森のかけら | 大五木材


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という事で、今のところ木材としてのポプラの販売実績も少なく、たいした知見も無いので、これを契機にポプラの板も集めてみようかと思っています。しかし皮肉なもので、いざ集めようとすると、今まではあれほど市場に転がっていて安値で落札されても気にもかけなかった木のが突然見かけなくなってしまったり、製材や商社に問い合わせてみても入荷の見込みが無いなどと、探せども探せども巡り合えないなんてこともしばしばあります。まあ、木の方からすれば、以前はあれほどこちらが「旦那、買ってくださいよ。いい杢出ますよ~」なんて秋波を送っていたのに・・・


今更会いたいなんて何都合のいいこと言ってんだい!てな感じなんでしょう。こういうのを私は『木に嫌われた』と言っています。木との出会いも一期一会なので、そのときどきで出会える木を大切にしていかねばと、頭では理解しているつもりなんですが・・・。ところで、『ポプラ』を積極的に取り扱わなった理由にはもうひとつ、その在所にあります。これはポプラに限ったことでなくて、【森のかけら】を作る際に自分の中でかなり悩んだところなのです。つまりその木は国産かそうでないか。日本の木と世界の木のどちらのカテゴリーに含めるべきかという事

 

これが公的研究機関が作っている学術的な研究品とかなら非常に重要な問題(いやむしろそうであればそういう区別は意味がないのかも)なのでしょうが、所詮市井の偏屈材木屋が独断と偏見で産み出した商品なので、そこは『自分ルール』でいいのだとは思っています。が、変なとこだけ几帳面で融通の利かないA型ゆえ、気になってしまうのです。原産が東欧(外国)であるが、日本で発芽して成長して材となって木ならば、それは国産材と分類していいのではないか。結局【森のかけら】ではポプラは日本の木のカテゴリーに加えています


同じように悩んだ木としては他にも、『メタセコイア』や『チャンチン』があります。ずらりと並んだ時に感じる違和感は、漢字で表している国産の木の中で目立つカタカナ表記。それでも、ポプラに比べてその2樹種にそれまでの抵抗を感じなかったのは、その2種の立木がたまたま私の近くにあったりして、よく目にしていたため。つまり「立ち木として日本で育ってる姿を自分の目でよく見ている」というのが、私の中では思いっきりカタカナ表記の原産地外国の木だけど、日本のカテゴリーに入れちゃってもOKという免罪符となっているわけです。

ポプラに少なからず感じる抵抗感は、実際に立ち木を見たことが無いという点。つまり最初に書いた「馴染みの無さ」が、私の中でポプラを曖昧な存在にしてしまっているのです。写真のポプラは、『ヨーロッパポプラ』として仕入れたものですが、ヨーロッパから丸太を仕入れて割ったわけではなく、国内で育ったヨーロッパポプラの丸太を製材して板にしたもの。これを「国産の木でテーブルを作りたい」というお客さんに薦めるには、私の中で小さな抵抗を感じてしまうのです。だからもう、ワールドワイドな現代において国産とか外材とか細かいこだわりや小さなくくりはもういいじゃないかと、われらは皆、宇宙船地球号の乗組員なのだから!地球の資源を大切に楽しんで使おうぜ!なんて考えてしまうのです。ちなみのこのヨーロッパポプラは仕上げ加工までしていて、すぐにテーブルの天板に使える特価品です!

 




ポプラが私を疎遠にさせる最大の理由は、今までのポプラに対する馴染みの薄さと、そこからくる生い立ちの煩雑さ。そこまで複雑ではないものの、その立ち木や材を見た経験が、他の木に比べたら圧倒的に少ないことに起因してます。ポプラは、ヤナギ科ヤマナラシ属に分類される落葉高木ですが、その仲間にはおよそ30ほどの種や亜種があります。【森のかけら】の240種の中に加える際にもポプラをどう扱うかについてはかなり悩みました。私がここでいうポプラは、学名Populus nigra. var. italica(ポプルスニグライタリカ)、和名だと『セイヨウハコヤナギ(西洋箱柳)』。

欧州、中央アジアが原産地ということで、別名は『イタリアヤマナラシ』。「ハコヤナギとヤマナラシ?」と既にここで何か違和感を覚えるのですが、更に一般的には『ポプラ(白楊)』と呼ばれることが多い。???愛媛に住む私のイメージだと、ヤナギといえば『シダレヤナギ(枝垂れ柳』なので、そもそもハコヤナギがイメージしづらい。しかもその樹形が似ているとかならともかく、樹形もまったく違います。ポプラといえば北海道大学農学部のポプラ並木のこと、と言われても、初めてその風景を見たときも違和感しか感じませんでした。材としてのポプラ材に出会うのはそれから少し後のこと。

ポプラ独特の瘤杢は、今でこそ私好みの絶好球ですが、初めてそれに出会った頃のまだ若くて純真だった私にとっては、あまりに個性が強すぎて受け止めることが出来ませんでした。世界的にはポプラといえば、北海道大学のポプラ並木を構成する木の事を指すようです。原産地とされるヨーロッパ(現地ではクロヤマナラシの栽培品種ともいわれるそうですが余計にややこしい)から移入された外来のヤマナラシ属の木が、品種改良などを経て日本の環境に馴染んで公園や街路の緑化樹として定着して、それらが一般的に『ポプラ』と呼ばれているのだとか

全国各地で植栽されているので愛媛にも生えているはずなのですが、街路樹のポプラの立ち姿を見た(認識した)記憶が無いので、自分で書いていてもイメージしづらい・・・。テーブルサイズのポプラはいくらか在庫があるので、実例の出口も撮ろうと思えば撮れるのですが、生い立ちについてはまだよく整理できていません。立ち木のポプラに会えた時にでもまた詳しく書きたいと思います。とりあえずは『今日のかけら』として入口だけは開いておこうと思いまして。

 




昨日の話の続きですが、私が乗り気にならない木というのは、面倒くさがりで複雑な話が苦手という私の個人的な感覚だけで、木には何の罪もありません。それについてはただ申し訳ないと思うばかりなのですが、何かのきっかけで急激に興味が湧くようになるかもしれないので、これもご縁。さて、今回取り上げた『ポプラ』という木が、私にとっていまひとつ乗り気になれない、関心薄き木のひとつなのです。ポプラとご縁が少ないというわけではなくて、今までにこのブログにも何度か登場してきました。

しかもブログを読み返してみれば、かなり早い時期に『ルイ・ヴィトン社の鞄の素材ビーバーの好物の木』としてポプラは登場してきています。しかしその際にもそこで『今日のかけら』として取り上げることは避け、先送りにしてきました。これはたまたまではなく意識的にそうしたのです。ポプラという木が大五木材に無かったからというわけではありません。森のかけらを作り始める際には、少量ですが既に数枚のポプラの耳付き板の在庫はありました。にも関わらずつれない態度をとってきた理由。1つは、やわらかい事。もう1つは生い立ちがややこしそう

まさにポプラにとっては全人格を否定されたような失礼な話で本当に申し訳ないのですが、こういうのって感覚的なものなので、前述したように何かの契機で劇的に好きになってのめり込むかもしれないので、その時にはよろしくねの心境です。まず、あまり軽い木というのは、出口がありそうで少ない。ポプラはかなり軽軟なのでその特徴を生かして(肌目が白いというのも利点)、マッチ棒の軸木爪楊枝などにも利用されてきました。しかしいずれも近年急激に生産量が減っているうえに、大五木材ではその加工をすることは出来ません。

ポプラには独特の『瘤杢(こぶもく)』が出るので、カウンターやテーブルなどの家具に使われますが、材質的には軟らかいので、オイル仕上げの場合にはそれなりの覚悟は必要になります。その点については弊社にはライトウッド・フェチさんも多数ご来店されますので、そういう場面で活躍してもらいます。しかし瘤杢はある程度の面積あってこそ。小さなノベルティ商品に加工するには、軽軟すぎる木は毛羽立ちが出やすく、瘤杢はあまり小さくなると魅力半減。とはいえ材としては出口はあるし、使い方次第では面白い木です。問題は・・・

 




★今日のかけら・#098 【白楊/ポプラ】 ヤナギ科ヤマナラシ属・広葉樹・北海道産


昨日のブログで、オランダといえば木靴と私の貧相なイメージをさらけ出しましたが、それでふと思ったのですが、オランダの木靴の材料って何の木なんだろう?昔、誰かがヨーロッパに行った際のお土産にミニチュアの木靴をもらいましたが、その頃はそれが何の木で作られているかなんて気にも留めませんでした。自分で最終商品まで作り出すようになって、そういうものに注意を払うようになりましたが、従来の流通型の材木屋のままだったらこういう事に気を向けることもなく終えていたのだろうと思うとゾッとします。材木屋の原木知らずどころか、材木屋の木製商品知らず

さて、主題のオランダの木靴の原料ですがは、ポプラの木多く使われているそうです。ポプラだったか・・・そう知ってこの事をブログに書くかちょっと悩みました。材木屋なんだからすべての木の事を知っている、扱っているなんと事は当然無いわけで、全国的に知名度があってもその地域ではほとんど流通していないような木であればご縁がない事もありますし、その材を仕入れる理由(つまり売れるかどうか)が無ければ、あえてリスクを冒してまで仕入れてみようなんて考えるのは、変わり者のビーバーの一派ぐらいのもの。生涯巡り会わない、会えない木の方が多いのです

240種プラスアルファの多樹種で構成される森のかけら】なんてものを作ったお陰で、たぶん一般的な材木屋さんよりは、少しだけ多くの樹種に巡り合っている機会が多い方だとは思いますが、それでも一瞬のすれ違い程度の縁しかない木とか、二度目の再会がなかなかやって来ない木もあります。一応は【森のかけら】として一度は手に取って加工しているものの、それ以外の場面ではこちがいくら欲しても出会えないご縁の無い木がある一方で、ご縁はあるもののこちらがなかなかその気にならない(関心が薄い)木というのもあったりします。

いまひとつ興味が湧かない理由としては、愛媛において接点が少なく実用実績も乏しい。しかし偏屈材木屋としては、こういうケースではむしろ、ならば俺が広めてやろうと反骨心に火がつきます。それよりも大きいのは、その木の生い立ちや家族構成が複雑で分かりにくい(植物学的な分類とか)と、興味が急激に下がります。木の事を知りたいのは、知的好奇心という側面と、材木屋という仕事の営業ツールとして使いたいという側面があって、語りにくい(人に伝えにくい)話は自分的にはどうしても乗り気にならないのです。明日に続く・・・




本日もオランダ生まれの木製バランス遊具『Wobbel(ウォーベル)』についてです。国内外のおよそ270種の木を扱っている(量の大小ははさておき)お陰で、それぞれの産地の事も調べたりするので、実際にはその地を訪れたこともないのに地図旅行ならぬ『かけら旅行』で、世界中を巡っています。国内の場合は仕入れも含めて主要な産地には足を運んでいるものの、海外となると恐らく今後も行ける機会はなさそうなので、【森のかけら】が私を世界と繋げてくれる貴重なツールなのです。

一般の方は意外に思われるかもしれませんが、ヨーロッパから日本に輸入されている木材も多くて、弊社の取り扱いがあるだけでもロシア、ドイツ、ウクライナ、クロアチア、スウェーデン、フィンランドなどがあり、それらの地域からオウシュウアカマツ、メープル、バーチ、ヨーロピアンビーチ、ドイツモミ、レッドウッド、ウォールナットなどが輸入されています。目の前には遥かヨーロッパから8500キロもの長旅に耐えてやって来た異国の木々が並んでいるわけですが、それが日常の光景なので、その距離感に思いを寄せる間もありません。

その国から産された木材を仕入れるという直接的な繋がりだけでなく、知人が居るとか、その国にうちの商品を届けたとか、ある木がその国と深く関わりがあるとか、そこまで幅を広げるとイタリアイギリス、フランス、ベルギーなど更に『かけら世界旅行』の中での「関係国」は増えるのですが、Wobbel(ウォーベル)発祥の地・オランダとは不思議とご縁がありませんでした。糸ほどの繋がりを考えてみても、行きつけの散髪屋さんにオランダの留学生が来ていたことぐらい(笑)で、オランダ産の木材というのにも今まで出会ったことがありません。

私のイメージがあまりに貧相ですが、オランダといえばチューリップと風車。木に絡むものでいえば、アルプスの少女ハイジに出てくる木靴。あまりオランダ=木というイメージが結びつきにくかったのですが、当然沢山木はあるわけで、こうして楽しい木製品も出来ているわけです。最近、何か1つの現象が現れると、それに引き寄せられるようにそれに関係した事象が集まることが多いので、もしかしてこのWobbelがオランダの木との呼び水となるのかも?!などと密かに期待しつつ今日も背中のストレッチに使わせてもらっています。

それにしてもこの商品は面白い!使い方自由というところが子どもに想像力を与えるし、やらされている感がまったく無いのもいい。乗ってバランスをとれば体幹が鍛えられるし、丸まって寝転がっても気持ちいい、裏のウールフェルトも色鮮やかなので置いておくだけでもインテリアにもなるという優れもの。いつも念仏のように『木の出口』と唱えていますが、こういう木の商品に出会うと既成概念でガチガチに凝り固まった自分の頭の固さが情けなくなります。誰もが無条件に楽しめてシンプルで可愛い木の出口、発想の柔軟さが素晴らしいです!!

 




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