森のかけら | 大五木材


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さて本日も『イヌマキ』の話ですが、名前の命名からは随分と卑下されたものの、材としては非常に有用な木として活用されてきました。高さ20m、直径500㎜ほどになる常緑の針葉樹で、大きなものになると直径が1m近くにまで成長するものもあるらしく、関東以西の太平洋側や四国、九州、沖縄などに広く分布しています。四国にも沢山生えているらしいのですが、木材市場に出てきたのを見たことがありません(広葉樹に関心の薄い愛媛の市場では、十把一絡げに雑木扱いされてしまうので)。

 

耐湿性が高いだけでなくシロアリに対しても強い抵抗性を発揮する事から、土台や柱などにも利用されるのですが、特にシロアリの多い沖縄では古くからイヌマキが使われ、その歴史は実に100年以上に及ぶとされていますコウヤマキの薬草のような匂いはしないものの、イヌマキにも独特の臭気がありますが、それと含有成分がシロアリに対して強い抵抗性を持っているらしく、土台や柱などの建築材に限らず家具や風呂桶、桶、屋根板、呑口(のみあなを塞ぐ栓)などにも使われます。

 

20150804 3また潮風にも強い事から生け垣庭園木としてもよく植えられていて、鹿児島の知覧の武家屋敷通りの立派なイヌマキ生け垣は有名です。以前に業社会の旅行で訪れた際には、立派で風情のあるイヌマキの生け垣と石垣の光景を目にしたものの、当時はまだイヌマキに対して今ほど関心が高くなく写真も撮らなかった事が今となっては悔やまれます。今回入手出来たイヌマキは一家庭の庭に植えられていたもので、そう大きなものではないためせいぜい【森のかけら】が取れる程度のもの。

 

それでも板になる前の状態(丸太)で出会えて、そこから順を追って板になるまでの過程を見続けられるという事は、材の特性を知る上でも貴重な経験です。うちは製材所ではないので、基本は板材での仕入れとなるため、元の姿を見る事は稀でした。最近は愛媛の木を原木で買ったり、庭園木をいただく事も増えて、立木や原木の姿を見る機会も増えたのですが、木を語るうえで『はじまりの姿』を知っておくことはとっても重要ですし、その端材まで大切にせねばという思いがますます強まるのです




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