森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

20131021 1 .bmp昨日に続きですが、午前中の竹森洋輔君の竹森ガーデンでぶどう狩り体験と農業について学び、午後からは林業について学ぶという日程でした。木の授業は、現在製材機会を撤収してすっかり片付いた井部君の会社・久万造林の倉庫で始まりました。苗木を植えて、木を育て、伐採して生計を立てる林業というものがどういうものか。そしてこれから進もうとしている林業の形とはなどについて井部君がスライドを使って説明。各種イベントで場数を踏んで、こういう段取りや説明もすっかり手慣れたものです。

 

20131021 2 .bmpスライドを使い、レジュメに沿って分かりやすく説明する井部君に対して、私は「新しい森の出口構想」をイメージで熱く語りすぎて、木材業そのものが分からない学生たちをキョトンとさせてしまいした。まあ、材木屋の中にも変な人がいると思ってもらえればそれでよし!人との出会いが仕事との出会いでもありますから。まあとりあえずそこからは次は森へ異動。以前に作った『森のトンネル』で、実際に木を見て木に触れながら、木で食っていく仕事とはどういう事か知ってもらいます。

 

20131021 3 .bmp4年ほど経過した『森のトンネル』は、部分的に板の割れや反りが出ていたものの、躯体そのものはしっかりしています。10数人の学生が乗ってもびくともしません。歳を重ねてすっかりロマンスグレーに成長したボディは、その見た目を美しさから渋さへと味わいを変えていました。一体これは何をするためのものか明確な答えのない謎の構造物に多少の戸惑いもあったかもしれませんが、恐る恐るながらも実際に木に触れて木の面白さをわずかながらも感じてくれたようです。

 

20131021 4 .bmp目の前に立つ10数メートルの木々を仰ぎ見ながら、そこでも林業とは何か?現在の林業経営の実態などの話をしましたが、自分の身の丈の数倍もある大先輩に対して、恐らく彼らの想像力では現在の林業、そして近代化された製材業の姿は追いつかないことでしょう。しかしそんな彼らの口から発すられる「うわ~、立派な木」というピュアな感想に対して、40~50年もこの大地で生きた木がわずかなお金にしか換金できない現在のシステムはやはりちょっとおかしいのではないかと思うのです。

 

20131021 5 .bmp    そこにただ立っているだけで人の心を動かす木の価値をもっと高める出口を早く探さねばなりません。机の上では決して分からない木の醍醐味を、森の中で学んでもらう、マニュアルの無い『我々なりの木育のシステム』を作りあげたいと思っています。何か大きく物事を動かそうなんて大層なものではありません。考え方に共鳴、共感してもらう人と少しずつ変えていければいいと思うのです。私たちがまだ気がついていない木に潜む膨大な『生命価値』を早く見つけねば!




20131020 1 .bmp現在、盟友・井部健太郎君と共に『森の新たな出口』を考えるためのプロジェクトに取り組んでいます。その取り組みについていずれ改めてご紹介しますが、その取り組みの幹はいろいろな方向に枝を伸ばし、我々の想像した以外の場所から芽が出始めました。こんな風に枝が伸びてもいいんだ、こんな色の葉っぱを咲かせてもいいんだと、教えてもらう事が多々あります。林業とは、材木屋とはかくあらねばならないという既成概念に知らず知らずのうちに縛られてしまっていたと痛感しています。

 

20131020 2 .bmpその枝のひとつが「学び場としての森」。数年前に、香川県の小学校の生徒さん相手に、井部君たちと共に「木の話」や「森の話」をさせてもらいましたが、その時に『伐らない林業』という林業、木材業のイメージが漠然とですが浮かんでいました。それまで、木を仕入れて売るという「流通」という流れでしか商売はできないものだと決め込んでしまっていましたが、「見せること」、「語ること」、「体験すること」で、森や木に関わり報酬を得られるビジネスの可能性を肌で感じました。

 

20131020 3 .bmpそれをきちんと形にするにはもう少し時間がかかりますが、あまり時間をかけていたのでは自分の体がもちません。自分がしっかり動けるうちに見切り発車でもいいから始動していかねばと考えています。そんな折り、井部君とのプロジェクトで出会った愛媛大学の宇都宮先生とのご縁で、愛媛大学の学生たちに木の話をする事になりました。専攻は林業と思ったらさにあらず、地域観光を学ぶ学生たちです。林業・農業経営を学ぶために久万高原までバスでやって来ての屋外体験授業。

 

20131020 4 .bmpいや~これはいい心がけです。本当に森のことを知ろうと思えば、実際に森に行くべくです。実際に森の空気を吸うことです。鉄筋コンクリートの校舎の中で、石油製品に囲まれて、身近になにひとつ木のモノもないところで木の良さを語るなんて、ある意味ブラックジョークでしょう。五感で味わえる木の良さは、森の中でこそ学べるものです。かくいう私だって、普段木に囲まれたところで仕事をしているとはいえ、森の中で仕事をしているわけではありません。こういう機会は私もありがたいのです。この話、明日に続く・・・

 

 




さて、本日は飲む方ではなく同じ名前を持つ「木」としてのコーヒーツリーの存在も知っていただきたいと思います。どういう形からでも興味を持っていただけるのは、材木屋としてはありがたい事。弊社にあるコーヒーツリーの板は、長さが1600~最長で2700mm、巾が150~400mm前後、厚みが32~64mm程度の小ぶりなものが20数枚です。見た目の印象としては、癖の少ない素直なホワイトアッシュを少し茶~赤褐色にしたというような感じです。

当然の事ながら木肌がコーヒー色をしているわけではありませんし、材から珈琲を連想するような面影はまったくありません。皆さんとりあえず匂いを嗅がれますが、これで少しでもコーヒーの香りでもしたら面白いでしょうね。辺材は白く、その差は明瞭ですが、割合堅さはあるので、耳付でカウンターなどとして使っていただいています。オイルで塗ると濡れ色になってより赤味が増します。是非喫茶店などコーヒーとご縁のある所で、話のネタとしても使っていただきたいところです。

今回そのコーヒーツリーの存在を知っていただくためにも、端材の一部を「ちょこっと端材」コーナーで販売させていただく事にしました。現在在庫してある材は、たまたまご縁があって手に入ったもので、今後の入荷の見通しは一切立っていません。在庫がある限りの販売になりますが、飲むだけでなくコーヒーは使っても楽しいものです。私自身もこのコーヒーツリーの特徴についてはまだよく分かっていませんので、自分でも試し試しというところです。

世界中にはまだまだ沢山の面白い木があります。アフリカや東南アジアなどのジャングルにおいては、日本で用材として紹介されていない木がまだまだ沢山あります。名前すら分からないような木だって沢山あることでしょう。専門書を開けば、まだ実際に見たことのないそれらの木に思いを馳せます。わずか数行の味気ない解説を読みながらも、どんな木目なんだろる、どんな色合いなんだろう、重さは?硬さは?実はまだこの木の秘密が知られてないのでは?などと日々妄想は膨らんでいくのです。そんな木を無理矢理伐採して日本に運んできたいとは思いませんが、ご縁があればこの命のある間に是非直接見てみたい、触ってみたいものです。別に高尚な理念などがあるわけではないのです。ただただひたすらに膨らむ純粋な好奇心、それだけです。だって木は人生をかけるほどに面白すぎるから

 




昨日に続いて「コーヒーツリー」の話です。嗜好品としての珈琲の発見は、エリオピアで山羊が食して踊りだした事に由来するようですが、現在栽培されているコーヒーは、赤道を中心とした南・北緯25度の「コーヒーゾーン」と呼ばれる熱帯が盛んで、中でもブラジルは全世界の生産量の3分の1を占める世界最大の生産量を誇るコーヒー王国です。小学校の頃にも習った「ブラジル=コーヒー生産量世界一」のイメージは脳裏に深く刻まれています。

飲む方の珈琲については知識もありませんが、このブログを書くにあたって少し調べてみたのですが、生産量の世界一はブラジルですが、2位以下はベトナム、インドネシア、コロンビア、エチオピア、インド、ホンジュラス、ペルー、メキシコ、グアテマラとなっています。私の勝手なイメージでは、上位を中南米の国々が図ズラリと独占していると思い込んでいたの、東南アジアの国が並んだのはちょっと意外でした。(2013年の資料に基づく)

ちなみに国別消費量のランキングは、1位がEU-27(31%)、2位以下はアメリカ、ブラジル、日本、ロシア、カナダ、エチオピア、フィリピン、インドネシア、スイスの順。日本が4位に入っていますが、なにしろ日本人の缶コーヒー消費量は世界一ですから。私も若い頃は現場での休憩時間によく缶コーヒーを飲んでいました。それも行く現場、行く現場で大工さんに奢ってもらったりすると断れなくて、1日に3,4本も飲むこともよくありました。

若い頃はそれでもまだ運動量も多かったのであまり気にもしませんでしたが、少しずつ歳を重ねると、その甘ったるさがしつこくなってきて、失礼とは思いながらも心遣いを断ったり、選べと言われればなるべくお茶とかポカリなどを飲むようにしてきました。そして今では、事務所ではもっぱら緑茶、自宅では豆乳といういたって健康的なものです。なので時々からだが本物美味しいコーヒーを欲したくなって、そんな時は「ブルーマーブル」へ!

 




★今日のかけら・#153 【 ケンタッキーコーヒーツリー/Kentucky coffeetree】  マメ科・広葉樹・北米産

 

皆さんにご紹介したい面白い木、珍しい木はまだまだ沢山あるのですが、こちらの整理が追いついておりません。自分としてももどかしいのですが、どうか気長にお付き合いいただければと思います。その中でも珍しさではトップクラスのひとつだと思われるのがこの「コーヒーツリー」。コーヒーツリー、つまり「コーヒーの木」という事なのですが、コーヒーと聞いて連想される飲む珈琲とは別物です。世界中に「コーヒーツリー」という名前で呼ばれる木は、200種ぐらいあると言われています。

しかしその中で日頃我々が口にするコーヒー豆の採れる木は3~4種類ほどしかなく、この画像のコーヒーツリーは北米の南部で採取されたものですが、飲むために栽培している種類のものではありません。雑貨屋や園芸店で、観賞用のものが売られていますが、それらとも種類が違うようです。なにしろ材としてのコーヒーツリーに関する文献が非常に少なく、市場でもほとんど流通しておらず、その特徴や性質について情報が乏しいのです。

なので、いまだ手探り状態で実践しながらデータを収集しているところです。飲料に利用されるコーヒーの木は、アカネ科の常緑のさほど大きくならない潅木で、材としての利用は進んでいないようです。弊社にあるのはアカネ科ではなくマメ科の木。私も偶然このコーヒーツリーに出会うまで、その存在すら知りませんでした。自生するコーヒーの木の事を「ワイルドコーヒー」と呼ぶそうですが、世界各地に伝わるコーヒー豆発見の伝説と深い関わりがあります。ご紹介するのは「飲める方のコーヒーの木」の話。

エチオピアに伝わる伝説では、飼っている山羊が夜になっても眠らず騒ぐので、修道士たちが不思議に思い何か変なものを食したのではないかと付近を探してみると、食い荒らされたコーヒーの木があり、自分たちも食してみると眠気がなくなり、覚醒したことがコーヒー豆の発見につながり、以後礼拝などで用いられるようになったそうです。飲む方のコーヒーは専門外ですのでここでは「材」としてのコーヒーツリーについてご紹介致します。この話、明日に続く・・・

 




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2013年10月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  
Scroll Up