森のかけら | 大五木材


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20150801 1天竜杉(静岡)、尾鷲桧(三重)と並んで『日本三大人工美林』のひとつに謳われるる『吉野杉』のある奈良県吉野郡は、奈良県中部に位置し、桜の名所としても有名なように豊富な森林資源に恵まれた日本有数の良質な木材の産地です(※ちなみに、日本三大人工美林とは、建築材などとして利用するために計画的に植林され整備荒れた良質な山の事で、天然林については日本三大美林〔青森ヒバ、木曽桧、秋田杉〕と区別されます)。吉野の杉は年輪が精で、癖がなくて、色艶香りが揃った上品な材として全国に轟く一大ブランドです。

 

20150801 2そんな良質の木材は吉野山の山中から生み出されるのですが、大きな台風や大雨などでしばしば大きな被害が出るなどして山肌に荒々しい傷跡が残った光景がニュースで映し出されるように、吉野の山は高低差の大きな起伏が激しい地形です。そのため木材を搬出するための林道や作業道の整備が難しく、搬出については、昔からヘリコプターが使われてきたそうです。愛媛などではちょっと考えられない事ですが、ヘリを使っても充分に採算が合うほど、良質で価値の高い材が出材されていたという事でしょう。

 

20150801 3かつては木材を運ぶための荷役用のヘリコプターを持つ会社が3社も稼働していたそうですが、材価の低迷に伴いコストの高いヘリによる搬出が次第に敬遠されるようになり、最近は1社になってしまったそうです。山に良材が減ったわけではなく、高齢木の需要が少なくなり、採算が合わないため出材されなくなったという事です。かつての吉野ブランドの栄華を知る者としては悲しい事ですが、これも現実。着工数の増減の波はあるとしても、かつてのようにヒノキやスギの化粧柱が主役となる場面が再びやってくるのかどうか?!

 

20150801 4先人達から連綿と受け継がれてきた日本の林業は大きな転換的に来ています。年間100万戸を超える旺盛な住宅需要に支えられ、そこを出口としてきた林業ですが、かつて絶対に割り込む事がないと言われた100万戸神話は遥か昔の伝説となった今、木材の出口はどこへ向かうべきか。護送船団的に住宅資材のみへと向かった結果、過剰な品質競争、価格暴落などにより補助金無しでは立ちいかなくなっていtる現状。吉野ほどのブランド力がある地域ならばそれでも生き残っていくことが可能でしょうが、

 

20150801 5私としてはそれをじっと耐えて待つほど我慢続さがないため(それだけに体力の資本もない!)、新たな木材の切り口を探す方へと向かっております。非住宅資材としても木材はウェルカムで、それが一体に何になると市場などでは馬鹿にされる木の伝承や逸話だって、使い方次第ではいくらでも武器になります。美しい吉野のスギ、ヒノキを見てみたい、触ってみたいと思っているのは家を建てる人ばかりではないはず。鼻腔をくすぐる爽やかな吉野スギの香りはもっと多くの場面で『出会い』を待っているはず!!




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