉で書いてしまうと何だかとても難しそうに感じてしまうかもしれませんが、これが少しも説教ぽさもなく、実例を伴って説明がなされているので、まさに目から鱗が落ちる一冊!

 

20140409 3『日本の森にオオカミの群れを放つ』という発想は、既存の正攻法では行き詰っている森林保護政策に風穴を開ける理にかなった壮大かつ実現可能なプロジェクトであり、決して奇策などではありません。自己の利益追求の功利的な論争の中からは決して生まれることのなかった崇高な理念であり、精神的なゆとりにも結びついていると思うのです。木を見て森を見ていなかったような机上の森林保護の考えに猛省を求める一冊として是非読んでいただきたいです。

 

 

20140409 4読後につくづく思ったのは、森の健全な復活を願うのは人間だけではなく、森はこの世に生きとし生けるすべてのものだということです。そして何をするにしても相応の『覚悟』はいるという事!現在オオカミによる生態系の復元に関する本は他にも多数出版されています。さて補足として、恐らく多くの人が子供の頃に「悪なるオオカミ」と最初に出会い、無意識のうちにオオカミを卑怯で残酷で恐ろしい存在として刷り込ませている罪深き『赤ずきん』の童話について。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2014年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  
Scroll Up