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昨日のブログで、いつか木の本を出すのが夢と書いたら、今までに『適材適所』やこのブログで散々木の事書いているのに今更「これから消えゆく紙媒体」なんかで本出さなくもいいうやろ~なんてお声をいただきました。違うんです、神とデジタルメディアでは全然違うんです!昭和世代としては、新書をめくった時のページの間から漂うインクの匂いと最初に折り目をつけるドキドキ感。やっぱり紙なんです。そんな木の本を、間違いなく私より先に出すであろう材木変態男がこちらの『浪速のブラックマンバ』こと戸田昌志くん。 |
戸田君は大阪の茨木市にある(資)戸田材木店の専務で、確か年齢的には私より10歳ぐらい年下なのですが、私の会った中ではいわゆる「世代間最強の木フェチ」。正真正銘の真性ド変態です!私の木の話は主に、本当のような嘘のような、嘘のような嘘の話(結局全部嘘かいっ!と突っ込まれるような)が主で、けもの道を往く外道にふさわしいそれなのですが、昌志くんの持ってる知識は王道のそれで、話もアカデミックなデータに基づいていて理路整然。悔しいけれどどう逆立ちしたってその分野では太刀打ちできません。お世辞抜きに凄いです。 |
その戸田くんですが、SNSでは繋がっていても今までたまたま機会がなくて会えていなかった『金沢のうながっぱ』こと水野斎君と顔合わせに導きました。うわ~、変態同士の歴史的共演!このふたりに共通しているのはとにかく経験値が半端でないので「生きた木の情報」をふんだんに持っている点。都会との交流が遮断された四国の島国の材木屋の悲しさで、私は商売としての木に関する経験値が圧倒的に低くて、私の知識は本で得たものばかりで薄っぺらい。その嫉妬心、悔しさが私のものづくりの原点ともなってはいるのですが。 |
このブログを書くにあたってさまざまな木の本や辞典などを参考にさせてもらっていますが、瀬戸大橋などの橋で本州と繋がるまでは、木の文化については本州とは隔離されていたようなもので実体験はもとより情報も乏しく、ネットも無い時代、本や辞典だけが私を木の世界に導いてくれる「どこでもドア」でした。葉っぱの図鑑や樹木図鑑は数あれど、材木屋の私が欲していたのは伐採後の材木となった木の図鑑。木柄や杢、用途、特徴などが知りたいのです。それで私がずっと愛読しているのが『木材加工面がわかる樹木図鑑』。 |
その本の著者がノンフィクションライターの西川栄明(たかあき)さん。木材や木工、木育などに関するさまざまな本を出版されています。掲載していあるろくろ加工は、愛知県在住の木工家・河村寿昌さん。河村さんとの面識はないのですが、その息子の有軌くんは以前に四国お遍路をしていて弊社にも立ち寄ってくれました。その著者の西川さんが、弊社のブースを訪ねてやって来ていただきました。ビーバー隊長こと武田さんとは親交も深く、いつか紹介してあげると言ってもらっていたので出会いを楽しみにしていたのですが、まさかの僥倖! |
わざわざブースを目がけて来ていただき、短時間でしたがいろいろな話をさせていただきました。直接お会いしたことはなくとも、西川さんの書かれた本のお世話になっている材木屋は全国に沢山いると思います。勿論私もそのひとり。西川さんが2年ほど前に出版された『樹木と木材の図鑑』も愛読していて参考にさせてもらっています。こちらの本では日本の有用樹種101について、立木の姿、樹皮や材面、加工品などについて解説されていて、前書よりもう一歩踏み込んで木の背景の話があるのも嬉しいところ。この本大好評でなんと既に6刷! |
それも西川さんの綿密な取材と業界人だけでなく材木としての情報欲している欲している幅広い層のターゲットへ向けた分りやすい表現力あればこそだと思います。そんな西川さんは7月生まれという事で、7月の誕生木『栃』のストラップをプレゼントしてあざとく記念写真(笑)。誕生木などを作っているのも木の物語を楽しみたいがためで、いつの日にか木の本を出版したいというのが私の夢。勿論私には西川さんのような知識も文章力も無いので、本当のような嘘のような風土記的なものとして。そのためにも『今日のかけら』を早くまとめないと💦 |
大五木材の中で木工クラフトや木工玩具を扱っているのが『木のもの屋・森羅(しんら)』というショップで、家内(高橋佐智子)が担当しています。そこでは全国の木工作家さんが丹精込められて作られた木製品や海外からの輸入玩具など木でできたさまざまな商品を販売しています。最近は落成や出産のお祝いや記念品などとして木のモノを求めに来られる方も増えています。弊社が出店するイベントなどにも持って行って私が店番することもあるのですが、普段携わっていないので使いかなど説明できないこともあってあたふたすることもしばしば。 |
そんなコマやけん玉を作られている(有)博進社の松本晃樹専務と奥様の順子さんご夫婦が弊社のブースに立ち寄っていただきました。電話ではお話しはしていたもののお会いするのは初めて。担当しているのは家内なんですが、木のモノづくりに興味は尽きません。お話を伺うつもりが、お客様に説明していた流れのテンションのままでこちらから一方的に喋ってしまい、もっとお話を伺うべきだったと反省(汗)。しかしやっぱり大事なことは電話やメールでなくて直接会って話さないといけませんね。そこにお酒でもあれば話は永遠に終わらなくなってしまいますが(笑) |
しばらく東京に来ることがなかったので、今回のイベントの楽しみの1つには、全国各地の旧知の先輩・仲間に会えるという事もありました。【森のかけら】の半分は、そういう方たちの思いやりと優しさで出来ています!真っ先にご紹介した石川県の村本さん(ムラモト)や四住さん(鳳至木材)には『能登の至宝・能登ヒバ』、北海道の吉田さん(ヨシダ)には『北海道の巨人・トドマツ』をお世話していただいています。木材の供給だけではなくて、日頃から貴重な情報交換をさせていただいている濃い仲間たちもブースに立ち寄っていただきました。 |
まずはわざわざ大阪よりお越しの『芦屋のロマンスグレー』、松下哲也さん(松下木材・Jクオリア)かれこれ10年ぐらいのおつき合いになりますが、なにやら怪しげな(←大阪なんで一応ボケです)『大阪府みどり公社』というところの森林整備・木材利用促進支援センターの専門スタッフとしてご来場されていました。東京と大阪はともに都の木・府の木が『イチョウ』ということからも分る通り、街路樹などにも沢山植樹されています。『都市林業』を標榜する私としてはまさにうってつけ、という事で旧交を温めつつも少しはまじめな話もしました(笑) |
更にお隣の千葉県からは、『森のかけらコンプリートモンスター』こと高梨悟くん(高梨木材)。【森のかけら】に限らず弊社の商品を次々とご購入していただき、このままだと千葉営業所が開設できるほどの濃いコレクターです。高梨君の会社はその前の台風で大きな被害の出た千葉県富津市で、今でもまだ傷は癒えず、破損した屋根の修理などで使われる桟木などが不足していて、周辺の木材需要が一変したなど詳しい情報も教えてもらいました。そんな忙しい中を割いてわざわざ立ち寄っていただき本当にありがたいです。 |
その高梨君が、地元千葉でカヤックを製作されている人に木材を供給されていたのですが、その人が仕事の都合で千葉を離れることになったのですが、その方の転勤先が愛媛で仕上げの材を求めて偶然弊社にやって来られて、話を聞いてつながりが分ったという事もあったりしました。森には県境なし。左の写真はフレーム289を買ってくれた高梨君がわざわざ外に持ち出して夕焼けの東京湾を背景に撮ってくれて美しき一枚。それにしても、写真を撮らせてと言うと、こちらから支持も出していないのに皆めいめいが、そのあたりにある小物を手に取り勝手にポーズを決めてくれるようになったのは、長年の『強要』の成果でしょう(笑)カメラを向けられたらとりあえずなにか商品を手にして映らないと、後で何か言われそう、という刷り込み。そうやって少しずつ確実に洗脳は進んで行く・・・ |
更に地元東京からお越しの『新木場の赤胴鈴之助』こと前田英樹くん(五感・木魂)。前田君は全国各地の木の生産者を訪ねてはそれぞれの地域の特徴を活かした内装材を作り、丁寧にものづくりの背景も伝えながら販売をしている木のコンシェルジュです!そんな前田君の周辺でさえ、昨今の宅急便等の輸送状況の変化に伴い商材をシフトせざるをえないようで、全国的に木材業界を取り巻く環境は猛スペードで劇的に変わっている事を実感させられました。これから一体どこに向かって舵を切るべきか、材木屋の資質が問われています! |
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