森のかけら | 大五木材


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けもの道』・・・「山野においてが通るのことを言う。 獣道とも表記する。 大型の哺乳類が日常的に使用している経路のことである。 森林内にヒトが作った林道などがある場合、これをほかの動物が利用することも多い。」考えてみると私の場合、けもの道を歩くきっかけになったのは、【森のかけら】を作り始めた事だと思います。それは大きな意思があってその道を選んだというのではなく、自分が好きなことを、自分の身の丈に合うレベルで出来ることをしたいと考えたら、結果けもの道しかなかったという事。   

それから日々手探りで薄暗いけもの道を進んできたものの、けもの道にはけもの道なりの楽しみもあって私は後悔もしていませんし、今日ここまで会社を継続できたのもそのお陰でもあったと思っています。弊社の場合は、綺麗さっぱり非建築宣言をして形態を変えたとかいうものではありませんが、競争力のない零細企業が隙間を探りながら進んできたら結果、非建築のウェートが増えてきたというものです。なのでこれからも脱建築材をするわけではないものの、増える非建築材、減る建築材という構図になりそうな気配

その流れの中でこうした出会いもあって、FM愛媛さんと一緒に仕事をさせていただくことにもなったわけですから人生万事塞翁が馬。さて、話を『森の久万産(くまさん)ランド』に戻します。エミフルMASAKIは、中四国でスーパーマーケットを展開する㈱フジが誇る巨大ショッピングセンターで、敷地面積 約200,000m²(およそ60,500坪)。オープンした初日は10万人が足を運んだ愛媛でも有数の商業施設です。その中のエミモール1Fにエミフルコートというイベントスペースがあるのですが、そこだけでも100坪

そのスペースをくまさんチームで埋めようということになり大五木材も久々に本気モード!3トントラックに満載の木のモノを持ち込むことに。日曜日だったので長女にも手伝ってもらい、おはなし屋えっちゃんも応援に来てくれました。大きなイベントになればどうしても人手が必要になりますが、昔はその人手も確保できず家内と二人+幼子3人でよくあちこちに出かけたものです。メインには金看板の『木の玉プール』を据えて、周辺にはさまざまな木の玩具を配置。これらはすべて家内の手によるもの。そしてイベント開幕。




昨年の6月に金沢に行った紀行ブログ、遅ればせながら少しずつ更新しています。

もし読んでやろうなんて奇特な方がいましたら、こちらからどうぞ!!👇

北信越大紀行① 2016年6月10日7月22日分まで

北信越大紀行② 2016年8月1日現在8月15日分まで

北信越大紀行③ 2016年10月3日現在10月19日分まで

ようやく完結致しました。

 

上記以外の更新が遅れた過去ブログ 『2016年8月16日分




ひょんな事からトントン拍子に話が進んで、急遽エミフルでイベントを開催することとなった『森のくまさん(久万産)チーム』。メンバーは、FM愛媛久万造林㈱・㈱大五木材の3社。四国外の方には馴染みが薄いかもしれませんが、久万高原町というのは愛媛県中央部に位置する町で面積は県内市町村で最大、その地域の総面積は、58,366haで県土面積の10%を占め、このうち森林面積は43,030ha(森林率90%)で愛媛県の森林面積の12%を占めており、愛媛を代表する、全国でも有数の林業地なのです。

その広大な久万林業の礎を作った人こそが、井部栄範(いべ えいはん)氏。久万造林㈱の現在の代表取締役である井部健太郎君のご先祖であり、栄範氏から数えて5代目にあたります。なのでこの『森のくまさん(久万産)チーム』の実質的な主役なのでありますが、松山に会社のある大五木材がなぜ加わっているのかというと、久万高原町産の木材を取り扱っているということもありますが、ここで扱うのは非建築材なので、林業家だけの視点ではなく、加工したり味付けをする視点という立場で加わらせていただいています。

私の周辺ではこの数年の間に「非建築」という言葉をよく耳にするようになってきました。昔から使われた言葉ではありますが、バルブ景気で建築材全盛の頃は、主流に乗り切れない邪道に対して何か見下したような意味合いで使われることもあった(自意識過剰かもしれませんが)ように思いますが、同業者や行政関係者などが最近口にする「非建築」という言葉の響きからは、現状の建築材に対する焦燥感や新たな木材利用の渇望のような思いが含まれているようにすら感じてしまうのです。随分時代が変わってきました。

今後少子化の問題もあり、住宅産業が右上がり産業になっていくことがないであろうというのは明白な事実ですが、だからといってすべての住宅関連産業が斜陽化するわけではなく、激しい淘汰の中でキッチリ生き残っていかれる企業の沢山あることでしょう。しかしそこは間違いなく血で血を洗うレッドオーシャン!生まれながらに競争の少ない『丙午(ひのえうま)』という出自を持つ私は、そんな恐ろしい競争の中に飛び込むことも出来ずに、主要道を降りてブルーオーシャンたる『けもの道』を歩いていたら、少しだけ道が開けてきた気分。




設計士さん自らが本気でその木に惚れて使っていただく場合、ほとんどトラブルはありません。だって好きになったんだから仕方がない。人間だってなにもかもすべてが好きというわけではないでしょうが、話が合わない部分や気になる点がいくらかあったとしても、はるかに合う接点が多いとか好印象の方が沢山あるから好きってもので、木材だって完璧な素材ではないのです。品質、価格、施工性、意匠性、供給体制等々、すべてが完璧な木材があったとしたら、その産地は禿山になってしまっていることでしょう。   

だからどの部分の長所を生かして、どの部分の短所に目をつぶるかということをトータルで考えていかねばならないと思うのです。まだまだ実績の少ないサーモアッシュですが、ジューサンケンチクセッケイ石村隆司君は、そんな木だからこそ面白いじゃないかと積極的に挑まれます!200℃ほどの超高温で乾燥させるため、端の方が焦げているものもあったりします。パネリングとして壁板などに加工する場合は、そういう部分はカットして使うのですが、アグレッシブな設計士は「そこがたまらない!」ということでカットはご法度。

しっかりと並べる順番も確認していただいた後、指定のサイズにカットして裏から横板を渡してビス止め。あえてプレーナー加工などは致しません。とはいえ、サーモ処理したことでささくれがポキンと折れやすくなっていたりするので、周辺はトリマーで軽く面取り。サーモ処理したことでセルロースが茶褐色に変色しているので、どこまで削っても内部まで同じ色合いというのもサーモウッドの魅力のひとつです。裏板のバランスがおかしく思われるかもしれませんが、理由は次の写真を見ていただければ分かります。

裏板のサイズがずれていたのは施主さん自らが探されてきたドラム缶の上に乗せるためでした。石村君の代名詞ともなりつつあるアメリカンガレージハウスの中に鎮座ますサーモウッドのバーベキューテーブル。その上方には、これまた以前に弊社の倉庫の奥の方から探し出してきた、いい感じに歳を重ねたロマンスグレー・ホワイトセラヤの雄姿が!実際に木を見て使っていただける、木に惚れて使っていただけることの安心感、安堵感。なにより価値を共有できる楽しみや達成感、同世代の男の冒険はエンドレスなのであります




昨日の話の続きですが、外部に使えるちょっと変わった木、というリクエストに応える形で取り扱いを始めたサーモアッシュ。このブログでも何度も取り上げましたが、サーモウッドとは・・・エコロジーな処理による耐久性の向上も目指して2001年に北欧で開発された技術で、水と熱だけを使って高熱乾燥させた木材の事です。サーモ処理させることで、耐久性や防腐性、防虫性は飛躍的に向上!海外ではいろいろな樹種によるサーモ処理が進んでいます。弊社では今までにイエローポプラホワイトアッシュの2種類のサーモウッドを取り扱ってきました。  

海外では実績も多いのですが、とはいえ高温多湿の日本においては経年変化でどのようになっていくのか自分の目で確かめたいところです。えっ、そんな実績も無い木を売っているのか!?と思われるかもしれませんが、新しい素材の場合当然ながら実績はありません。海外でのデータなどで安全性や耐久朽性は証明されているものの、日本での実績が乏しい場合は、正直冒険的な要素も含まれます。そこはこちらの材木屋の経験値と設計士さんや工務店さんとの相談の中で判断していくしかありません。全ての木に完璧なデータなどないのです

弊社もいろいろな形で実験をして自社なりのデータの収集もしています。サンプルを雨風に晒す暴露実験やいろいろな形に加工して強度を調べるなど。しかし実際に施工された状態でなければ分からないことも多々あります。こういう加工の方が水の抜けがいいとか、収縮を抑える施工とか、様々な検証を繰り返し、この地に合った施工方法やら使い方が固まって確立していくのだと思います。お付き合いしている設計士さん、工務店さんの探求心の高さの賜物だと感謝しておりますが、今日も今日とてそんな設計士が・・・

仮り並べされたサーモアッシュを屈みながらカメラに収めようとしているのは、盟友ジューサンケンチクセッケイ石村隆司君。常に新しい素材をアグレッシブに使っていただく、偏屈材木屋にとってはまさに心の友!パープルハートやら特殊サイズのケンパスやら、普通は手を出しにくい素材も見事に調理していただいておりますが、世代が近いこともあって感度が似通っているのかも。それで今回はバーベキューのためのテーブルの天板選び。普通の木などは選びません。どうやらこの質感がお眼鏡にかなったようでございます。




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