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誕生月と木言葉を合わせて作った『誕生木(たんじょうもく)ストラップ』ですが、お陰様で少しずつ売れ始め、この後開催される各種イベントでも出張販売させていただく予定なので慌ただしく製作に励んでおります。ただ準備不足もあって、現在ストラップ紐の入荷待ち状態となっていて課題も浮き彫り。小さな商品ではありますが、材料の木取り、加工、毛羽取り、レーザー彫字、紐付け、台紙等封入、シール貼りなど結構作業が多いため、どこか1つ止まると流れなくなってしまいます。
まあそのうち慣れてきて流れもスムーズになってくると思います。数が限定された商品だと、作るのに慣れた頃に終わるというのが定番ですが、終わりなき航海ですからこれからそれぞれの工程がどれぐらい効率よくなっていくのかが楽しみなのです。『森のしるし』も、もうすぐ累計で20,000個になります!およそ3年前に作り始めたのですが、どうせすぐに売れなくなるという周囲の冷たい声を余所に地道に数を重ねて参りました。気がつけば『家紋』シリーズも展示ケースに入り切れないほどに増殖!
家紋シリーズ以外にも、愛媛大学さん、愛媛銀行さん、伊予銀行さん、マンダリン・パイレーツさんなどからコラボ商品、企業向けノベルティとしてのご注文もいただきました。また、少し傷があったり毛羽が強いB品については、子どもたちが自分で絵を描いて楽しむ木工イベントに使っていただくなど、文字通り余すことなく骨までしゃぶらせていただいているところです。素材も最初は愛媛県が誇る『ヒノキ』が主でしたが、その後はテーマやTPOに合わせて樹種もドンドン増えてきました。
海外に出かける方に持って行っていただき、それぞれの国でその国の方に『森のしるし』を持っていただき写真を撮るという形で「海外進出(?)」も果たしてきました(お陰で既に10か国を越えました)が、このたび本当に海外で販売していただく事になりました。今までもサイトでは海外向けに販売をしておりましたが、単発のイベントとしてではなく、実際にショップに置いてもらって現地の方が手に取ってみていただいて購入できるというのは初めて。それについての詳しい情報は後日改めて〜。
話が脱線したついでにもう少し脱線してジャッキー・ロビンソンの話をもう少し・・・・彼はさまざまな障害や偏見に立ち向かい、有色人種にその後の道を切り拓いた偉大なる先人で、その偉業を称えるためにメジャーリーグでは1年に一度全員が42の背番号をつけてプレーします。42は全球団共通の永久欠番となっています。今多くの日本人選手がメジャーリーグで活躍していますが、それもこの偉大なる先人の挑戦がなければ道は閉ざされていたままだったかもしれないのです。
相当激しいバッシングや偏見があったことでしょうが、それに屈することなく堂々と立ち向かい、ナショナルリーグのMVP、新人王、首位打者、盗塁王などに輝き名実ともに一流選手の仲間入りを果たしたのです。どの業界でも新しい事をやろうと思えば激しい波風が立つもの。そういう意味では川上君も生き馬の目を抜く店舗業界で、大胆とも無謀ともいえるような挑戦を続けていて、いろいろ偏見や敵も多いのかもしれませんが、そんな事を気にするタマでもないでしょうから今後も更なる大暴れを期待しています。
さて、その『Philly’s』で話をしているとオモシロイものを発見!巨大な鉛筆、当然木製。木製といってもスギの原木を丸々1本使って作った『原木鉛筆』!ようやくペンシルシーダーの話につながりました(汗)。長さ2m、直径100mm程度の原木を少しカットして先を鉛筆削りで削ったっぽく削り(当然これが削れる巨大鉛筆削りなんてありませんので、電動カンンナでそれっぽく削ったそうですが、それが8面あるので結構大変だそう)、色を塗っているのでかなり鉛筆っぽく見えるのです。
これがどれぐらい大きいのかいうと、実際に川上君に原木鉛筆を持って字を描く真似をしてもらいましたがご覧の通り!これはオモシロイ~!何がどういうわけとか、これをどう使うとかいうわけではないのですが、その馬鹿馬鹿しさがただただオモシロイ!!これで文字なんて描けませんし、実用的でもありませんし、その労力を考えればこれを作って一体どうするの?なんてシロモノかもしれませんが、こういう発想を実際にやってみるその行動力こそが彼の持ち味にして最大の魅力!
実は以前、ネットでこれと同じような馬鹿馬鹿しい事をやっている人を発見。どこの国だったか忘れましたが、それがこちらの草原に横たわるカラフルな原木の色鉛筆!まあ、ここまでやり切ってしまえばもうアートなのでしょうが、削り具合の繊細さを見れば川上君の方に軍配が上がると思います。これこそまさに嘘偽りのない本物の『ペンシルシーダー』!世間にはきっとこれを面白がって買う人っているものです。ただしコレクター魂に火を点けるためにはせめて12色は揃えておかないと・・・ガンバレ~!!
昨日の『ペンシルシーダー』にちなんで本日も『鉛筆』にまつわる話。今年の夏に松山市木屋町に一軒の小さなカフェがひっそりとオープンしました。その店の名前は『Cafe Philly’s(フィリーズ)』。店のオーナーは、10数年来の付き合いである『店舗屋さん・K′craft 』の川上陽介君(有限会社 すずかけ商会 代表取締役)。弊社の懐刀でもある善家雅智君(ZEN FURNITURE) とは高校の同級生で、卒業後二人が木工の道を目指してこの世界に飛び込んで来てからの長い付き合いです。
店の名前の『Philly’s』というのは、川上君がアメリカに留学していた頃に住んでいた場所にちなんでいるという事ですが、そこはペンシルベニア。そしてペンシルベニアといえば、1883年設立以来球団名の呼称が変わることなく続いているメジャーリーグでも伝統のあるフィラデルフィア・フィリーズ。本拠地は、ペンシルベニア州フィラデルフィア。 ちょっと話が逸れますが、フィリーズといえば私がまだ子どもの頃、当時世界最高の三塁手と評された名選手マイク・シュミットが在籍していました。
この矛盾に満ちた名前はなにもニヤトーに限った事ではなく、例えばブラジルの『セドロ』も広葉樹でありながら、『スパニッシュ・シーダー』の別名があります。しかもブラジルなのにスパニッシュ!これは『今日のかけら/セドロ』で詳しく説明させていただきましたが、かつてブラジルがスペイン領であったことと、削るとシーダーのような香りがするからという事で、地域で使われる木の名前がいかに材の特徴を現わしたものであるのか、またいかに分かりやすい木に見立てられるのかという事の証明です。
そう考えれば、PNGでも赤身を帯びたニヤトーをペンシルシーダー(一般的には、北米原産のヒノキ科の高木インセンス・シーダーを現わす俗称として使われる。これこそ本当の鉛筆の木。カリフォルニア香杉 とも呼ばれる)のような香りのする木に見立てて表現したのかもしれません。木の名前って日本でもそうですが、本来の言葉が訛ったり、変化したり、つけ加えられたり、短縮されたりしながら口伝で形成されてきたものだと思うので、そのルーツって案外聞き間違いとかということだってよくある事。
また日本人の感覚では考えらない概念もあって、やや赤身の薄いニヤトーを『ホワイトナトー』、あるいは『レッドシルクウッド』と呼ぶに至っては、何がホワイトで何がレッドなのやら・・・。でもその曖昧さ、おおらかさこそが誰にも愛される自然素材・木の醍醐味なのではないかと思うのです。それが人を騙すためとか市場を混乱させるためというのなら別ですが、自然発生的に起きた命名であるならば、それはそれである種その木の人気のバロメーターのようなものではないかと思うのですが。
そのニヤトーのまあまあ重たい方バツの敷居サイズと、比較的軽い方のニヤトーの板が少しだけ残っているのですが、この辺りでの需要を考えると『端材』扱いで、『森のかけら』や『モザイクボード』などに小割して使った方がいいのかもと思案中。全国的にみれば、今もふんだんにニヤトー一族が流通している地域もあると思われますが、愛媛については「終わってしまった木」という感覚になってしまっているのが寂しいところ。やはり活躍できる場面がなくなると出番のない木は次第に忘れれてしまうもの・・・
細かく割り返して使うのは最終手段で、何か大きなままで利用できる場面がないか出口の探求は続けるのですが、性質が似ている南洋系の木については、個々の木で明確な使い分けが定まりにくいというのが実情です。特にニヤトーはシリカが含まれているため刃先を痛めるため尚更なのです。でも昔はこの木を造作や内装、建具にまで使っていたのですから、今よりも木の個性に寛容だったというか、あるものは何でも利用してしまえの精神が旺盛だったのか、怖いもの知らずだったのか、今があまりに神経質なのか・・・
★今日のかけら・#185 【ニヤトー】 Nyatoh アカテツ科・広葉樹・東南アジア産
以前に鉛筆に使われる木『イチイ』の項で、少しだけ触れたことがあったのが、『ペンシルシーダー(鉛筆の木)』の名称を持つ『二ヤトー』という木。インドシナ半島から東南アジアの島を経てパプア・ニューギニア(以下PNG)、南太平洋、オーストラリア、ニュージーランドまで広く分布しているアカテツ科の数属の比較的軽軟な樹種の総称です。100種以上もの樹種の総称として使われているということもあって、「二ヤトー・グループ」に含まれるメンバーの個性も呼び名もさまざま。
主なものだけでも、ナトー/Nato(フィリピン)、Palai(インド)、Masang(タイ、ソロモン)、Viet(ベトナム)、Sacau(フィジー)、Nato(フィリピン)などなど。日本での一般的な呼び名であるニヤトー(Nyatoh)が使われているのは、マラヤ、サワラク、ブルネイ、サバ、インドネシアなど(国と地域)。そして問題のペンシルシーダー(Pencil cedar )という呼び名が使われているのがPNG。そこでは色調に合わせてホワイト・プランチョネラ、レッド・プランチョネラとも呼ばれています。
100種を超す大グループですから呼称が多いのも当然で、その個体差にも幅がありひと口にニヤトーといっても重さも硬さもさまざま。気乾比重も0.47〜0.89までと相当幅があるのですが、サバでは0.88以下のものをニヤトー、それより重いものをニヤトーバトゥ(Nyatoh batu )と呼んで区別しています。なのでこの辺りでもニヤトーとバトゥ(愛媛ではバツと言いますが)と、それぞれの名前で呼び分けられていましたが、今ではそのどちらも使われる量が激減していずれの名前を聞く事もなくなりました。
昔はよくバツを敷居などに使ったものですが、なんといってもこの木は重い!また、肌目が粗くシリカを含んでいる事から蝋を触っているような独特の触感があり(それで敷居など滑りを求められる場所に使われるのですが)、持ち運び中に粗いそげらが手に刺さる事もしばしば。ところでなぜにこの木が『ペンシルシーダー』と呼ばれるのかという理由は今もまだ分からない(鉛筆に使われているわけでもないのに)だけでなく、なぜ広葉樹の木なのにシーダー(スギ)という針葉樹を指す言葉が付いているのか?
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