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連日猛暑が続いておりますが、夜になると涼しい風も吹いてきて熱帯夜の苦しみはないのが救いです。これから汗だくの熱帯夜も覚悟せねばならないのでしょうが・・・夏の夜に涼を感じさせてくれるのは風ばかりではありません。家の裏では恒例のミニミニ花火大会が日々開催。炎に涼を感じるのはどういうメカニズムか分かりませんが、わずかな時間ながらも涼しさを与えてくれます。打ち上げ花火のような派手な花火は近所迷惑なのでご法度ですが、線香花火にも子供たちは大喜び。
四季の気象の境が分からないような異常気象が平常化してしまった昨今、「風物詩」なんて言葉もそのうち死後になってしまうのでしょうか。隣近所が密集した団地では花火をすることもままならず、砂利敷きの資材置き場は子供たちにとっても格好の「花火場」なのでしょう。近所のちびっ子たちが集まってのミニミニ花火大会が、子供たちにとっての「夏の風物詩」なのかもしれません。子供たちも次第に大きくなり、こうして無邪気に花火に興じるのもあとわずかな事です。
木にとってはタブーとも言える炎ですが、小さ炎を見ていると何だか切ないような哀感を感じるのはなぜでしょうか。一瞬で消えゆく儚さが人生の無常と重なるせいでしょうか。数十年も生きた木を使って、何十年も使えるものを造ろうとする木の仕事と、一瞬の儚さに思いを凝縮させる花火の仕事、対極のような位置関係にあるものの共通するのは「楽しませたい」という思い。記憶にしかとどまらない一瞬の輝きは、その時の笑い声や歓声とともに記憶され増幅を繰り返し美しい思い出に昇華します。
この場所で何年も何度も繰り返したきた「風物詩の美しくも楽しい思い出」、それが懐かしく感じる時には子供たちはもう子供ではなくなっているのでしょう。線香花火に無邪気に笑う下の双子も小学5年生、あと何回(何十回?!)花火に興じれることかとしみじみと考えてしまったセンチメンタルな花火でした。翻って、どれだけ人の心に届くようなモノを木で作っているか、これから作り出せるか、数十年生きたという『記憶を重ねた素材』に甘えていなかったろうかと反省しきり・・・。
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