森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

20111125 1明後日の11月27日土曜日に、伊予市の生涯学習センター「さざなみ館・第一研修室」にて、弊社主催の木とふれあうイベントを開催します。タイトルは『わくわくどきどきわいわい木で遊ぼう』。主催欄に大五木材の名前と並んである『木でつながる仲間 円(まる)い森』というのは、家内が木のイベント等を開催する際に使用しているチームネーム。日々、木のおもちゃや『木の玉プール』などをステップワゴンのタイヤが沈むほど満載に積み込んで、県内各地に飛び回っています。私から見ても、よくやっているなあと思いますが、結婚するまで小学校の先生をしていたぐらいですから、子供達と触れ合う事が自分の性(しょう)に合っているんでしょう。『木のファンを増やす』というのが弊社の最大の使命にして大目標ですが、その頂きを目指す道は幾つもあります。1つの会社の中にもいろいろなアプローチがあってもいいんじゃないでしょうか。

 

20111125 2昔のように、身のまわりに当たり前のように木のモノが溢れていた時代ならいざ知らず、マッチの軸木にすら触ったことの無いような昨今の子供達にとって、木のモノは『古くて新しいモノ』ではなく、『新しくて新しいモノ』なんでしょう、きっと。ときどき大五木材と『木でつながる仲間 円(まる)い森』でイベントを併催する事もあるのですが、その際に『木の玉プール』で一心不乱に戯れる子供達の姿を見ると、私にでは出来ない『木のファン増大作戦』のスタイルがある事を強く認識させられます。

 

20111125 327日のイベントでは、「童具館」の和久洋三先生をお招きしての講演会もあります。当日はその他にも体験型のいろいろなイベントが企画されています。タイムスケジュールは以下の通りです。

■…13:00〜14:15「まちづくり」
親子での参加(3歳まで)定員:25組 参加費:1組1000円
■14:30〜15:50「円筒ドームづくり」
4歳以上、大人の参加OK! 定員:30名 参加費:1人1000円
申し訳ありません、有料イベントは既に満員御礼です!
おもちゃ病院ドクター伊藤先生による「トントンギコギコ広場」
(何かをつくる、キットでおもちゃ作り、お絵か木) 
木のおもちゃ広場と森の絵本広場
(木の球プール、童具、その他いろいろ)
映画「トントンギコギコ図工の時間」DVD上映

 

20111125 4毎日木に囲まれている生活をしていると、そこに木がある事が空気のように当然の存在となっていまい、知らず知らずありがたみが薄れている事があります。よく市場で競りの時に、材の上に土足で上がって競りの様子を覗き込む人がいます。たとえ自分が競り落とした商品といえども、その上に土足で上がるというのはあまりに不遜・・・木が泣いております。時々は、子供が木と接する純粋な反応を見て、感覚のバランスを取っておかないと何が大切な事なのか勘違いしてしまうのかもしれません。




国産以外の木でもっとも好きな木は?という質問をよく受けます。若い頃は、映画『ローマの休日』のアン王女のように、「いずれの木材も素晴らしく比べようがありません。」などと優等生の返事をしていた事もありましたが、かの時に言ひそびれたる大切の言葉は今こそ言えます。『ゼブラウッド』とブラック・ウォールナット』であると。それでもまだ1つに絞り込めないのが往生際の悪さ・・・。このまったく違う魅力を持つ2つの木は私の中で双璧。どちらか1つの選択はありません。 20111124 1

20111124 2 ただ、その出番には雲天の差があります。弊社手持ちの『ゼブラウッド』の在庫は、長さ4m~5mX幅600~900mmサイズの巨大テーブルが取れる材が20数枚という事で、おいそれと使ってみましょうというモノではないため、世に出ることも稀です。すっかり乾燥も進んでいると思われますが、ゼブラウッドの山にうず高く棲み上がった埃を吹き飛ばすのは1年に1、2度あればいい方です!乾燥が進行しているといっても、その重さは半端ではありません。凄い!使いたいという方は数知れず、なぜなら来店された方に、これみよがしにお見せしているから・・・。こんなの持ってますよ~という自慢半分、残りは世の中にこれほど美しい木もあるという事を知っていただきたいから。そんな挑発に乗せられて、いや美しい杢目に魅せられて、挑んでくる無謀なチャレンジャーが、1年にひとりやふたりはいるという

そうでなければ、【森のかけら】の材料も揃いません。一方、『ブラック・ウォールナットは家具材の中でもっとも高い人気を誇りながらも決して高嶺の花ではありません。テーブルやカウンター、シェルフ、キャビネットなどの家具は勿論の事、フローリングや造作材から小さなクラフト細工まで含めて、ブラック・ウォールナットにまったく触らない日は無いといっても過言ではないぐらい、日々弊社の倉庫の中でこの材が移動しています。今日も今日とて、ブラック・ウォールナットのカウンターが仕上げられています。 20111124 3

20111124 4 濃淡のチョコレート色が織り成すグラデーションこそがブラック・ウォールナットの最大の魅力だと感じています。ゼブラウッドとはまた違った魅力ですが、素材だけで勝負してもまったく飽きが来ないという点において、両者に相通ずるものがあります。どちらの木にも圧倒的な力がありますが、私の中ではそのタイプ両極端。気持ち的には、もっともっとドンドン使っていただきたいブラック・ウォールナットと、そう簡単には使って欲しくないゼブラウッド。身勝手この上ない思惑ですが、いずれにしてもそれなりの『覚悟』を持って使っていただきたいという事に変わりはありません。売らねば商売にならないと分かっていても、わが手から離れる時には激しい寂寥感に襲われます。売りたいような売りたくないような・・・。商売人がそんな事を言っていてはいけないと分かっていても、口からこぼれて出てしまうほどに、その魅力は満ち溢れております!




20111123 1昨晩は、愛媛木材青年協議会の11月例会が開催されました。愛媛県農林水産局林業政策課の課長三好誠治さんをお招きして久し振りの講師例会でした。先日、東京において中村県知事による愛媛県産材のトップセールスも行われましたが、それも踏まえて、三好課長の講義と『国、県の林業政策、及び愛媛県産材製品市場開拓等、取り組みについての意見交換会』です。また、この例会は愛媛県中小企業団体中央会からのご支援も受けて開催されました。行政との距離も随分縮まったように感じられます。

 

20111123 2私が愛媛木青協に入会して直後に、最初の例会を担当させていただきましたが、その時に講師例会をしようという事になりました。当時はまだ乾燥機が今のようには普及してはいませんでした。私自身も木材業界の事もよく分かっておりませんでしたが、先輩方の言われるがままに、当時久万高原町の林業試験場勤めだった三好さんに講演のお願いをしました。快くお引き受け下さり、来るべき木材乾燥の時代の到来を緊張しながら拝聴してから時は流れ20年、最後の年のこの巡り合せにご縁を感じます。

 

20111123 3今回の講演では、改めて三好課長から愛媛県産材の現状をお伺いしました。現状を数値化して簡潔にまとめられた分かりやすい資料をいただきました。ヒノキの素材生産量は(原木の事です)全国1位、スギは全国10位、すべての素材生産量は10位。そして、その素材から生産される柱や桁など製品の出荷量は全国7位(いずれも平成22年の統計)という事でした。しかし愛媛県に住んでいる人でも、ヒノキが全国1位という事に違和感を覚えるぐらいに、地元では愛媛が『木の国』であるという認識は薄いと思います。

20111123 4ヒノキの生産量全国1位などの数字は、主に柱や桁などの構造材が支えています。愛媛県の森林の特徴でもあるのですが、そういう製品を作る目的でさまざまな伐採システムや大型製材工場が整備されています。そこから生み出される製品は、最終的には壁や天井の中に隠れてしまう物が多く、愛媛県産材が化粧材として「目に見える部分」に使われる事が少ないという事も、県民の『木の国』であるという認識が低い理由なのかも知れません。それでも、『愛媛の真面目な木材』に変りはありません。

 

20111123 5意見交換会では会員からも、化粧に使う造作材(鴨居や敷居、枠材などなど)への取り組みへの質問がありましたが、やはり最終的に見えるモノは分かりやすく、その印象も訴求力も強いと思います。愛媛県としても、数年後には年間650,000m3の県産材の利用拡大を目指しているという事でしたが、裾野の広い木材産業には様々なジャンルの多様な『森の出口』があります。その日集った会員のうち、県産材の生産に関わっている企業は数社で、愛媛木青協全体でも外材のウェートの方が高いかもしれません。造作材や広葉樹の利活用も検討されているというお話もありましたが、今後の愛媛県産材をリードしていくのは、非化粧の土台や柱材が中心となると思います。私自身は『小さな森の出口探し屋』ですが、こうして数が揃うマンパワーの中にいると、数は力なりの論理に浸ってしまいそうになります。規模の大小に関わらず、我ら皆愛媛産の真面目な材木人です




セコイア』の名を冠する木は2つあると言いましたが、その1つが『カリフォルニア・レッドウッド』。その巨体同様たくさんの別名があります。学名は『Sequoia sempervirens(セコイア・センペルビレンス)』で、他にも『センペルセコイア』とか『セコイアメスギ(雌杉』などなど。もうひとつのセコイアが、『ジャイアント・レッドウッド』。学名は『Sequoiadendron(セコイア・デンドロン)』。こちらの別名は『ジャイアントセコイア』とか『マンモスツリー』、『セコイアオスギ(雄杉』。

ジャイアントの名が冠されているものの、世界一高いのはメスギ(最高124m)で、世界一巨大なのがこちらのオスギ(最大推定重量1200トン、樹齢2700年)。日本でこの木を表わす時には、幕末から明治期に活躍した植物学者・田中芳男氏が命名した『世界翁』という漢字が使われますが、そのイマジネーションには感動すら覚えます。それ風に書くならば、『セコイアメスギ』は『世界翁雌杉』、『セコイアオスギ』は『世界翁雄杉』。まさにその実像を端的に現わした命名だと思います。ちなみにオスとメスとの差は、見た目の樹形の雰囲気だと言われています。

さて、そのいずれにも該当する『セコイア』とは何か?それは、この地の先住民族であるチェロキー族の酋長の孫にあたり、チェロキー族の文化を記録するためのチェロキー族文字を発明した指導者・セクオヤの英語読みだという事です。彼ら先住民は、この巨大な木を崇拝し、立ち木を傷つける事は決してなく、落雷したセコイアの木の幹を火で焼いたり、石斧などで加工して使ったそうです。この不思議な名前『セコイア』には、巨木への深い畏敬の念が込められているのです。

中でも世界一高いセコイアには、その個体に名前が付けられてその名を、Hyperion Tree(ハイペリオン・ツリー)と言いますが、それはギリシャ神話に登場する神 ・Hyperion(ヒュペリーオーン)に由来しています。その原義は「高みを行く者」。まさに知性を持った猿・シーザーは、世界最大の巨樹セコイアの梢に立って、太古の生命力のパワーを浴びて覚醒し、本当に「高みを行く者」になったように見えました。

実際に先住民達も、この木をヒーリングに用いてきたそうですから。彼らはこの木の若葉を温めた湿布で痛み止めとしたり、樹液を強壮剤として水と一緒に飲んだり、樹皮の内皮を煎じて黄疸の治療や血液の浄化などにも使ったと伝えられています。彼らチェロキー族は残念ながら絶滅してしまいましたが、現代にまで継承される語り部には、この巨樹を「バランスを取って成長する平和な巨人」と称しています。シーザーはじめ覚醒した猿達は、セコイアのナチュラル・ヒーリングの力を求めこの森を目指しました。最近のハリウッド映画大作では、全てを解明し結論づける魔法のキーワードは「圧倒的軍事力」や「勝利や名誉」から「森」や「自然」に変りつつあるようです。シーザーたちの世界の未来では、この星は真の『緑の惑星』となったのでしょうか・・・。セコイアにとって幸せな環境は、どちらの未来だったのか・・・。いろいろと考えられる映画でした。




20111121 1この世に続編を作ってはいけない映画というものがあるとしたら、『猿の惑星』こそがそういう作品であったはずなのですが、その禁はあっさりと2年後に破られる事になります。それから続々とシリーズ化されました。この『新・猿の惑星』は第三作にあたるのですが、『新』と『続』ではどちらが先に使う使うべき言葉なのかと悩んだりもしました。その場面設定の奇抜さとシュール感で大ヒットし、その勢いで作られた作品群以外にもう二度と映画化されることは無いと思っていました。同じスタッフ達の手による続編とリメイクとは似て非なるもの。その意味合いはまったく異なります。しかし、シリーズ最後となるの文字通り『最後の猿の惑星』から28年後、ティム・バートンは神話に手を加えてしまうのです。それを悪夢と呼ぶ映画ファンもいますが、続編というより新解釈というリメイクをなぜ作る必要があったのか・・・正直疑問に思いました。

 

20111121 2そしてそれからさらに10年。再び『猿の惑星』が世に問われる時が来ました。サブタイトルには『創世記』の言葉が。そう、何故地球が猿の惑星になってしまったかを紐解く前章という設定。そもそも第一作から続編の設定があったわけではないので、続編になればなるほどその設定は複雑で自己矛盾を帯びたものになっていきます。タイムトラベルを舞台とする映画の宿命なのですが、つながりや解釈に追われて行く事になります。さて、その創生記やいかに!?まだ公開されて日も浅いので未見の方も多いでしょうから、いつものように核心には触れませんが、神話の前章としては相当に時代考証、神話の舞台考証に神経を使っていたのではないでしょうか。何よりも、『猿の惑星』のオリジナルに対するリスペクト感が映像から滲み出ていたように感じられました。それはただ単にディティールにオリジナルのオマージュを配置したという事だけでなく。

 

20111121 3原作のフランス人ピエール・ブールの小説は、兵役経験のある彼がインドシナで日本軍の捕虜となった屈辱の経験をベースにしているというのは有名な話で、立場が逆転する恐怖が傑作小説を生んだのです。しかし日本人としては「猿」に揶揄されて複雑な心境です。小柄で手先の器用な黄色人は、理解不能のモンキーに映ったのでしょう。理解が出来ないモノに「ノン!」というのは簡単ですが、それでは人間の幅が広がらないという事。仕事にも合相通ずるものがあります。

 

20111121 4さて、この『創世記』では、ひとつの木が重要な役割を持って登場します。映画の舞台はサンフランシスコですが、高度の知性を持った子ザル・シーザーの育ての親であるロッドマン(ジェイムズ・フランコ)と恋人は、成長し家の中ではその体力を持て余すようになったたシーザーを森に連れて行きます。そこには、世界最大の巨木『セコイア』が天に届けとばかり一直線に聳(そび)えています。その巨躯を見た瞬間、シーザーの本能は覚醒され、一気に巨木の梢まで駆け登ります。

 

20111121 5映画では詳しい説明はありませんでしたが(参考資料にパンフレットを買おうか迷ったのですが、最近のパンフレットは異常に内容がお粗末なので、迷いに迷って諦めてしまいました)、舞台がサンフランシスコと言う事でしたので、梢からゴールデン・ゲート・ブリッジが望めるという設定から、『コーストレッドウッド沿岸レッドウッド)』の別名を持つ『カリフォルニア・レッドウッド』と判断しました。この木のもうひとつの呼称(こちらの方がメジャーですが)である『セコイア』の名を持つ木は、2つ存在します。更に明日へ・・・




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2011年11月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  
Scroll Up