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本日、えひめ若者サポートステーション(以下サポステ)の『こちら夢仕事案内人』という講座でお話をさせていただきました。サポステというのは、働くことや自立、人間関係などについて悩みを抱える若者を応援する組織で、厚生労働省認定事業・愛媛県委託事業としてイヨテツケーターサービス(株)さんが運営されています。いろいろな専門機関・専門員と連携して、個別相談やセミナー、ジョブトレーニングをはじめとした各種プログラムを精力的に行われています。
このご縁をいただいたのは、大学のサークルの先輩である當川秀明さん。私が大学1回生の時に當川さんは4回生で、実質的なサークル内での交わりは決して多くはありませんでした。所属していたのが文化系でありながら体育会系のノリで溢れた映画研究部で個性的な面々が揃っていましたが、その中にあって當川さんはいつももの静かで温厚でしたが、実はロック系のバンドもされていて自費でレコードまで制作されて確か私も購入させていただいた記憶があります。
その後、卒業されてからはほとんどお会いする機会もなかったのですが、ご縁というのは不思議なものです。當川さんがイヨテツケーターサービス(株)さんにお勤めだった事から、いろいろな人を介在してこの数年前から頻繁にお会いするようになりました。當川さんは先輩風を吹かすどころか、社会人同士として実に紳士的な対応をしていただきこちらが恐縮するばかりですが、こうして大学時代の先輩と共にお仕事をさせていただけるというのはありがたいことです。
この講座は、仕事をしている方から直接体験談や話を聞こうというもので、毎月実施されていて、たまたま前月が、いよココロザシ大学でもお世話になっている学長の泉谷昇さんでした。他にも藤山健さんや舛形浩人さんなどお知り合いの方々も多数講師を務められていました。こういうお誘いって本業には無縁ではなく、こういう関係性の中から自らの仕事の立ち位置を改めて認識するきっかけにもなりますし、まだ種の無い畑に種を撒いてこそのファンづくり。と思っていたら、
受講された生徒さんの中に、「森のかけら知ってます」なんて人が!他にもホームページ見てます!講師や内容を読んでから興味ある講座に参加されているので、そういう反応が出やすい環境ではあるものの、そうはいっても本当に嬉しくありがたいものです。今はまだ人間関係が苦手だとか働くきっかけが見つけにくいかもしれませんが、厳しい環境で育つ木にこそ、味わいある杢や表情が生まれてくるもの。挫折や紆余曲折を自らの糧として個性的で逞しい幹に育って下さい。
昨日の続きで、サンプルの本体が無くなってサンプルが用をなさなくなるという話です。存在意義を失ったサンプルの末路は悲しいものです・・・もはやそこに存在すること自体が罪でもあるかのような冷たい視線を浴び、最後は焼却炉の灰となる、塵となる。そんな非情な現実に耐えられなくなって考案したのが、様々な種類のカットサンプルから円形に切り出して磨いた「円(まる)い森」という商品でした。コースター?いえいえ、コースターではなく「円い森」です!
もちろんコースターにも使えますが、わざわざ自ら用途の可能性を狭めるようなネーミングをつける必要はありません。コースターに見える人にはコースターでしょうが、それ以外のものに見える方にはそれが円い森の真の姿です。当初は厚みすら薄くするのがもったいなくて、裏面にある反り止めの溝(バックシール)が無くなるギリギリの厚み(およそ12㎜)で作っていましたが、さすがに素材先行でバランスも悪く使いづらかったので、その後厚みは7㎜まで薄くしました。
カットサンプルと言っても、数10種類のフローリングのそれがあるわけですから、単純な円形のものでも種類が増えるだけで何だか面白いと思ったのは私だけではなかったようで、お陰で焼却炉の灰となってしまうはずだったサンプルたちが随分とその命を救われました。それですっかり気をよくして、シンドラーのリストのような気分で次々とサンプルたちを救ったことで、事務所には世界各地の「かつてのサンプル」たちが溢れ返ることになってしまったのです・・・。
加工して姿かたちを変えて「脱出」させることが目的ではなく、あくまでも次の目標、使命を与えことが目的でしたので、誰の手にも届かず事務所の片隅で眠ってしまったのでは、焼却炉が事務所に変わっただけの事。それはわが本意ではありません。しかし、本来の意味での必要が無くなった樹種を素材とするため、多くの種類を均等に揃えることも難しく、木のテクスチャーを学ぶための素材としては物足りなさ感が出てしまい、思った以上に用途が広がりませんでした。
これに限らず弊社のクラフト商品のコンセプトが、いまそこにある素材を無駄にするのがモッタイナイので、それを余すことなく骨までしゃぶりたいという、骨の髄まで貧乏人根性が染み込んだ発想なものですから、素材の切れ目が縁の切れ目という現実があります。それは材木屋としての視点として変えるつもりはないのですが、どうしても素材供給面での不安もつきまとうので、端材(サンプル)ベースからの脱却もはかり、堂々と本丸から踏み込む商品開発も来年の課題。
年末の大掃除で脳裏に浮かぶのは悲しい思い出・・・このブログでは触れる機会が決して多くはないのですが、弊社の主力商品のひとつに無垢のフローリングがあります。基本的に取り扱っているのは、ソリッド(長さ方向に継手のない1枚ものという意味)、UNI/FJ(ユニ・フィンガージョイント/長さ方向に3〜5枚のピースで繫いであるもの。継手の形状が指を交差したように見えることからこう呼ばれる)の2タイプで、単板を貼った複合フローリングの取り扱いはありません。
私が入社した当時は、売れるものであれば何でも扱うというダボハゼのような何でも屋でなければ、会社の理念の信条もなかった頃なので仕方なかったのですが、今は私が扱いたいものを扱うという超ワガママな信条に基づき、取扱いアイテムを決めています。それによって商売の幅を狭めているという人もいますが、私にとっては自分が納得できないものを扱う方が、商品説明にも力も思いも入らずフラストレーションが溜まってしまい何だか非常に窮屈に感じてしまうのです。
それにもほどほどのバランスは必要だと思うのですが・・・。さて、そのフローリングですが、商取引を決める際に欠かせないのが「カットサンプル」。最近では、施主さん自らが弊社まで足を運んでいただき、もうすっかり経年変化で元の色すら分からなくなった実際に施工してある床の見本を見ながら決めて下さるケースや、私に代わって十分に無垢材の特性をしっかりご説明していただけるお得意先が増えたので、以前に比べるとカットサンプルが活躍する場は随分減りました。
それでも、最後の最後の確認等には必用な場面があるので、欠かせない営業ツールではあるのですが、年末になるとその大切なツールにも、時代の変化という荒波が容赦なく押し寄せてくるのです。工場の生産停止、品番変更、仕様変更、取り扱い停止、塗料の変更・・・それは、今あるサンプルたちにとっての厳しい「戦力外通告」!つまりサンプルはあれども肝心の本体はなくなりますよという最後通牒なのです。そうなると、サンプルの意味はなくなってしまうことになります。
先日は大人の部活・三時限目。今回の部会開催地は弊社。1時限目はリネン・コットンなど天然素材アパレルの『Sa-Rah』の帽子千秋さん、2時限目は柑橘類ベースのコスメブランド『yaetoco(ヤエトコ)』の高瀬英明君、そして弊社がいよいよ最後の1社としてプレゼンさせていただく事に。前回、高瀬君がガンダム・プレゼンで部会のハードルを上げた事から必要以上にハードルが上がってしまっていたのですが、だからといって同じ土俵で戦ったので芸がありません。
とりあえず弊社の2階にまで招き入れてさえしまえばこちらのもの!(笑)周囲には『飛び道具』がふんだんに仕込んでありますし、いざとなれば倉庫で100数十種類の木材の実物を見せることもできます。気に囲まれた2階のショールーム(?もはや木のおもちゃ部屋の隅っこに無垢材のサンプルコーナーがある、という感じになっていますが・・・)で勢いで木の魅力を喋り倒してどこまで皆さんを『洗脳』出来るか?!それが私にとっての生命線であり、かけら流プレゼン!
うまく洗脳できたかどうかは別にして、木の面白さと可能性の一端には触れていただけたのではないかと思います。感度の高い皆さんのことですから、私の話などなくとも十分に天然素材・木の魅力は熟知されていらっしゃるのですが、そこは「材木屋としての視点」も知っていただきたいところ。まあそれが普通ではない材木屋の視点ですので、その馬鹿らしさ、マニアっぷりを理解していただいておかないと、途中で「この人どいうい人?」ってことになりかないので、ここ大切です。
これから2年間共に活動していく仲間のものづくりの考え方や商品開発のコンセプトなどを互いに認識しておかないと、ただでさえ個性の強い3人ですから学級崩壊してしまいかねません。ありがたいことに、この3人は感性が似通っていたようでこれからうまくやっていけそうです。それも、この3人を選んでいただいた導き役の藤田雅彦さん(愛媛県産業技術研究所技術開発部主任研究員)のお陰です。どういう職種の人かということも大切ですが、どういう考え方の人なのかということは更に重要。
ある材木関係の方がいらした時の話の続き・・・その特殊なアフリカの木は、その人の好奇心と遊び心で日本にやって来ました。日本からそういうオーダーがあったわけではなかったのですが、景気の良かった時代はそういう遊び心で「来日」する木も沢山ありました。そういう木こそが私の狙い目!今もそういう一般的でない木を少量でいいからコンテナの隅っこに混載して欲しいというお願いはしているものの、景気が悪いと「売れるもの優先」となりなかなか願い叶わず。
絶対買うからと言えば送ってもくれるでしょうが、木材は「生もの」ですので、こればかりは実際に見てみないととんでもないことになりかねません。またボリュームの問題もあって、あまり少量だと相手にもしてもらえませんが、こちらにも潤沢な資金などあるはずもなくお大尽のような豪快な買いっぷりも出来ません。沢山ある種類の中からそれぞれに少しずつ尻尾のあたりをちょこっとつまませていただくのが、かけら屋としての「王道」いや理想なのですが・・・。
まだ遊び心のあった時代に、商社マンの遊び心で入ってきたあるアフリカの木が、名古屋に入港して、そこから全国に散らばり、そのうちの幾つかが私の手元にやって来ました。当然愛媛での知名度はなく、マニアックな方に細々とお売りしていたのですが、その時の一部を加工して【森のかけら】にも加えておりました。その木もほとんど底をついてきて、将来的な不安を抱えていたのですが、実はその木こそが、弊社に来社された木材屋さんがかつて遊び心で輸入した木!
なぜそこまで厳密に特定出来るかというと、ご本人がアフリカの地でその木の検品に携わられたから。地元の人間にすべて任せてしまうと、とんでもないコンディション(割れや反り、虫食いや青染みなど日本人は世界で一番材質にうるさい、いや敏感なので)のものまで入れてしまうので、日本人が立ち会って検品するのです。当時その木を扱っていたのはその商社、その人だけだったので、弊社での「再会」が十数年ぶりの邂逅となったのです!そんな事ってあるんですね〜!
私もその話を聞いた時は、十数年(実際にその木を仕入れたのは1900年代)の時間とアフリカから愛媛という距離を飛び越えた一大スペクタル浪漫に鳥肌が立ったものです。そういう風に1つに木にも壮大なドラマ(?)がつきもので、改めて木のご縁の不思議を感じるとともに、業界の狭さも実感しました。もはや特殊な木の源流を辿っていけば辿りつく人の顔が浮かんできます。いかん、いかんそれではいかん!新たな出会いを求めてまた動き出さねば!今こそアフリカ浪漫!!
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