森のかけら | 大五木材


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20140529 1少し時間軸がずれますが、今年も小野中学校のキャリア教育「職業科」推進事業の「木の授業」でお声を掛けていただき、木の話をさせていただきました。今年で6年目の出張授業。子供たちはいろいろな職業の中から自分で好きなジャンルを選択し、1年かけて講師の『仕事の達人』から学びと実践を教えてもらうのです。木工の場合は、いつもウッドワークスかずとよ池内一豊君とスタジオモック谷公彦さんが実技指導。私が途中1講座だけ木の話をするプログラム。

 

 

20140529 4木工の授業については6年間ずっとこの流れでやらせいただきました。今年も、先行して池内君と谷さんから工具の使い方などの習った後で、私が【森のかけら】などを使って木の話をするのですが、体操服に着替えて作業する気満々の彼らにとって、2時間ずっと「聴くだけの授業」は退屈ではないだろうかと思い、なるべく実物の木を触らせたり、木の名前をクイズ形式で答えさせるようにはしているものの、そろそろこのやり方の路線変更の必要性も感じています。

 

 

20140529 2受講する子供たちは中学2年で、毎年入れ替わっているのですが、実際に「ものを作るモノづくり」体験ではなく、「モノ語りを聴く」体験なので、ある程度聞く側に興味がないと2時間は苦痛に感じるのではと案じてしまいます。小野中学校では、どれぐらいの頻度で入れ替わっているのか分かりませんが、正門のところに格言が大きく掲げられていて、授業に来るときいつも目に留まります。その日掲げられていたのは、「才能とは自分自身を自分の力を信じる事だ」。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE自分を信じて、何事にも迷わず屈せず信念を貫き通す力が、他者が「才能」と評価するだけの事なのかもしれません。授業に向かう道中、そろそろ路線変更の迷いもあったものの、この言葉を見て、やはり原点に戻り従来のやり方に徹しました。しかし今後の事も考えると、進行中の『今日のかけら』の速度を上げて、新しいネタを仕込んでおかねば語る己の口が寂しい・・・。いつもそいやって帰り道は強い反省タイムとなるのですが・・・中年(脳)老いやすく学成り難し・・・。

 

 




先日、四国では柏餅を包むのに「カシワ」ではなく「サルトリイバラ」を使っている事をアップしましたが、本日はそのサルトリイバラについての話。日本では古来から『食物を包む素材』として植物の葉が使われてきたのは周知の事実。身近な里山で簡単にかつただで手に入ったということ、使いやすく処分も容易、木の根や幹に含まれていて葉から放出されるフィトンチットの効果で殺菌作用や消毒作用があることから衛生的であることなどが主な理由に挙げられます。

葉を使った伝統的な料理としては、朴葉味噌柿の葉寿司、桜餅などがありますが、柏餅もその1つ。その柏餅は、文字通りカシワの葉で包むのが元祖で、カシワの葉が少ない西日本ではその代替としてサルトリイバラの葉が使われてきたのだとばかり思っていましたが、実はこれ大きなが勘違い!本当は、西日本一帯で容易に入手できるサルトリイバラの葉が使われていたのだが、関東では入手しにくいのでカシワの葉で代用するようになったのが真相らしいのです

前回、葉が枯れてもほとんど落葉せずに新芽が出る春先まで残ることから、『葉森(はもり)の神さまの宿る木』として庭に植えられると書きましたが、その様を上司に対する忠誠心や縁起の良さとオーバーラップさせ、カシワの葉で餅を包もうと喧伝したのが始まりで、それが武士の世界で受け入れられ、今ではそれがすっかり広まり「柏餅=カシワの葉」というイメージが全国に広まったというのです。これも商品の背景を深読みするのが好きな日本人らしい話でしょうか。

朴葉味噌の『ホオ』の項でも以前に書きましたが、『古来より、食物を盛るための器として使われた大ぶりの葉の事を総称して、カシキハ(炊葉)と呼んでいたようで、これが転じてカシハになったのだとか。つまり、古来カシハを名乗る植物の大部分が、その葉で食物を盛るのに用いられたのではないかという説』 があるように、カシワやサルトリイバラに限らずたとえどの木の葉で餅をくるんだとしても、歴史的にはそれを柏餅と呼んで間違いではないのだそうです

最後に、愛媛ではほとんど見ることの出来ないカシワですが、古い愛煙家には馴染みのある方も多いかもしれません。北海道美瑛町にあるこのカシワの木が、昭和51年にセブンスターのパッケージに使われたことから『セブンスターの木』として観光名所にもなっています。以前北海道の旭川に木を見に行った時に是非行って見たいと思っていましたが、北海道の広さをなめていてとても時間が足りず断念した過去があります。いずれ是非訪れてみたい場所の1つです。




今日のかけら・#029【柏/カシワ】ブナ科コナラ属・広葉樹・北海道産

弊社で発行している通信誌『適材適所』で、5月になったら必ず書こうと思い温め続けておきながら結局未だに書けていない5月にまつわる木のネタがこの『カシワ(柏)』です。そう、柏餅を包む葉として日本人なら知らない人はいないカシワですが、実は以外と思われるかもしれませんが、「カシワは、四国では数か所で自生もしくは自生状態のものが報告されている」程度で、カシワの葉どころかそのカシワそのものの木を目にすることすらもほとんどないのです。

じゃあ、柏餅の葉っぱはどうしているのかというと、愛媛においては定番のカシワではなくて『サルトリイバラ』の葉を使っているのです。子供の頃は、中身の方が大事で、葉っぱになど目もくれませんでした(昔は、葉にも木にもほとんど関心の無い子どもでしたので・・・)が、いつ頃からかなんで自分が口にする柏餅とTVなどに出てくる柏餅の印象と違うのか不思議に思っていました。それが愛媛だけの習慣なのかカシワ貧困地域の定番なのかについては 後日改めて。

森のかけら】のカシワについては北海道から分けていただいていおるのですが、わが愛媛ではあまり自生してない事を知ってちょっとがっかりしてしまい、『適材適所』で5月の代表樹として取り上げる気持ちも減退していたのですが、少し前に実家に帰った時に山林を歩いていたら、この葉っぱを偶然見つけたのですが、これって『カシワ』では?!とドキドキしてよく観察してみると、足元に見たことのあるどんぐりの残骸が・・・。そう『コナラ』の葉っぱでした。

日本に自生するナラ類には、ミズナラコナラ、ナラガシワそしてカシワなどがありますが、用材で流通しているのはほとんどがミズナラで、それ以外のナラ類についても樹種ごとに詳しく区別せずに『ナラ』として取り扱われるので、市場などで『カシワ』の材を特定して買うのは難しいのではないかと思うのですが、カシワが多い地域などでは選別しているのかもしれません。全国各地のいろいろな知り合いに聞いてみたのですが、今までご縁がありませんでした。

【森のかけら】サイズ程度の大きさとボリュームであれば、伐採段階で仕分けしていただけるのですが、家具などに使えるような大きなものになるとなかなか難しいようです。カシワの葉っぱは、葉が枯れてもほとんど落葉せずに新芽が出る春先まで残ることから、『葉森(はもり)の神さまの宿る木』として庭などに植栽されることも多いそうで、柏餅に始まりエピソードも多彩なのですが、大きなサイズの実物が入手出来たら、改めて詳しく解説させていただきます。




20140518 1先日、弊社の創業40周年の事をアップしましたが、私の周辺には4代目、5代目とか創業100年を超える企業の友人も多く、弊社の40年などまだまだよちよち歩きなのです。その中でも愛媛の木材業界の老舗中の老舗である、盟友・井部健太郎君の久万造林㈱創業100周年記念 の祝賀会があり私も参加させていただきました。祝賀会は、愛媛木材青年協議会主催で、久万造林さんとお付き合いのある方々がおよそ60人も集まるという大盛況で、連綿と100年続く歴史の断面が伺えます。

 

20140518 2久万林業の起源は古く、健太郎君のご先祖様であり初代の久万造林社長である井部栄範さんが明治6年(1873)に久万の地にスギ・ヒノキの苗木を植林したのが始めだとされています。その後、大正3年(1914)に「久万造林株式会社」が設立され、現在は390町歩もの所有林を持つ、愛媛でも指折りの林業会社となっています。栄範さんは和歌山市生まれですが、年少の頃に仏門に入られ、明治の初年に師事した師が久万の住職となられる際に、師と共にこの地に移って来られました。

 

20140518 3当時の村に150の世帯があったらしいのですが、1ヶ月に一軒の家で200本の苗を植えれば、1年間で3万本、10年すれば30万本の木が植林でき、それによってそれぞれの家庭で財産形成が出来るとの思いで、植林を奨励しました。栄範さんに先見の明があったのは、貧困に苦しむ地方を支える根幹に大規模林業を置いた事。そこには、それこそ50年先、100年先の地方産業の姿を見ていたことでしょう現在の久万の立派なスギ・ヒノキは、当時の村を挙げての植樹活動が礎となっているのです。

 

20140518 4ただ木を植えただけでなく、その売り先までもしっかりと視野に入れていました。植林に成功したスギ・ヒノキの販路を拡大するために、久万から松山までの道路開拓が急務との考えから、自ら県会議員に立候補し当選後、道路建設に東奔西走。その結果、現在の国道33号線が開通し、久万林業は飛躍的な発展を遂げることになるのです。そういった背景を知っているからこそ、これだけ多くの木材関連企業が集まったわけで、いわば久万の林業は愛媛の林業が戦後から歩んできた縮図なのです。

 

 

20140518 5多くの井部家の人間が携わってきた歴史の100年目に当主を務めることになった健太郎君は、ご先祖たちの意思を受け継ぎながらも、自社の広大な山林のデータベース化や林業の観光化など林業に対する新しいアプローチに取り組んでいます。閉鎖した自社工場を改造して近いうちにカフェもオープンさせる予定で、従来の『山持ち林家』のイメージを大きく変えようとしています。栄範さんのDNAを受け継ぐ健太郎君だからこそ、これから先の100年の林業の事を誰よりも強く考えていることでしょう。




Exif_JPEG_PICTURE昨年は雨の心配もあったものの、8年目となる今年は天気にも恵まれて無事に開催された『第8回ほりえ港あおぞら市』。今年は同じ日に家内が別の場所でのイベントに出展していて、弊社は私一人での出展。こういうイベントでは子供たちに鉄板の人気を誇る『木の玉プール』は健在ですが、木のおもちゃについては私自身が取り扱いや説明に不安があるため少量のみの出展。子供でも購入しやすい廉価な『森のしるし』や『夢のかけら』などを中心に商品をセレクト。

 

 

Exif_JPEG_PICTUREあくまでも堀江町の活性化と地域企業としての恩返しというのがテーマですので、いかに売り上げを確保するかというよりもいかに楽しんでもらえるかというコンセプトで企画しております。その考えに同調していただく企業や団体も少しずつ増えてきてイベントそのものも地域にすっかり定着して年々賑やかになってきています。これは年に1回のイベントで、あくまでも地域の異業種交流と連携が目的ですが、定期的に見える目標があるという事で方向性が定まります。

 

 

20140417 5昨年はマリンボートとの併催となったこともあって、階上から見下ろした光景は昨年に比べて少し寂しく感じられましたが、これも会場が目一杯使えることになったので、テントが点在する形になって人影が少なく見えるだけで、これでもテントは17張り建てられていて、タオルの詰め込み狙いのお客さんが集中した開会直後は会場内に人が溢れていました。正確に来場者のカウントはしていないものの、販売用の袋などの推計から1,500〜2,000人は来られた模様。

 

 

Exif_JPEG_PICTUREブルーマーブルの藤山さんは今年も出展していただき、美味しい珈琲で煎れていただきましたが、昨年久万高原町の野菜や木工品を販売してもらった久万郷さんは、今回は都合がつかず参加していただけませんでした。藤山さんも仰っていましたが、この数年でさまざまなイベントが急増していて、開催日時が週末に集中する事から人が分散傾向にあるだけでなく、主催者が熱望する出展企業も日程がダブる事が多く、今や出展企業を集めるだけでもひと苦労となりつつあるようです。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE年に一度の地域貢献のイベントとして、地元の小さな子供たちもそれなりに楽しみを定めて沢山集まってくれるようになりました。それも『堀江地区まちづくりコミュニティ会議』さんや松山福祉園さんなどの献身的なご協力あってこそ。会場のテントなどをお借りする小学校にもささやかながら売り上げの一部を寄付させていただいております。ただの祭り騒ぎではなく、地域に根ざす企業集団としてその存在意義を自らも考える契機になるのではと感じています。

 

 

Exif_JPEG_PICTUREこの賑やかなイベントを通じて唯一寂しき感じることは、弊社が堀江町ではなく隣の平田町に籍がある会社なので、胸を張って『地元の企業』とは言い難い事。残念ながら平田町は圧倒的にミカン農家の町で、オレンジ会のように町内で地元の方が創業している企業が少なく(国道沿いに商業店舗は多いもののほとんどが大手チェーン)、更にその中で若手の経営者となるとほとんどいないというのが実情です。私にとっては、逆説的に『地元』のありがたみを思い知らされるイベントなのです。

 

 




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