森のかけら | 大五木材


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20120729  1チカミハウス」は、古民家のリノベーションという事で、逆にどういう床材を選択されるのかしらとこちらが興味津々。私が日々目にするのは単独のフローリングの姿のみ。それが現場に納められると、壁や天井やクロスや建具や、最終的には家具などとどういう風に調和していくのかまったく見当がつきません。材木屋の立場としてご提案出来るのは、施主の意図した漠然とした思いを具現化して、我々材木屋にも分かる言葉に変換・翻訳してもらう「設計士・演出家」が傍にいるからこそ。

 

20120729 2それが同じ嗅覚・視覚を持つ「血族」であれば、より一層微に入り細に入ったご提案が出来るというもの!「あうんの呼吸」とでも言うべき、「感覚」が共有できれば話は盛り上がる一方。しかし真剣になればなるほど良い意味でのぶつかり合いもあります。設計士の妄想材木屋の頑固職人の矜持・・・施主様側の客席からは伺いしれようもない演出家とスタッフの激しい葛藤もあるのですが、そういう舞台だからこそ良いものが生まれてくるのだと思います。特に今回は10ヶ月近くに及ぶロングラン公演ですから、長い公演の期間中には大なり小なりの衝突もあります。ダラダラと仲良しクラブの学芸会では進歩はありません。良き舞台では、演出家とスタッフの間にはゆるぎない信頼関係と見えざる緊張感があります。その楽しい葛藤の様子は『はたらく石』にてお楽しみ下さい。

 

 

20120729  3さて、『チカミハウス』で選ばれたフローリングは、『タモ』。60有余年の時がしっかりと刻み込まれた古材とのバランスを考えて、オイルを塗るとやや太目の木目がくっきりと明瞭になるタモが選ばれました。先に弊社の倉庫でオイル塗装させていただくのですが、納品時にはまだまだ壁や天井の姿は設計士さんの頭の中。完成してしまえば、もうこの家に『タモ』以外なんてありえないでしょう的な堂々とした風格すら漂わせながらそこに佇んでいるのですから・・・配役の妙。

 

20120729  4この『タモのフローリング』ですが、ここ半年で人気沸騰の有望株です。年輪が緻密なので木目は大柄でも全体的に引き締まった印象があります。軽微な節や色ムラ、カスリも含むグレードですが、それがかえって『チカミハウス』の古き先住民とは相性が良いようで、古材と新材の違和感がありません。数年前から白系の床材が好まれる傾向がありましたが、それを使う明確な意図があってこそ、材も充分に魅力を発揮するというもの。『チカミハウス』で選ばれた素材にはすべて明確な演出家の意図が見てとれるのです。




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