森のかけら | 大五木材


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20150808 1ダイニングテーブルや座卓にするような耳付きの一枚板の場合は、弊社の懐刀であるZEN FURNITURE善家君に加工をお願いするのですが、加工機で削れる程度の小幅の板の耳の仕上げぐらいならば私が削ったりします。任せればいいのでしょうが、少しは自分でも削ったり加工したりしないと、その材の加工性を尋ねられた時に答えようがありませんから。私は数学がからっきしで、数値で木を語るには苦手ですが、皮膚感覚でなら体験を通して何とか自分の言葉で喋れるかと・・・

 

20150808 3門前の小僧習わぬ経を読むというやつで、最初はおぼつかなかった道具の使い方も我流で何とかそれなりに使えるようになってきました。こういうものは場数がモノを言います。とはいえ、あまりに堅い木の前では我流も歯が立たない(最後までやり遂げられなくなって善家君に泣きついて迷惑をかけても申し訳ないので)ため、もっぱら最後まで完遂出来る自信のある針葉樹あるいは中硬質広葉樹が専門なのですが・・・。その実践篇ですが、こちらが耳付きの『モミ』の木です。

 

20150808 4耳の部分がガッツリ虫に喰われてしまっていて、縦横無尽に象形文字のような虫食い跡が走っています。とんでもない事になっている~!なんて思われるかもしれませんが、材木屋ではごく普通の光景。ここまででなくとも、虫穴が1つあるだけで欠点だとか、不良材、B材だなんて大騒ぎする人もいますが、私から言わせれば『木の耳が綺麗にツルンとして虫穴ひとつも無い』なんて状態の方が不自然。木は決して人間だけのものではありません、森においては虫や鳥たちの終の棲家でもあります。

 

20150808 5そこをグラインダーで豪快に削っていきます。最初は粗目でザックリ削り、細目で仕上げ磨きしていきます。耳の凹凸に合わせて削るのですが、針葉樹だと軟らかいので大きな傷なども容易に削り取れます。どれぐらいエッジを立てるか、どこまで削り込むかはケースバイケースですがモミのような軟質な材の場合はついやり過ぎてしまうので加減が肝心。その後でサンダーで磨いていけば完成となるわけですが、注文でする場合もあれば、在庫品の仕上がり具合をみるためにする事も。

 

20150808 6ザックリ虫に喰われていたとしても、多くの場合は辺材(白太部分)で止まっているケースが多く、心材(赤身部分)にまで被害が及んでいるケースは少ないのですが、中には喰い足りなかった虫が心材にまで入り込んできている事もあります。いずれにせよこれらはウスバカミキリの仕業で、成虫だと体長が50㎜ぐらいにはなるので発見は容易。穴の奥まで注意深く調べて取り除けば、それ以上進行する事はありません。こうして仕上がり具合をイメージできる形で材を選んでいただきます。




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