森のかけら | 大五木材


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20160126 1寒さ厳しい日曜日の早朝から恒例の消防出初式に参加。団員でありながらほとんど現場では活躍できてはおりませんが、まあこういう「活躍」は無いにこしたことはないのかもしれませんが。昨年に会社から数キロ先のところで、昼間火事があって、ちょうど昼休みで自宅に戻って食事をするところだったので、現場に駆けつけました。2階からの出火で、誰も住人がいなかったのが不幸中の幸いでしたが、白昼の住宅街の火事に野次馬が沢山集まってきて周辺は一時大騒動になりました。

 

その光景に悲しい記憶が蘇ります。実は弊社でも昔、倉庫で失火して材の一部を燃やしてしまうという苦い経験があって(それが消防団に入るきっかけにもなったのですが)、本来決して燃えてはいけない家が、木が燃えていく光景を目にすると胸が痛くなってしまいます。さて、そういう火災はあったものの、私が所属する分団の地域では総じて火災は少なく、法被や制服は主に訓練で着ることが多いというのですが、昨年末にその消防団員が着る法被が全面的に改善されることになりました。

 

20160124 3帝人松山事業所さんと松山市が共同して、燃えにくいアラミド繊維という素材を使った難燃法被を開発して、松山市の消防団員全員にそんれが配布されました。聞くところによると、難燃繊維を用いた法被が作られたのは全国初ということで、我々松山市の消防団員が初めてその難燃法被に袖を通すということ。200度で炭化して燃えだす従来の法被に比べると、その倍(400度)まで持ちこたえ、燃伝導率も低いうえに、火傷もしにくいという、実にありがたい法被なのです。

 

防火服などには取り入れられている素材ということらしいですが、法被として作るのはなかなか難しかったそうです。実際に着てみると、ちょっとゴワゴワ感があります(今までのが先輩からのお古だったこともあるせいか、新品のノリが効きすぎていている感じ)が、それが命を守ってくれるアラミドの証なのだと思うと、ありがたみを感じます。燃える素材を扱っているのに、普段はついついその事を忘れてしまいがち。こういう行事に参加することで、気を引き締めて何よりも安全第一!




20160126 1昨日の続きで、井部健太郎君の会社・久万造林の事務所の2階の物置から見つかった古い台帳について。大きめの段ボール箱一杯に、詰め込まれた古い台帳などが広げてありましたが、それが今から200年以上も昔の寛政年間の頃のものもあったのです。寛政時代といえば、11代将軍徳川家斉の時代で、学校で覚えた『寛政の改革』が思い浮かぶぐらい歴史の中の言葉ですが、その時代のものが目の前にあるというのは不思議な感覚。

 

さて、それだけ歴史ある古書だけに、シミの被害も結構なことになっていて、その時代時代の紙質によるところもあるのでしょうが、中にはすっかりシミの餌食となって、幾何学的な模様を刻まれているもののありました。久万の町史的にも貴重な資料なのかもしれないので、保管先も検討せねばということでしたが、個人的にはここにイチョウの栞を挟んでこれ以上シミの被害が広がらないかどうかを実験してみたいところ。

 

それらの資料の中に、古い山林地図もあったのですが、山主ごとに綺麗に色分けされてありました。それがどこのあたりを指示しているのか、久万の地理に疎い私にはさっぱりですが、見る人が見れば分かるようで、かなり小さな部分にも番地が割り当てられしっかり管理されていたことが伺えます。時代がいつ頃のものなのかよく分かりませんでしたが、当時はこの山がいずれ子孫たちにとって宝の山となると願っていたことでしょう。

 

残念ながら今のところ、先人達のその願いは結実したとは言えないような状況ですが、山の価値観が当時よりも低くなったというよりは、偏重しすぎた『森の出口』のつけがきていると言うべきかも。特に久万の場合は、スギ・ヒノキに偏った林業政策に舵を切ったことで、昔ながらの出口しか持たない者にとっては苦難の時代ですが、人の人生山あり谷あり。それよりもっと長生きの山の樹生にも苦あれば楽あり、先は長い。




Waiwaiwaiカフェ』のカウンターには、久万高原町産の『イチョウ(銀杏)』の木が使われています。通常、カフェやショットバーなどの長いカウンターの場合、長い1枚板でいくか、長さ方向に材を足すか、幅を足してレンガ積みするかのですが、こちらでは横に並べて使うという意趣溢れる使い方をされています。立ち木の時の姿も見ているとのことで、それがオスのイチョウだと分かっています。そのためイチョウ独特の鼻をつく匂いもかなり薄目。

その久万高原町産のオスのイチョウの一部は弊社にもおすそ分けをいただきました。最近、テーブルやカウンターとしてもイチョウが人気のようですが、昔ならありえない話でした。たまたま幅広のイチョウを手に入れて、テーブルなどに提案しても、「そんな柔らかくて臭い木が使えるか~!」とベテランの大工さんには相手にもしてもらえませんでした。ヒノキの柔らかさには異常なほどに寛容なのに、なぜだか不思議でした。

ところで、そんな香りに特徴のあるイチョウですが11月の誕生木です(ちなみに木言葉は長寿)。その出口商品を考える際に頭に浮かんだのは、栞(しおり)でした。なぜ栞なのかというと、原始的な特徴を持ち、古い本などが大好物の『紙魚(シミ)』という昆虫がいますが、そのシミが苦手なのがイチョウの匂いで、それを知っていた昔の人々は、イチョウの葉っぱを栞として本に挟み、シミが寄り付かないようにしていたのです。

井部君のお店に立ち寄った時に、ちょうど事務所の2階の物置を整理していて、かなり古い会社の資料が出てきましたよというので拝見させてもらったのですが、それは久万町がまだ菅生村と呼ばれていた頃の昔の昔の町政などの記録。健太郎君のご先祖がそういう仕事をされていたということで、保存されていたことのようですが本人も初見のもの多数で、表紙には寛政年間のものも!寛政年間といえば、今から200年以上昔!明日に続く・・・

 

 




20160123 1 先日、雪の積もった日に久万高原町に行った話をアップしましたが、それより少し前の年末の天気のいい時に久万に行った時の話です。昔は、久万に材料を取りに行くといえば、柱など角材が中心でしたが今はその多くが板物、あるいは丸太買いして賃挽きしてもらった材の引き取りです。板物というと、具体的には破風板、貫、胴縁などのいわゆる羽柄材です。社員がひとり定年で退職したため、配達に影響の少ない土曜日に取りに行くことが多いのですが、その際寄り道させていただくのがこちら。

 

20160123 2 盟友・井部健太郎君が製材工場跡地に作ったWaiwaiwaiカフェ。常時店は開いているわけではありませんが、事前に連絡を取っておいて、打ち合わせがてらいつもコーヒーをタダ飲みさせていただいております。打ち合わせといっても、目先の仕事の木材をどうするこうするといった話ではなく、健太郎君の標榜する『100年後の森』の話から、小さな小さな森の出口商品の話まで多岐にわたります。カフェという場所ができたことで、ここを起点としてさまざまな異業界との方とのご縁あり。

 

20160123 3以前から、いつかそんな事でも出来ればとよく話していましたが、実際それが形となって、そこでコーヒーでも飲みながら、この木で作ったものを世界へ届けるには~なんて話をしていると、不思議な感覚に襲われるのと同時に、有言実行した健太郎君の行動力と判断力には頭が下がります。そういう人間に対して、すぐに妬みやひがみ根性丸出しで、効果は?結果は?と他人の懐具合を心配してくださる奇特な方がいらっしゃいますが、そんな事を訊いてなにがしたいというのかしら?

 

20160123 4歴史があって、仕事の流れが型にはまっている木材従事者にとって、今までにない新しい形や変わった波は、受け入れざるべき忌まわしいもの。もしかして現在の自分の立ち位置すらも脅かしかねない歓迎せざるもの、と映るのかもしれません。なにより、その新しきものが成功し、世間に受け入れられることで、今までの自分の仕事そのものが否定されかねないなんて考える方がいるのかもしれません。業界的にはアウトサイダーである私などは、阿保がまた調子に乗って何か変なこと始めたでと、いつも冷ややかな目で見られていますが、若い頃は気になったそういう事も、ある時期を契機にすっかり気にもならなくなりました。ようやく、誰にも気兼ねせずにそういう事が出来る時期がやってきました。強い思いが濃縮されて、かなり濃いものがこれから形になっていきそうな予感。




20160122 1雪の中、危険を冒して久万まで行くのならついでに雪景色を拝借して撮影をしておこと、トラックにいくつか商品を積み込んでおりました。その1つが、こちらの『スノーファーマン』。12月の誕生木である愛媛県産の『樅(モミ)』の木を素材として作ったディフューザーです。ブビンガで作った赤い帽子は着脱式になっていて、それを取るとガラス管が入っているので、そこにお好みのエッセンシャルオイルを数滴たらしてアロマの香りを楽しむというメルヘンチックな一品でございます♬

 

20160122 212ヶ月の誕生木それぞれの出口商品を作る~!と意気込んで取り掛かったものの、いまだ9・10・11・12月の4ヶ月分が出来たままで停滞している怠慢です・・・。各月ごとの物語やエピソードと誕生木の特徴の擦り合わせ(後、加工やコストなども)に頭を悩ませる中、いの一番にひらめいたのがこのスノーファーマンでした。雪国生まれでもないくせになせか雪だるまのフォルムに強く惹かれていて、何かこの形の商品を作りたいという漠然とした思いが結実しました。

 

20160122 3それゆえに愛着もひとしおで、売れるかどうか、評価されるかどうか、などということは論外とばかりに勢いで作ってみたものの、ほとんどPRもしていないのと、作るまでの情熱は火傷するぐらいに熱いものの、『完成してしまうと燃え尽きてしまう症候群』に感染しているため、出来上がって商品棚に並んだスノーファーマンを見ているだけで心が穏やかになり満足するというかなり危険な症状を発症。むしろ手元から離したくはないという商売人としてはあるまじき末期の事態に・・・

 

20160122 4もうそういう症状が何年も続いていて、雪がちらつく頃になると、スノーファーマンを眺めながら「ああ、今年ももうすぐ終わるのだ」と感慨にふけり、雪の季節が終わる頃になると季節の変わり目を実感していたのですが・・・はっと我に返りました!いかん、いかん、このままでは妄想世界の住人になってしまうと一念発起してスノーファーマンを外に連れ出してみたのでした。雪の積もった丸太の上に佇む健気な姿を見ると、なぜだか涙が溢れてきそうになって、やっぱりお前は手離さんぞ~!

 

スノーファーマン:110×80×65mm ¥4,500(本体のみ、消費税、送料別)

本体:モミ 帽子:ブビンガ 目&ボタン:ブラック・ウォールナット 無塗装品




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