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今回は造作材として加工したのですが、倉庫での長い眠りの中で付着した埃などの洗礼を浴びて、すっかり喉や目が痛くなりました。今回はどうしてもアサメラでなければならないというわけではなかったのですが、私の提案に対してご承諾をいただき採用されました。こういう材を使わせていただけると端材が【森のかけら】や『モザイクボード』などに使えますのでありがたい事です。シロアリやフナクイムシに対しても強い耐性を持つことから、逆境に耐える木としても知られています。 |
荒材のまま同業者に販売するのであれば、フォークリフトで出し入れするので重さも苦にもなりませんが、完成したテーブルを、下手をするとそのままでは廊下を通れないので、横に持ち直して運ぶこともあるのですが、アサメラやブビンガ、ゼブラウッドなどの超重量級の材が手に食い込みことを想像してしまうと、どうしても買う手が鈍ってしまうのです。若い頃はそんな事も考えませんでしたが、50歳近くになると、安全に運べるだろうか、なんてリアルな事が脳裏を横切ってしまうのです。 |
市場で売られている板は、未乾燥の場合が多く、表面が割れないようにボンドを塗りたくっていますので、本来の色調が分かりにくいと思うので、軽く表面を削ったのがこちらの画像。アサメラの写真は、どの段階で撮ったかによって随分と印象が変わるのではないかと思います。ここに植物性オイルを垂らせば、濡れ色になってもう少し色合いも濃くなります。まさにチークの代用としても遜色のない色合いで、実際に家具材としてもよく使われていますが、その他にもボートや船舶材にも用いられます。 |
さて、そんなアサメラですが、チークの代用とされるのはその色調によるものです。ただし、色調は似ていても、チーク独特の脂質の触感はなくて、乾燥するとサラサラした触感です。とはいえ気乾比重は0.70~0.80ですので、かなり硬くて重い方に分類されます。ちなみにチークはのそれは0.68ですから、重さだけでいえばチークよりも重たいということになります。特徴はチークに似て、収縮はかなり小さくて、しっかり乾燥してしまうとほとんど変動はないようです。 |
本日加工したアサメラは、意に反して(?)長期間倉庫にて乾燥しきったものですから、材の安定度は抜群でしたが、乾燥には時間を要します。ということで、今年仕入れた耳付きのアサメラについては乾燥機のお世話になりそうです。以前であれば、天然乾燥でいけるぐらい我慢力もありましたが、少しは材の回転率についても考えるようになったのと、【森のかけら】や『森のりんご』をはじめとする端材のクラフト商品づくりに必要という切迫した問題もありますので。 |
アサメラについては、その材そのものよりも経年変化後の色調の例えとしてよく使ってきました。アサメラ自身も経年変化で少し黒ずみますが、同じアフリカ産のマメ科で鮮烈な赤みを持つ『パドック』の経年後の姿として、アサメラをよく例えにしてきました。削りたてのパドックの鮮やかな赤身も、時間が経つと急激に色褪せて茶褐色になるのですが、「どんな感じ?」と訊かれて、「アサメラみたい」と伝えて相槌を打ってくれるとしたら、かなりの木材通ということになります。続く・・・ |
★今日のかけら・#122【アサメラ】 Asamela マメ科・広葉樹・アフリカ産
本日はアフリカ産の広葉樹の大木、『アサメラ』を加工。よく『世界三大銘木・チーク』の代用品とされることから『アフリカンチーク』とも呼ばれることのある木ですが、最近は木材市場でもあまり見かけることがなくなりました。と思っていたら、昨年岐阜の木材市場で結構まとまって出材されていたので、そのお姿に不意に郷愁を覚えて、ついつい耳付き板をいくつか仕入れてしまいました。今回削ったのはそれではなくて、かなり昔から弊社の倉庫の中で眠っていたものです。 |
弊社の塗装場で、チークのヘリンボーン・フローリングの塗装中。最近、問い合わせや注文が急増したもののひとつがこのチークとヘリンボーン。チークについては、フローリングはもとより、テーブルやカウンターや框などで使いたいという要望が増えて、たまたま在庫にあったミャンマーチークの幅広板で対応出来ていますが、増えた理由はよく分かりません。樹種については目に見えない流れというか、バイオリズムのようなものがあって、特定樹種が数年ごとに注目されることはあります。
今がチークの流れなのか、たまたま重なっているだけなのかは分かりませんが、複数の工務店、ハウスメーカーなどから不思議とチークの注文が重複。また、ヘリンボーンに関しては、チークだけにとどまらず、カリンやオークなどいろいろな樹種でのご注文が増えていて、はじめの頃は懐かしく思っていたものの、最近ではあまりに増えてきたので、それ用に塗装の方法にも工夫をしているところ。なにせヘリンボーンの場合、長さ420㎜で幅60㎜モノだと半坪でも65枚ありますので!
つまり1坪だと130枚(長さと幅によって枚数は変わってきますが)、10坪だと1300枚ということで、塗装工程も大変ながら、それ以上に乾かすための場所の確保が大変。通常の1820㎜のユニFJフローリングであれば、立てかけて並べて乾かすのですが、1000枚とかになってしまうと、材の保管も加工も塗装も限られたスペースの中で何でもやらなければならない小さな倉庫の中は大混乱。迂闊なところに置いておくと、材を取り出したりする際に雪崩の被害が・・・!
まあ、それも場数をこなすことで次第に効率よくなってきて、塗装環境も少しずつ改善。まさに必要は発明の母!あれほどてこずっていたヘリンボーンの塗装スピードもみるみる速くなっております。弊社の場合、植物性オイルでの塗装を前提としていますが、梱包をばらした段階で目視で欠点などを確認。小傷や加工不良などをチェックして、補修できるものは直します。それから塗装して、2、3日乾燥させ乾燥後に再度点検。最後に#600のサンドペーパーで仕上げ磨きをしています。
ところでヘリンボーンの意味については、以前にも『今日のかけら』のチークの項でご説明させていただきましたが、貼り並べた形が開きにした魚の骨の形に似ていることから、魚のニシンを表すヘリンボーン(herringbone)という言葉が使われるようになりました。なので、これは樹種名ではなく貼り方、模様柄の事なのですが、4面にサネ加工が施されているので、直角方向に貼れば市松柄にもなります。塗装や施工など多くの人の手を経て、さて今回のニシンはどう姿を変えますやら。
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