森のかけら | 大五木材


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本日も黒田かけら探検隊御一行のお話し。後になると必ず忘れてしまうので、今回も早々にサインの儀式。『霧島栂』にお名前いただきました。先日少しだけ触れましたが、黒田先生は樹木組織の専門家ですが、同時に里山の管理や保全に関するスペシャリストでもありますが、地元神戸を代表する名山・六甲山の森林資源についても研究されていていらっしゃいます。その中で問題になったのが、『アセビ(馬酔木)』という木の存在。その名前からも分かる通り毒性を持つこの木が厄介者扱いされていました。

六甲山というと、阪神ファンの私としては阪神タイガースの応援歌『六甲おろし』しか思い浮かびませんが、神戸の人にとっては暮らしにも密接した自然のランドマークであり、市民の誇りでもあるとか。山に対する畏怖や畏敬の念tごいうと、正直なところ昔はあまり意識したこともなく、あって当たり前という空気のような存在でしたが、近年幾度となく登山するようになった霊峰・石鎚山に行くと、こんな私でも何か敬虔な気持ちになって、万物の気配に敏感になります。山岳信仰にはまる気持ち分からないでもないです。

六甲山はそういう類の山なのかどうかは分かりませんが、植林された山とはいえ100年もすれば立派な森が生まれていて独自の生態系が形作られているのだと思います。そういう中にあっても、毒性があって用材としての利用が未確立の木は手に余る存在で、伐採も進まず六甲山整備のための障害ともなりつつあったようです。山なんて自然なんだからそのまま放置しておけばよいとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、一度人の手が入った山はその後も人が責任を持って整備していかねばなりません

自然なんだから放っておくといずれ山は荒廃していきます。自然という言葉からアマゾンのようなジャングルと混同してしまいがちですが、そこは大きく異なるところ。勝手に適性の木が育って豊かな森を作ると思ったら大間違いなのです。黒田先生はそういう観点から六甲山の森林整備も考えられて、今はまだ利用価値のほとんど見出されていない(利用価値が無いのではなく)アセビにも何かの『出口』を与えられないかと案じられています。私もいまだ『森の毒りんご』しか思い浮かんでなくて歯がゆいところ。まだまだ続く・・・




黒田探検隊のその後の様子・・・続いて倉庫に移動。いつもは二階でお話をした後に倉庫に行くパターンですが、その流れだと話が盛り上がりすぎて実際に木を見る時間が無くなるという痛い経験をしてきたので、今回は素人の皆さんではないので、話よりも先にマニアックな木を見てもらうことに。すると皆さん興味津々で嬉々として木にカメラを向けられてるの図。こちらの認識不足もありましたが、木の事を研究しているとはいえ専門は細胞などのミニマムなので、こういう状態の木を目にする機会は少ないとの事

普通の材木屋にあるような木をご覧いただいても仕方がないので、なるべくまともではないようなマニアックな木をお見したのですが、いちいち反応がこちらの想像以上に強くて偏屈材木屋冥利に尽きます。こちらは『ゼブラウッド』の端材を食い入るように見られている図ですが、普通はその芸術的な木目の美しさに惹かれるところですが、皆さんの興味はそこではなく、如何にしてこういう木目が形成されるのか?!う~ん、視点の違いでゼブラウッドの見方も随分変わるものです。

そのまま二階に移動して今度は、先ほど見てもらったマニアックな木から生まれた商品を見たもらいます。言い方は失礼かもしれませんが、既に黒田先生によって【森のかけらの洗礼を受けている「信者」たちばかりなので、何を喋っても打てば響きまくり!しかし商品を見る視点は、単なる面白いものへの関心や好奇心ではなく、原料の木がどういう特性を持ってこういう商品に加工されたのかとか、どういう樹種がどういうものに活用できるのかなど、あくまでも研究者的な立場。その根っこには木への深い愛があります

そういう場面であろうとも商売の事は忘れません。ちゃっかり【森のかけら】をはじめとする一連の商品のPRも怠りませんが、そこは黒田先生の洗脳が強く効いていて、その内のひとりはその場で【森のかけら】の購入を決断。いや、既にここに来る時点で買う気満々だったようで、買うか買わないかを迷っているのではなく、どれを選んでどれを外すかを思案中。洗脳がしっかり効いて完全に棺桶に片足を突っ込んでいる状態!結局、選びきれないので現在あるだけ全部のかけらを購入することになってしまいました、見事なマニアっぷり!かけら冥利に尽きる・・・涙。更に明日へ続く。




神戸大学大学院農学研究科教授黒田慶子先生御一行が先日ご来店いただきました。直接一度もお会いしたことの無い人とも気軽に日々やり取り出来るSNSのお陰で、全国の多くの木材ファン、木フェチとも楽しく交流させていただいていますが、黒田先生もそのうちのおひとりで、私にとっては直接お会いできるその日を夢描いておりましたが、その日は突然やって来ました。強く願うことはいつか実現するってヤツ。香川県で里山林管理に関するセミナーに来られるついでに弊社にまで足を延ばしていただけることになったのです。

黒田先生とゼミ生とOBの合計5名のかなりもの好きと思われる(わざわざここまでやって来られるわけですから相当でしょう!)皆さんがご来店。黒田先生は既に【森のかけら】をコンプリートされていて、授業でも学生たちに触らせたり観察させるなどしてご活用いただいています。黒田先生の専門は、森林病理学,樹木組織学で、ワークショップでは樹木組織を顕微鏡観察されたりするのですが、その際に【森のかけら】もしっかりと観察されています。こうなると【森のかけら】にも一気にアカデミックな色合いが!

黒田先生は神戸大学の前は森林総合研究所にお勤めで、以前に『才の木』でお世話になった京都大学の高部圭司先生とは京都大学の先輩後輩の関係。そのこともあってかねがねお噂はお聞きしていたのですが、それとは別にビーバー雑木隊武田製材(三重県多気郡)の武田隊長ルートから入った話が直接メールをやり取りすることになったきっかけです。それが『六甲山の森の毒りんご』!詳細については以前にその経緯について書かせていただきましたが、黒田先生は里山のスペシャリストでもあられます。

最近いろいろな方が全国各地からお越しになられるようになりましたが、今回のように目的がはっきりしている(マニアの巣窟探検!?)場合は話も早いので早速ご案内。と、思ったのですが、偏屈材木屋の「多様性」を知っていただくために『木のもの屋・森羅』にて木の玩具などを見ていただきました。皆さん木の事を真摯に学ばれる研究者ですが、無垢な木の玩具にあっという惹き込まれます。研究者すらも瞬時に虜にするのが木の魅力、いや魔力!明日に続く・・・




愛媛の女性情報誌「愛媛こまち」の中に、「こまち読者の”欲しい”リクエストをクリエーターにリクエストして”気になるアイテム”を作る」というコラボ企画があって、今回は弊社も日頃からお付き合いのある家具職人・カグマ製作所馬越崇永君に声がかかりました。今月のリクエストは、『食卓を彩る木製食器がほしい!』ということで、馬越君が作り出したのが木製トレイコースター。その商品を弊社で取り扱わせていただくことになり、今月の20日から3月31日まで期間限定にて『木のもの屋・森羅』にて展示販売させていただきます。

トレイは大と中の2サイズ(大:185✕300㎜ 中:185✕185㎜)、コースターは1サイズ(90✕90㎜)で、樹種はそれぞれブラック・ウォールナット(BW)ホワイトアッシュ(WA)の2樹種。表面は、外丸鉋で削って微妙に凹凸があり、木ならではの触感が楽しめます。また、仕上げには無添加のクルミ油が塗ってあるので、優しい温もりが感じられます。そのあたりの質感が写真では伝わりにくいのが残念ですが、ぜひ実物を手に取ってご覧下さい。それぞれにレザーの取っ手が付いています。

価格は、トレイ(大)が¥3,200(税別)、トレイ(中)が¥2,500(税別)、コースターが¥800(税別)。本来であれば素材的な価値としてはBWの方が高いのですが、そこは馬越君の配慮で特別にWAに価格を合わしているようです。そういう意味でBWにお買い得感はあるものの、こういうものって好みですので、深みのあるこげ茶のグラデーションが魅力のBW、木目が整ってシャープな木柄を楽しめるWA、ちょうど名前もにブラックとホワイトと対照的な名前が付いていて、それぞれ個性的ですのでご自分の好みでお選び下さい

今回はこういう企画だったので小さめの食器を作った馬越君ですが、本来はテーブルや学習机、椅子などの大型の家具を製作しています。中でも椅子作りにはこだわりがあって、以前にペーパーコードで座面を網み込んで作った編み座面の椅子は素敵でした。馬越君も忙しくてなかな時間が取れないようですが、いずれ時間に余裕が出来てストックが溜まれば弊社でも取り扱わせていただきたいと考えています(こまち紙面でも一部に編み細工を施した椅子が映り込んでいます)。現在は玉川町の奥の作業場にこもって家具造りに励んでいますが、その様子は以前にこのブログでもご紹介させていただきました。弊社の営業時間は、平日は8時~17時(日曜日、第二土曜日、祝祭日が休み)、木のもの屋・森羅は道路からも直接出入り出来ます。




えひめのあるうれしい日』で作った『愛媛県産スモモの木で作ったスモモのスプーン&スモモのジャム』の『スモモ(李)』の木については、昨年の3月頃に角材に挽いて上から重しを載せて乾燥させています。ご覧いただけば分かるように、径が小さいためこれぐらいのサイズで挽いても、オール赤身というわけにはいかず白太も含まれます。なるべく艶や光沢も保ちたいので天然乾燥させているところですが、実際に削ってみると『ヤマザクラ』というよりは『シウリザクラ』に似たような、ややくすんだ赤身を帯びています。

スプーンの加工そのものは職人さんにお願いしたのですが、最後の磨き部分は私も関わりました。写真では分かりづらいかもしれませんが、柄の部分がわずかに湾曲していて、スプーンの先端にくぼみがあるのため最終的な仕上げ磨きは手作業になります。昨日も書いたように皮膚感覚だと『ヤマザクラ』よりやや軟らかくしなやかに感じます。磨き始めると、磨けば磨くほどに彫り面がツルツルに滑らかになる感覚がたまらなず、どこで止めればいいのか終わりが見えなくなります。

柄の部分は結構細いのでどんどん磨いていると、そのまま無くなってしまうのではないかなんて考えてしまうほど磨きが癖になります。通常よりも柄が細い分、固まったバターなどを救うには強度の点で不安が残りますが、ジャムであれば問題ないのではないと思います。最後は木製食器専用のオイルを塗って仕上がり。そうして完成したのがこちら㊨。このスモモのスプーンは、『朗-Rou』さんのお店で美味しいスモモのジャムと一緒に販売していただいています。木製スプーンそのものは珍しくもないでしょうが、愛媛県産のスモモのジャムと一緒にすることで新たな価値を作り出そうというもの。

お陰で出口を思案していたスモモにも1つの出口が生まれました。今までほとんど関わりの無かった『食』の分野で木を使うことで、いろいろな発見もありましたし、これから作り始めようと思っていた『フルーツウッド』(果実系の木)についても、出口のヒントになりそうです。フルーツウッドの特徴として、木は小さいけれど材が非常に緻密で滑らかということがあり、触ってその肌触りを楽しめる小モノに仕上げたいという考えがあったのですが、まさにスプーンなどの食器はうってつけの組み合わせ。こちらは『桜のシロップジュレ』。

この黄金の輝きは『金木犀と柊木犀のシロップジュレ』。もはや食べてしまうのはモッタイナイと感じてしまうほどの美しさ!今まで「材」としてしか見えていなかったフルーツウッドの、「実」の部分と繋がることで途端に発想が豊かになります。更に物語性も付加されるとなると、フルーツウッドの出口としては理想的。どうにも『かけら』だけに留めておくにはモッタイナイ、けれども『森のりんご』にするには大きさが足りないなど、いまひとつ活かしきれてなかったフルーツウッドの出口に光明が差してきた思いです。




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