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日本の木に関する書物はいくらでもあるものの、海外のものとなると翻訳されているものの数も限定されている上に、研究書や学術書のようなものばかりで、私が知りたい民間伝承や木の物語について書かれた書物(翻訳されたもの)がなかなか見当たりません。あったとしても、その歴史的・文化的背景が理解できなければ、その醍醐味を理解することもできません。なによりも語学力が無いのも致命傷!そういう事もあって、『今日のかけら』でもヨーロッパの木はついつい後回しになっております。
『ヨーロピアン・ウォールナット』をはじめヨーロッパからも沢山の木材が輸入されていますが、なるべく学術的な話ではなく(話そうにも知識がありませんが・・・)、民間伝承・木物語・その用途やそれを使った商品など具体的で身近なエピソードをお伝えしたいと思うのですが、まだそこまで力が及んでおりませんので、ただいま資料集めや読み込み中。『今日のかけら』で東欧、北欧材を取り上げて!というありがたいリクエストもいただいているのですが、もうしばらくお待ち下さい。
さて、番組では古代ギリシャ文明の象徴とされた白い大理石の彫刻や白亜の神殿などにも極彩色の塗料が塗られ、実は驚くほどカラフルで美しい姿かたちをしていたというのですが、今までは白亜の造形美と信じ込んでいたものが、まったく違ったと言われるのはかなりのインパクトがありました。同時に、数百年も経ってからそれを解析できる技術力の凄さにも驚きを覚えました。歴史の闇は、技術力だけでなく、当事者の子々孫々にその影響力が及ばなくなって初めて解明されていくものでしょうか。
さらに番組では、白亜で純潔のイメージが共用される中、「白く、もっと白く!」という圧力の中、大英博物館においても歴史的所蔵品に白化作業が行われたという事件を取り上げていました。歴史は常に利権を握った者が書き直していくものではありますが、よくもこれだけの長きにわたってその事実が表舞台に現れなかったのか、むしろそちらの方にも驚異を感じてしまいます。色がついていたと知ると、どことなく高潔でお堅く気難しそうなイメージのギリシャ文化に、遊び心が見えてくるから不思議なものです。
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