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| 先月告知させていただいていた、西予市野村町横林の『里山カフェ イソップ物語』で開催された『木工教室』の様子(2月24日開催)がえひめ新聞に掲載されました(2月27日掲載)。私は参加出来ませんでしたが、家内によれば沢山の親子連れが参加してもらい大いに盛り上がったようです。私と家内の故郷でもある野村町は平成16年の市町村大合併で、旧東宇和郡の明浜町・宇和町・城川町と西宇和郡の三瓶町との五町が合併して西予市になりました。その西予市は、今年の4月1日に「ウッドスタート宣言」をしました。 |
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ウッドスタートとは、日本グッド・トイ委員会が開催している『木育』の行動プランのことで、簡単に言うと、子育てや子供が育つ環境の中に『木』を置いて、市民がもっと木に親しめるように環境を整えようという取り組み。具体的には自治体が生まれた赤ちゃんに地元で作った木の玩具を誕生日の記念品として贈ったり、木に関するイベントや体験事業を行ったり、子供たちの集う建物の木質化などです。言葉は今風ですが、決して珍しいものではなく、生かし切れていない林業資源を抱える日本各地の地方で命題でもあります。 |
| 今回の出前木育もそういう取り組みの一環で、材木屋としては大変ありがたい話ではあるものの、こういうことって一朝一夕で出来るものではありません。結婚してから家内と取り組んできて、およそ20年あまり。いろいろと紆余曲折はありましたが、最近になってようやく撒き続けてきた種から芽が出始めて、これから少しずつ『収穫』出来そうな環境になりつつあるように感じていますが、その年月は相手を育てる以上にこちらが育つために必要な時間であったようにも感じています。特に偏屈な私にとって。 |
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大きな木を育てるためには深いところに種を撒かねばなりません。今では当たり前のように『木育』という言葉がどこでも語られるようになりましたが、北海道で木育が提唱されて20余年、その手段や人材の育成プログラムなどが整いマニュアル化されてきましたが、本来はその地域地域の特性や事情、林業との関わり方や距離感に合わせた独自のスタイルがあるはずだと思います。北海道には北海道に適した樹が育ち、四国には四国に適した樹が育ち、その中に多様な種類の樹があってこそ健全な森の姿。明日に続く・・・ |
| マツの話ついでに本日はトドマツではなくアカマツの話。先月大量に入荷したアカマツとヤニの話をアップしましたが、そのアカマツについて。とりあえず小口をカットして乾燥の促進と、整理番号を付けて桟積みも終わり、これからはしばらくの間、倉庫でお眠りいただくことになるわけです。昔であればその工程で発生する端材と鋸屑は焼却炉に消えていく運命であったわけですが、今は『商品生産』の場面でもあります。今回は生(未乾燥材)のアカマツでしたので、当然鋸屑も生です。 |
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アカマツの板に丸鋸の刃を入れるとジュルジュルというぐらい勢いよく黄色い鋸屑が飛び出します。同時にそのあたり一帯にマツ独特の香ばしい匂いが立ち込めます。偶然その作業中に会社に来られた一般の方が、「あらいい匂い!」と仰っていましたが、日本人なら落ち着く香ばしい匂いかもしれません。板の数も半端なく多かったので、出てくる鋸屑の量も半端ではありません。生材の鋸屑なので、匂いも激しいものの水っぽいので、瓶詰しておくとカビの心配もあるので、『森の砂』に加えるかは検討中。 |
| たっぷりと集材できたのですが、途中あたりからは綺麗にカットできるかどうかというより、うまく鋸屑を取れるかどうかということに注意が向いてしまい、あわや本末転倒。しかしこれ、『森の砂』の出口がなければいくら匂いがよくても、いかに目に鮮やかでもただのゴミ。苦労して集めたからという事もあるのですが、『森の砂』のライナンップに加えられなかったとしても、こうなったら決して捨てたりはしません。ならば更に「生の鋸屑」のための別の出口を用意しなければならないのか?! |
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一般の方が「いい匂い」と言われたて思い出したのですが、そういえば以前にも木のおもちゃを買いに来られた年配の女性の方が、倉庫を通られた時に「うわ~、木のいい匂いがする~!こんなところで暮らしたい~!」と本心の歓喜の声をあげられていたことを思い出しました。長年毎日木に囲まれて過ごしていると、それが当たり前になって特別な感情を抱かなくなってしまっていますが、よくよく考えれば街の中でかなり贅沢でエコロジカルな職場なのだと再認識。 |
| 樹木としてのトドマツ(椴松)の話は昨日で終わりですが、トドマツの事を調べていて気になったことがいおくつか出てきたので、樹木とはまったく関係の無い余談なのですが・・・。まず1つ目が、同じ『トド』でも生物のほうのトド。漢字では海馬とか海象、胡獱、魹などと表すようですが、実はこちらも名前の由来はアイヌ語からきているようです。「なめし革」を意味するアイヌ語の「トント(tondo)」が語源だそうで、太古の昔よりトド漁は行われていて、貴重なたんぱく源となっていたそうです。 |
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またその革を使って生活用品も作られていたそうで、それが名前の由来となっているようです。しかしその後、交通の便もよくなり、全国的な流通網が整備されるにつれ、トド漁は下火となったものの、それによってトドの生態数は増加して現在では魚網を破るなど北海道だけでも年間10数億円もの被害が発生していて、害獣駆除としてトド漁が行われているそうです。世界的にみると準絶滅危惧種にも登録されている国もあって、日本のトド漁が批判されることもあるようですがそれぞれの国にそれぞれの事情があります。今でも北海道などではトドの大和煮やトドカレーが販売されているようですが、これぞジビエ料理。 |
| 外国がどうだからという基準でばかり考えると、地域の暮らしや事情が見過ごされてしまうのは木の世界ばかりではないようで、感情的ななりすぎるとものの本質を見失ってしまいます。その次に気になるトドは、「とどのつまり」のトド。私はてっきり度々(たびたび)、つまり何度も繰り返してその結果、という意味だと思っていたのですが大間違い。こちらのトドは、魚のトドからきていました。ときどき、都会の川などで恐ろしいまでに大量発生してニュースになることのあるボラの最終的な名前がトド。 |
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出世魚といえばハマチ→ブリが有名ですが、ボラもそうらしく、地域によって多少の違いはあるようですが、関西だとハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドと呼び名が変わっていって、最終的にトドで落ち着くそう。という事はあの大量発生しているのは、まだ最終形態ではないという事。ということから、「とどのつまり」は「最終的に」という意味を持つ言葉として使われるようになったようです。漢字で書くと鰡、鯔、鮱など。トド(マツ)のとどのつまりはチップでもいいけど、その間にまだ何態か変身出来そう。 |
| トドマツの話、昨日で終えるつもりだったのですが、書き忘れていたことがあったのでもう一日。呼び名としてのトドマツの由来はおおよそ分かったものの漢字表記の方の由来はどうなのか。木編に段で『椴松』となっていますが、これはトドマツの枝が毎年階段のように増えることに由来していると言われています。しかしそもそも「段」という漢字は中国で生まれ、日本のトドマツとは別の樹を指すものでした。それが日本に伝わり日本ではトドマツの事を表すようになったそうです。 |
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そういう例はセンダン(栴檀)やカエデ(楓)をはじめいくつも見受けられますが、いずれも樹形や葉の形が似ていたなどその特徴の相似性から誤解が生まれました。トドマツについても、中国で椴と呼ばれたのはシナノキ科の樹だったそうですが、互いに共通するのはそのいずれもが紙の原料になったという事。トドマツも製紙用パルプの原料として使われています。段という漢字には叩くという意味もあるそうなので、叩きのばして紙にするという意味で考えると広義ではいずれも椴の樹とも言えます。 |
| ところで、北海道の人工林としては最大の蓄積量を誇る豊富な資源でありばがら、梱包材やパレット、製紙原料と決して付加価値が高いとは言えない用途が主流となっているトドマツに対して、新たな出口戦略を探ろうという動きもあるようです。やはりどこにも同じような感覚のひとはいるものです。しかしスケールは桁違い!トドマツに目をつけたのは、町の面積の9割を森林が占め、環境に配慮した持続可能な循環型森林経営を実践する「北海道下川町」。そこに民間企業最大の社有林を保有する王子ホールディングス。野縁などの小割の羽柄下地材などにしか利用されていなかったトドマツを構造材や化粧材にも使って家を建てようという試み。その挑戦が本になっていたので早速買って読んでみたいと思います。「トドマツで、建てる」 ~林業と建築をつなぐ「やわらかな木造オフィス」~ 発行:トドマツ建築プロジェクト(NPO法人team Timberize・北海道下川町) |
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そうやって地元の貴重な森林資源に新たな価値を見出そうとする動きもある一方で、北海道ではトドマツの丸太を韓国や中国へ輸出する試みもされているようです。愛媛でも同様に地元のヒノキが原木で輸出されていますし、これはこの数年の全国的な動きです。お上の高邁かつ壮大な理念など、弱小零細材木屋には知る由もありませんが、わずかな端材にも手を加え物語を盛って宝に変えて直接届けたいなんて思っている絵空事を本気でやろうとしている馬鹿な材木屋には雲を掴むような話で、その出口は私にはあまりに遠い・・・。 |
| 現在では青森のトドマツは、同じマツ科モミ属で日本特産の『オオシラビソ』だと分類されていて、青森市の市木にも指定されています。いろいろ木の名前の由来に関する本を読んでも、北海道という土地に馴染みがないうえに言葉や文化も独特で、なかなか理解の及ばないところもあるのですが、平成の現在こうして北海道産の木が簡単に愛媛にまで届くようになってくると、後世のひとがモノのルーツを探る旅は相当に難しいものになるのではと余計な心配をしたくなるようなトドマツの名前の由来でした。 |
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ちなみにですが、オオシラビソ(大白檜曽、別名:アオモリトドマツ、学名:Abies mariesii)の松ぼっくりは作り物かと見まがうほど紫は色でビックリ!冬になると幻想的な風景を作り出す樹氷を作る樹として有名です。写真は岩手の八幡平の樹氷。日本人はなんでも『三大』を名乗りたがるのが大好きで、この樹氷にも『日本三大樹氷』というのがあって、それは山形県と宮城県にまたがる蔵王山、青森県の八甲田山、秋田県の森吉山(もりよしざん)がそれ。樹氷の別名は「アイスモンスター」! |
| 何の木でもアイスモンスターが生まれるわけではなくて、気温がマイナス5℃以下にならなければならない、強い北西の風が吹く、ほどほどの雪が降る(降りすぎない)、山の斜面が西か北西向きなどいろいろな気象条件が揃わなければ出来ないのだそうですが、中でももっとも大切なのがオオシラビソが自生していること。トドマツから話が広がりましたが、いずれ【森のかけら】よりもっと大きなサイズのトドマツを扱ってみたいと思っています。思わぬ用途が見つかるかも?! |

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明治時代末期の北海道を舞台にした人気のサバイバル漫画、野田サトル著『ゴールデンカムイ』は、元陸軍兵とアイヌの民が金塊を探す旅に出る物語ですが、その中ではアイヌの暮らしぶりや文化、言葉などが出てきて非常に興味深く読んでいます。その中でトドマツの描写があるのですが、アイヌの少女がトドマツの葉先の事を「フプチャ=トドマツ」と呼んでいました。アイヌ語辞典によると、トドマツの事は「フプ(fup)=茎」と呼ばれるそうなので、フプ+チャで「トドマツの葉先」の意味なのでしょうか。北海道の樹木にはアイヌの言葉が語源となっているものが多いので、いろいろ調べているのですが、独学で識るにはあまりに難しすぎる! |