森のかけら | 大五木材


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Exif_JPEG_PICTURE野球狂の詩』の中の一編『モビーゴット』のあおりは次の通り。「はるか海からやってきた神とも見まがう郷打者 海王神人(かいおう かみと)!むかえうつは東京メッツ・ナイン。天地を揺るがす戦いに男の闘魂が燃える!!」熱血・梶原一騎を髣髴させるコピーで始まるこの作品は、数ある水島野球漫画でも異色の切り口で始まります。荒れ狂う海の船上で、仁王立ちになって一頭の暴れ鯨モビー・サタンの出現を待つ男。彼こそが主人公・海王神人。ある小さな漁村はこの鯨のお陰で漁が出来なかったのです。

 

Exif_JPEG_PICTUREその巨大な暴れ鯨に対して、なんと海王は自らの手でモリを打ち込み仕留めるのです。そして、漁村に平和をもたらした海王は、大洋ホエールズに入団。翌日の甲子園での阪神戦に代打で登場し、超特大ホームランを放ち華々しいデビューを飾るのです。その凄まじい打棒は、セ・リーグの投手を次々と血祭りにあげて、いよいよ東京メッツとの戦いへ!その3連戦の1、2戦はメッツ投手陣は海王にまったく歯が立たず、敬遠のボールすら海王の見えざる力に吸い寄せられてスタンドまで運ばれてしまうのです

 

Exif_JPEG_PICTURE意を決して第三戦の先発には鉄五郎が名乗りを上げるのですが、数日前に突然倒れて昏睡状態にある孫の武司の事が気がかり。大好きな海王の事をうわ言で言う孫の前で苦悩する鉄五郎。そこへ不意に海王が現れ、武司の手を強く握ると武司の意識が戻るのです。「ぼくね、海王さんの夢見た。夢の中の海王さんは神様だったよ。」更に、玄関先の海王の立ち去った靴跡からは、鉄五郎と武司が種を撒いて心待ちにしてもなかなか芽が出なかったチューリップの芽が出ていたのです。「彼は本当に神なのか・・・」

 

Exif_JPEG_PICTUREまさに神がかりの強打者・海王に、投手生活三十年の誇りをかけて岩田鉄五郎は挑むのです。しかしその思いもむなしく無残にも三打席連続ホームランを浴びます。救いはそのいずれもがソロホームランで、9回までメッツが1点差でリード。そして9回、ランナーひとりを出して海王との勝負を迎えるのです。気迫の乗り移った球に海王もファールを連発。そして満身創痍の鉄五郎が気迫を込めた投げ込んだ一球は・・・!?結末に興味のある方は是非、復刻版が出ていますので是非書店でお買い求めください。

 

20140415 5先日の捕鯨判決を見て、何だかこのドラマの事を急に懐かしく思い出したのです。いつもギリギリの場面で鉄五郎は、技術やパワーを越えた神がかり的な力が球に乗り移るのですが、初期の作品ではそこまでに至る過程が丁寧に描かれ、嘘っぽさを越える説得力と勢いがあってこちらののめり込んでしまうのです。この作品は捕鯨に挑む漁師の神がかりな力を、一球に情熱を注ぐ野球人たちにだぶらせています。それは捕鯨の是非を問うものではなく、むしろ「仕事」に対する真摯でひたむきな思いがあるだけなのです。

 




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