森のかけら | 大五木材


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20121226 1昨日に続いて『間伐材』の話です。主材ですら利益を出すのが容易ではないわけですから、ヒョロヒョロで曲がりくねったような未成熟の木は、間伐されても山から市場に出しても赤字になるだけ。伐採した材を原木市場まで運んでいく手間を考えれば、伐ったままそこに放置して土に還らせた方がいいとなるわけです。それが昨今の『切捨て間伐』です。一般の方のイメージする『間伐材』は、その『未利用材』の事だと思います。それを利用すれば無駄がないという考え方には一理あります。

 

20121226 2林業家にとっても、それがお金になるなら言う事はありません。お互いにメリットがあります。ただし、『間伐材』利用者側のロジックの多くには、『通常利用できない材なんだから当然普通の材より安いはず』という前提があります。しかし前述したように、立派に育った主材ですら利益が確保できにくい状況で、曲がった未成熟材が原木市場で叩かれるのは当然。結果、赤字になるのが分かっているのであれば手間隙掛けてわざわざ山から出さないのはものの道理。

 

20121226 3網で一網打尽にする魚の漁であれば、とりあえず網は揚げなくてはならないわけですから、揚げた魚のうち種類によっては安くても売れればお金になります。しかし、小さくとも山から出すにはそれなりの重機を使い、大型車で数十キロも離れた市場に送り、そこから更に製材所で製材し、小分けして加工されるまで何人もの人の手を介さなければ商品にならない木材にとって、身近に見える裏山の木ですらも、『材』として考えれば実は相当な距離感のある存在なのです

 

20121226 4ですから『間伐材』が安価だというのは、実は現状の木材流通システムにおいては誤った認識なのです。間伐材を使ってやろうという考えはありがたいものの、主材ですら価格が低迷して安いのですから、むしろ主材を適正価格で買って利用していただく方が嬉しいというのが本音です。各種イベント・グッズやノベルティ商品では、錦の御旗のように『間伐材』の言葉が踊りますが、堂々と『必要があって山から木を伐り、適正価格で仕入れてこの商品を作り販売し、森に貢献しています』というフレーズがあってもいいと思うのです。




20121225 1先日のブログで、久万高原町にある愛媛木材青年協議会の『木のトンネルと砦』をご紹介しましたが、実は我が家にも『』があります。家のすぐ傍らに、家内が大工さんに頼んで作ってもらった木製の砦。出来上がってからもう何年が経つのでしょうか。防腐用の加圧注入処理とかしていなかったので、雨や風や雪に霜に耐えて、部分的には朽ち果てていますが、それでも頑丈に作ってもらったので、下の双子が小学校を卒業する来年ぐらいまでは何とか頑張ってくれそうです。

20121225 2公共工事で、公園などにこういう木製玩具を作る際には『間伐材』という但し書きが付記されるのが常套化されていますが、うちの砦は『間伐材ではありません。ひと口に『間伐材』と言っても、その言葉の持つ意味合いは、プロと一般の方の間では微妙な温度差があります。学校では、木を太く立派に育てるために未熟で育ちの悪い木を伐って、十分な光が木々に行きわたるようにして健全な森を育てる手法という意味合いで『間伐』の事を教わったと思います。私もそのような認識でした。

 

20121225 3ですので、『間伐材を使うことは良い事』という考えでした。それ自体は間違っていませんし、間伐された未成熟材が利用できればそれに越したことはありません。しかし、その認識と森の現状との間には大きな乖離があります。まず、木を伐採する作業手段としては、一定地域を全て伐採する皆伐(かいばつという方法と、一定地域の中で適正伐期に達した木を適量ずつ計画的に数年単位で伐採する方法を択伐(たくばつ)と言います。そのいずれに対しても、森を育てるためには間伐は必要です。

 

20121225 4木を伐採す主たる目的(病気や工事など以外の)は、伐った木材を利用する事です。なので出来るだけその利用目的に合わせて、適したサイズの木を伐採する方が効率がいいという事になるのですが、昨今のように木材価格が低迷していると、目的に合わせて伐採した主材ですら利益を出すのは容易ではありません。それを補填しているのが国の補助金であるというのが、この国の林業の現実なのです。主材ですらその有り様ですから、未熟な間伐材であれば尚更結果は推し量られます。




20121224 1卒業すれば寂しくなるかもと思っていた愛媛木材青年協議会でしたが、あれやこれやといろいろな業界からお声を掛けていただいた新商品の開発や、社員の産休によるバタバタ感等々が重なり、感傷にふける間もなく年末を迎え、あと3ヶ月もすれば新たな卒業生を送り出す(私の立場的には迎える?)セレモニーが巡ってきます。卒業しても例会などには顔を出して下さいと温かい言葉をかけてもらったにも関わらず、結局何一つ出席する事も出来ませんでした。

 

2021224 2まあ、あまりOBが先輩面して参加するのも、現役会員にとっても煙たかろうと自重してもいたのですが、先日久し振りにOBを中心に集まって忘年会を開催。OB4名と現役会員の10名足らず。この内、来年の3月で2名が卒業。主に同世代で頑張った仲間が全員卒業を迎える事となります。私は20年間在籍させていただきましたが、愛媛の主要な役職を与えていただき、中心で活動していたと実感できたのは、30代の後半から卒業までの10年ぐ足らずでしょうか。

 

20121224 3同じ愛媛県の材木関係の仕事といっても地域が分かれていて、職種もバラバラですので、何かきっかけでもないと意外と同世代で集まりにくいものです。もう20代の頃のような無茶な飲み方もしなくなりましたし、大騒ぎすることもありませんが、皆製材機械や加工機の近くで長い事仕事をしていた関係でやたらと地声が大きく、騒いではいないつもりでも材木屋の会は大声になっていると以前指摘されました(笑)。しかし何年経っても何度話しても若い頃の話は盛り上がります。

 

20121224 4全国への出向などがあり、同世代の数人で東京や大阪、岩手、福岡など全国各地へ行っては学び、遊び、しかられ、楽しんだ日々は第二の青春でありました。それも来年はその友達も皆卒業。楽しかった思い出として語り継がれていく事になります。しかし、いつまでも思い出の中に生きるわけにはいきません。この数ヶ月で新たな土台を出来てきました。来年はまた同世代で別の形で再結集出来ればいいと考えています。私達は思い出の中に生きない現代人。さあ、今宵の酒は明日への契りに!




20121223 1昨日の愛媛木材青年協議会の「木のトンネルと砦」の補足です。私が行った日は、前日大雨が降っていたので足元がかなりぬかるんでいましたが、広葉樹の落ち葉が足元に堆積してふかふか。ただし濡れた落ち葉は結構滑ります。『木のトンネル』まで行くのは予定外だったので、普通の靴で来てしまっていて途中で2、3度転んでしまいドロドロに・・・。それも配慮して、足元にも木で土止めを作ってくれています。まだ 未完成ですが、完成すればもっと楽にトンネルまで行ける事になります。

 

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さて、その砦を抜けて『木のトンネル』へ続く坂道を登っていくと、そこには「関所」があって、森の番人(番鳥)が貫禄たっぷりに鎮座ましましています。確認はしておりませんが、恐らくこのチェーンソー筋とデザインは、会員の大成郁生君(サンシン機械・サンシン暖炉)の仕事でしょう!考えてみれば、設計士から元大工、チェーソーの使い手、書道の達人、町会議員、レーシング世界チャンピオンの元メカニック等々、愛媛木材青年協議会は多士済々な顔触れが揃っています。

 

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世界中の240種の木から好きな樹種を選べる【森のかけら】を作っていると強く実感するのは、数がある程度揃うと、面白いモノが紛れ込んできます。多様な植物が生育する森が健全で豊饒な環境を作り出すように、人もいろいろなタイプ、考え方が集まってこそ健全です。 その地域地域では当たり前のように思えるものが、所変われば品変わるで、その個性に驚かされる事は少なくありません。人間の経済価値だけに左右され、木にとって不本意な価値観を植えつけられるのは不幸な事です。

 

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多様な植物が共生する自然界に比べ、人の世は見苦しい。選挙が終わると早速分裂が起こり内部崩壊した政党もありますが、食物連鎖と互助関係にある自然界においては、他者との断絶は自分自身を滅ぼす愚行。その芽がやがて森に豊かさをもたらす大木になり着生植物など多くの命の温床となるのか、他者に宿り栄養を吸収しやがて枯らしていく寄生植物になるのか、しっかり見極めなければなりません。誰もが皆このフクロウのような門番の心意気で目を光らせて監視していかなければなりません。




20121222 1早いもので久万高原町の山で『木のトンネル』で最初のイベントをしてからもう1年以上が経過しました。先月、愛媛木材青年協議会の後輩達が新たに『木のトンネル』への入口に『』を建てました。計画段階では話を聞かされたものの、イベント当日はどうしても都合が付かず参加できませんでしたが、先日久万高原町に行く用事があったので、久し振りに『木のトンネル』を訪れてみました。空に近い所で、1年間燦燦とした日差しを受けて、すっかりいい感じのロマンスグレーに変貌を遂げておりました。

 

20121222 2この『木のトンネル』に行くためには、四国八十八箇所霊場の第四十四番札所・大寶寺(だいほうじ)の参道の脇から傾斜地を登って5、6分の所にあります。左の画像の右手に見える舗装道の先に大寶寺があり、そこから左の山手に上がる道の先に『木のトンネル』があります。その境に建てられているのが、今回新たに建てられた『森の砦』。まだ正式な名前は付いていないようですが、計画段階から私の脳裏に浮かんだイメージは、黒澤明監督の映画『隠し砦の三悪人』、あるいは『羅生門』!

 

20121222 3勝手に妄想が膨らんで、『もののけ姫』に出てくる櫓にしようとか瓦まで乗せて羅生門みたいな荘厳なもの(焼打ちされ朽ち果てた後の姿㊨ではなく、その前の姿/朱雀大路にある平安京の正門)にしょうとか、100人乗っても大丈夫みたいな屈強なものにっしやらと、計画段階では大盛り上がりしましたが、建築後実物を見てみてビックリ!いやいやどうしてしっかりした砦が出来上がっているではないですか!まだ躯体だけ出来ただけなので、ある意味朽ち果ては羅生門のようにも見えますが・・・。大工さん経験者から設計士までを擁する愛媛木材青年協議会、これぐらいはお手の物!

 

20121222 4愛媛県産材を使い、しっかり防腐剤処理も施した材を使用。高さはそれほどでもないものの、天に向かって燐と伸びた姿は雄々しく、後輩達の意気込みが伝わってくるではないですか。この後、段階的に工事を進め、最終的には立派な砦になるはず。最終的には、久万高原町マップにも記されるぐらいの存在になっていただきたいものです。砦から続く『木のトンネル』は、作って終わりではなく、使ってこそ生きてきます。来年は更なる整備計画が進行中だそうで、次は少しでも協力させていただくつもりです。




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