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4月から試験的に初めた『第二土曜日の営業』。基本的には第二土曜日はお休みなのですが、午後から半日だけ店を開けて、端材等の販売をするというもの。国道に面しているという立地条件もあって、普段から一般の方が飛び込みで木を買いに来ていただくことも多いのですが、なにせ少人数でやっているものですから現場の段取りやら急ぎの加工をしていると、急な問い合わせには対応できないことがしばしば。そもそも配達で男手が出払っていることも少なくありませんので。
事前にアポでも入れておいていただくか、後日引き取りとかならどうにか対応も出来るのですが、予告も無しに突然やって来られて、これこれこういう寸法の材が何本要って、加工までして欲しい、しかもすぐに持って帰りたい、と言われてもホームセンターのような対応は弊社では無理です。決して低くはないと思われる材木屋の敷居を乗り越えてお越しになられるのですから、何とかご要望は叶えたいとおもうのですが。あ、うちの場合は敷居はかなり低く、バリアフリーなのかも・・・。
まあそれはともかく折角木の探し物をしたいという木の愛好家の皆さんなのですから、本来こちらサイドの味方のはずなのですが、中途半端な知識を詰め込んで大層な物言いをなさるお方には偏屈材木屋の血が騒いでしまいます。「ローズウッドは置いてないのかと仰いますが、ローズウッドにもいろいろございまして、ホンジュラス・ローズからアマゾンローズ、パオローズ、サントスローズ・・・まさかブラジリアン・ローズウッドではないですよね?」(ここまで当然笑顔で!)
いやらしい~!そうです、こちらは偏屈材木屋なのです。急斜面にねじれながら育つアテの木のような癖の強すぎる材木屋なんです。材木屋なんてどこでもホームセンターと同じような対応をしてくれると思ったら大間違い!そんな高い、商売放棄とも思える無謀で身勝手なハードルを乗り越えて本気で木と向き合おうっていう思いを持っていただける方とは、こちらもとことんつき合わせていただきます。ネットにはネットの、対面販売には対面販売なりの流儀っていうものがあります。続く・・・
最近なぜか耳付きの一枚板のお問い合わせが急増しております。一枚板の売れる枚数って、多少の差はあっても大体一年間でどれぐらいていうのは経験則で分かるのですが、この1、2年は通年以上にお問い合わせも多く、販売量も増えています。用途はダイニングテーブルや座卓が圧倒的ですが、昨日の勉強机や商業店舗のテーブルなど用途もそれぞれ。飲食店のテーブル等が増えたというのもありますが、それよりも一般の住宅でスポットライトを浴びる機会が増えてきています。
住宅におけるダイニングテーブルの場合、850~900X1800~2000㎜程度の耳付き一枚板を希望されるケースが圧倒的です。一応こちらもそのあたりのサイズを想定して仕入れはしているものの、いつ売れるとも分からない高額商品ゆえいくらでも在庫できるわけではなく、サイズだけでなく樹種や色合い、節、耳の具合などの条件を含めると、ご要望にお応えできないことも多くあります。いつでも何百枚でもありますよ、なんて言ってみたいものですが悲しき懐事情。
倉庫も小さいために、回転の遅い商品はどうしても奥へ奥へと詰め込まざるをえません。お声がかかるたびに奥から引っ張り出して埃を吹き飛ばして、土場に並べてご覧いただくことになるのですが、大きな倉庫があってもきっと大きいなりに使ってしまうので、結局同じような結果になると思われます。無いものねだりをしても仕方がないので、現有戦力で最大限の効果を発揮できるように工夫しながらやっていくしかありません。今日も今日とて一枚板を引っ張り出して並べています。
住宅の場合、いくら適サイズでもあまりに重たいものは敬遠されます。また弊社の場合は、無節で形が整ったものよりは、むしろ形がいびつで節や割れがあるものを好まれるお客様が圧倒的に多く、形の変わったものから売れていきます。なので無節の形の綺麗な板ばかりが残ってしまい、偏屈材木屋の品揃えとしては非常に不本意なことに。数年前に仕入れておいた材も徐々に乾燥期間を経てデビューが近づいておりますが、それが追いつかない~!なんて言えるほど売れるよう頑張らねば!
ハマーファミリーのご次男の勉強机を作らせていただきました。その前にこちらが4年前にご長男の小学校進学に合わせて作らせていただいたモンキーポッドの一枚板の勉強机。少し長さに余裕があったので、天板を取った残りでワゴンの天板と引き出しの扉板を取らせていただきました。製作したのはお馴染みの善家雅智君(ZEN FURNITURE)。照明の関係でかなり赤く写って見えるかもしれませんが、植物性オイル塗装仕上げなので、本来の色合いが濡れ色になった茶褐色。
一方こちらが次男君のお選びいただいた『エルム(ニレ科)』の耳付きの一枚板を使った勉強机。兄弟でのちのち揉めないようにサイズも仕様もほぼ一緒。照明の関係でこちらは逆に淡くとぼけた色合いに写っていますが、実際にはもう少し濃い色目。モンキーポッドほどに赤身と辺材のコントラストは極端ではありません。辺材にもオイルが浸透してやや灰褐色になるので、赤身との差はそこまで明瞭にはなりませんが、一枚板での醍醐味は十分に堪能していただける思われます。
耳の触感の滑らかさはモンキーポッドとも双璧。ワゴンは3段のキャスター付きですが、こういうシンプルなデザインの仕様の勉強机は今までにも沢山作らせていただきました。世の中には斬新な機能を備えたものや、デザイン性に優れたスマートなものも一杯ありますが、無垢の勉強机を作ろうと弊社に来られる方の多くは、このようなシンプルな仕様を望まれます。無垢材を使いたいというような方ですので、下手に装飾的なモノを付け加えたりするよりシンプルイズベストがご希望。
天板は幅剥ぎという君合わせもありますが、いずれにしても基本デザインはこういった感じです。当の子供にとってはあまりにシンプルで渋過ぎるかもしれませんが、小学校や学校に通っている間の数年間だけ使えればいいと思ってはいませんので、卒業後もワークデスクとして長く使っていただいて飽きのこないものというつもりで、シンプルかつ丈夫に作らせていただいています。なので当事者の評価をお聞きできるのは、親心が理解できるようになっただいぶ先の事になろうかと・・・。
ハマーさんファミリーとの最初の出会いは今から6年ほど前の事。新居のフローリングやダイニングテーブルなどを納品させていただいたご縁で、その後ご長男の小学校入学に合わせて、勉強机を作らせていただくなど、長いおつきあいをさせていただいております。初めてお会いした時にはまだハイハイしていた息子さんがいまやすっかり大きくなって・・・。やがて次男が生まれて、長男の勉強机を納品させていただいた折に、「いずれ次男の時もお願いします」と、ありがたいお言葉。
こういう言葉が社交辞令で終わらないのが、木材フェチの皆さま!キッチリ次男の小学校入学に合わせて勉強机のご注文をいただきました。いや~、こうして長い期間継続的に木の仕事を通じて関わらせていただけるのって本当にありがたい話で、材木屋冥利に尽きます。お兄ちゃんの時にもそうしたように、倉庫の中でご本人に「木選び」をしていただきます。子どもなんかに分かるわけないんだから大人が選べばいいんだよ、なんて思われるのは早計。幼くたって嗜好はきちんとあるのです。
これから長い時間自分がもっとも接する家具なのですから、木の名前や特徴など分からなくとも見た目の色合いや触感など、ピンと来る木は必ずあるはず!当然サイズや、価格の事もありますので、世界三大銘木・チークや世界遺産・屋久杉、さあどれでもどうぞ♪というわけにはいきませんので、そこはキッチリ大人として『お導き』させていただきます。雑誌などで予備知識を詰め込みすぎて頭でっかちになっている大人に比べると、子供はインスピレーションで決めるので勝負は早い!
それでも最終的には耳の触感や塗料により色合いの変化等もご確認いただきまして、ご納得されてお決めいただいたのは『エルム(ニレ科)』の一枚板。小学生の勉強机に一枚板なんて贅沢~!と仰る方もいるかもしれませんが、何が贅沢で何が贅沢でないのかは個人の感覚の問題。私はプラダやグッチなんかのブランド品に何十万もかける気持ちが分かりません。それだけの金があればやっぱり一枚板買っちゃうな~。そんな気持ちの分かる方の元にお届けさせていただいてこそ価値がある!続く・・・
さて、そのブラジルの至宝ブラジリアン・ローズウッドの材は販売しませんが、それとは別に我が家には「ハカランダ」の木が生えているのです!自宅の駐車場の入口に、思いっきり斜めに傾いて生えているハカランダ!(まだ小さかった頃にキッチリと天に向かって導いてやればよかったのに、気を許している間にあれよあれよと成長していって、気がつけばこんな事になってしまっていました。途中からは結構な力で引っ張って固定していたものの、もはやハカランダの意思に逆らえず。)
ええ~っ!松山でブラジルの至宝が・・・・!と驚かれるかもしれませんが、決して大きく成長させていずれ伐って材木として売るために植えているわけではありません。今までにもこのブログで木の名前のややこしさ(一般的に使われている名前、学名、商業名、俗名等々)について触れてきましたが、ハカランダという名前を持つ木は1つだけではなくて、ブラジルの至宝とされるブラジリアン・ローズウッドはマメ科です(ローズなのにマメ科というのもややこしいのですが)。
一方、我が家の庭に植えているのはノウゼンカズラ科のハカランダで、まったく別の植物なのです。園芸とか花の事に疎い私は知りませんでしたが、南アメリカ原産で、桐の花に似たような美しい青紫の花を枝いっぱいに咲かせることから『熱帯の桜』とも呼ばれる『世界三大花木』(ホウオウボク・カエンボク)の1つなのだそうです。世界各地で街路樹などとして植栽されていて、季節になると道路の両側一杯に青紫の花がが咲き乱れるというそれはそれは幻想的な光景が広がります。
我が家のハカランダに花が咲いたのは今年初めてで、それまではネムノキのような葉っぱがあるだけの超地味な木という印象しか持っていなかったのですが、今年突然開花してビックリ!折角咲いたのに折からの雨風でかなり散ってしまったものの、透明感のある美しさ。ちなみにハカランダの花言葉は、名誉と栄光。別名には、キリモドキ(桐擬き)、シウンボク(紫雲木)などがあるそうです。これからは春になると、隣に飢えているサクラと時間差で目を楽しませてくれそうです。
蛇足ながら、海外で植えられているこの木を見つけた日本人観光客が、高級ギターの木が街路樹にいくらでも植えてあると勘違いして驚かれるという話も多いようで(ネットの発達していない時代、実は私もそういう勘違い人間の1人でした)、そこにも「ややこしい木の名前」による混乱が生じているようです。それが笑い話や勘違い話で済むようなことであればいいのですが、商売で悪用されて誰かが不幸になるようなことにだけはなってはいけません。そのためにもまだまだ日々勉強!
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