森のかけら | 大五木材


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悪魔の爪* 

掌にそげらが刺さると痛い木のベスト3は何?なんていう話題で盛り上がるというのは、掌に切り傷や擦り傷だらけの材木屋のあるあるネタだと思います。何がもっとも痛いかというのは個人差があるのと、専門的な樹種を扱っているところだと頻度の問題でどうしてもそういう木になるもので、これこそ一番!(決して名誉な事ではありませんが)というのは決められないと思います。私の感覚ではアイアンウッドのような硬質な材のそげらは柔らかい皮膚の奥まで突き刺さるので半端なく痛いのですが、それゆえに注意して取り扱っています。

今までの数々の痛い経験から、気をつけるようになったので、最近は硬い木であまり酷い怪我をしたことはないのですが、むしろそういう意味で怖いのは油断していて不意をつかれたとき。例えばスギ。乾燥してしまえばかなり軽量で、住宅の下地から造作まで非常に汎用性の高い素材で、毎日触っていると言ってもいいほど、何かしらの形でスギには触れています。それゆえについ油断してしまうのです。しかもそれは、人工乾燥なり天然乾燥によってよく乾いたスギほど危険が潜んでいます。先日、カラカラに乾いたスギの板を加工していた時の事。

弊社の加工機は旧式なので、片方から材を送り込むと加工して自動で戻ってくるようなオートリターン機能などがついておりません。材を加工機の突っ込む人と受け取り送り戻す人の2人組で作業をします。その日は私が材を受け取る側で作業をしていました。何十枚ものスギの板をずっと削っていると注意も散漫になっていて、手元をよく見てなかってんでしょう。ザクッ!そげらとは違う別の感覚の激しい痛みに思わず手を払いました。色白の私の掌に赤い小さな穴。そこから滴る赤い血・・・何かが突き刺ささりました。

スギに限ったことではありませんが、乾燥すると粘りの無い節が加工などの衝撃によってポコンと抜け落ちてしまうことがよくあります。いわゆる抜け節、欠け節というやつです。これが材の変面部分で起こった場合はよく分るので、補修等もしやすいのですが、問題は材の端とか角で起きた場合。ちょうど角のところが鋭利な鳥のクチバシのような形状になるのですが、これが材の側面だと気づきにくいのでつい油断してしまうのです。私はこれを『悪魔の爪』と名付けていて、大きな怪我をしないための注意喚起だと思うようにしてます。

というもっともらしいことを言って自分のおっちょこちょいぶりを誤魔化しているだけなのですが(笑)。しかしこの『悪魔の爪』はやっかいもので、結束しようとするときも紐がここに引っかかったり、養生のビニールが裂けたりと、文字通り悪魔のごとき所業!補修しようにもここまで節そのものが欠落してしまうと補修も結構大変。下地でその必要もないとなるとそのままにしておくのでついさっきの事なのにまたその存在を忘れてまた「悪魔の爪」の餌食に!これも物言わぬ木のささやかな抵抗。木だって削られたら痛いもんね。

 




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