森のかけら | 大五木材


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すっかり遅くなってしまいましたが、『えひめのあるうれしい日』で、道後のBRIDGEさんと四国中央市のまなべ商店とのコラボ商品『イチョウとホオのまな板』に続く第二弾は、松山市内で季節の美味しい手作りジャムのお店・『朗-Rou』(和田美砂さん)とのコラボ商品『愛媛県産スモモの木で作ったスモモのスプーン&スモモのジャム』です。Rouさんは、季節の様々な果樹をそのまま閉じ込めたようなジャムを作られていいらっしゃいます。味は勿論なのですが、見た目もカラフルでとっても美しいのです。

以前に『おとなの部活動』の京都遠征(京都:恵文社・一乗寺店)で初めてRouさんのジャムがズラリと並んだ姿を拝見したのですが、小さなガラスの容器の中で赤や黄色のジャムがキラキラと眩く輝いて見えたのです。【森のかけら】や『森のりんご』など弊社のオリジナル商品のラインナップをご覧になれば分かるように、1つのスペックでさまざまな種類が揃うというのが大好きで、いや大好きというより種類フェチと言ってもいいのですが、そういう私にとっては垂涎の的のジャムシリーズ!

そんな素敵なジャムとコラボさせていただくのは、以前にこのブログでも紹介した近所の農家の方からいただいた『スモモ(李)』の木から作ったスプーンです。そもそもは、【森のかけら】用にいただいていたのですが、かなり大量にいただいたので、とても『かけら』だけでは使い切れず、何か別の形に加工しようと考えていたのでまさにうってつけの出口となりました。それまでスモモで何か作ったことがなかったので、スプーンとしての適性がどうなのか試行錯誤ではありましたが、何度か修正して完成。

樹皮のついた状態だと同じバラ科サクラ属の『ヤマザクラ』に似た雰囲気があります。いただいたスモモは樹齢30年前後ということで、芯を外すとあまり大きなものは取れないのですが、スプーンを作るには十分な大きさ。見た目だけでなく中身もヤマザクラによく似た赤身を帯びていますが、ヤマザクラほどの粘りや強度はないように感じました。最後までしっかりとジャムを掬い取りたいということで、美砂さんの方から形状のご指定があり、全体的にほっそりとして柄の部分が通常よりやや細めのシンプルなスプーンを作らせていただきました。『丸いまな板』の時もそうでしたが、勝手にこちらで作るとつい余計ないらない装飾を施しがちなのですが、最前線で求められる声が反映されると最終的に実用的でシンプルな形に落ち着きます。シンプルはやっぱ強い!明日に続く・・・




ものを見る視点を変えな帰らばというのは勿論自分自身への自戒の念も込めてものことでああるのですが、それを強く感じたのは事務所の一角にあるクラフト商品などの展示スペースに置かれたこれを見て、やわらかいと思っていた自分の視点も凝り固まっていると感じたからです。これは【森のかけら】を作る際に生まれてしまうB品『夢のかけら』にただ線や色を描き込んだだけの「かけら小包」と「ルービックキューブ」ものですが、こういう発想もあるのか~と軽やかな発想に驚かされました。

実はこれ、うちの高校3年生の長女が、家内に頼まれて『森のかけら以外のかけら』の使い方を考えてみてと言われた考えたものだったのですが、後から誰が作者なのかを聞いても、それ自体が自分には無い発想だったので余計に驚きました。どうしても材木屋としても見えざる呪縛のようなものがあって、なるべく木の持つ力を信じるという点に傾倒しがちになります。つまり着色はせずに、本来の木の持っている色を引き出すためのオイルにこだわるとか、奇をてらうような細工はなるべく避けるとか

それを自分の中で『禁じ手』としているわけではないものの、木に対峙する時のひとつの指針としてそういう心構えでいるため、全部塗りつぶしてルービックキューブにするなんて発想は、いかに相手が『夢のかけら』であろうとも、私であればいくら時間をかけようとも思いつかない裏技。強いこだわりを持つことは大事だと思うのですが、あまりにそこに捉われすぎると視界が狭まってしなやかな発想が出来なくなります。こちらはご存知『木の玉プール』ですが、この中にも時々面白いものが紛れ込んでいます。

それがこちらの節や傷、虫穴などの跡が、顔のように見える玉!これをいわゆる『欠点、不良品』かもしれませんが、滅多にないことなので『当たり』と考えればちょっぴり心が豊かになります。イベントなどに持って行くときは、大体1万個の木の玉がはいるわけですが、まあ人間だって1万人もいれば少しは変わった奴も混じっているように、木の玉にだって変わった奴が混じっています。1個そういう球を見つけると、何かにとり憑かれたがごとくに一心不乱にそればかり探す子もいたりして面白いです。

『木の玉プール』には広葉樹と針葉樹がありますが、針葉樹の中でもヒノキの場合、玉の表面にうっすらとヤニが滲み出てくることがあります。『ダグラスファー(米松)』のような粒状のヤニではないのですが、触るとザラリとした触感があってあまり歓迎されません。それでもしばらく使っていれば、子供たちの油や汗やいろいろなものでそれなりに馴染んでくるのですが、それを逆手に取って目玉をつけた『木の玉ちゃん』的なものが出来上がっていいました・・・かけら、木の玉、どこまで自由になれるか!?




永らく乾かせておいた(決して忘れていたとかではなく!)愛媛県産ケヤキ(欅)の耳付き板を奥から引っ張り出し、さあ木取りしましょうと広げてみると、耳の部分に『生き物たちの記録』がガッツリと刻まれていました。これが木材市場で買ってきた高額の板であれば、血の気が失せるところでありますが、地元の小さな丸太を挽いたもので、色や艶を残すために天然乾燥させていたもので、もともとこれで一枚板のテーブルやカウンターにするつもりではなく、割り返して使うつもりだったので意にも介さず。

まだ建築用材と家具用材しか『材の出口』を持っていなかった頃であれば、いくら安く買った材でも虫の材は頭の痛い問題であった事に変わりはないのですが、今や『虫が穿孔して出来た虫穴(ピンホール)』すらも『キャラクター』という名の個性として活かせる出口を確立しました(モザイクタイル)ので、怖いものなし!まあそれにも程があるにはあるのですが、気持ち的に虫穴に恐れおののく事は少なくなって、こういう穿孔跡すらなかなか芸術的趣きがあるじゃないかと思える余裕も出来ました。

そしたら、今度はそれすらも商品に結び付けられないかと考えてしまう自分自身に呆れますが、それぐらいの価値はありそうに思いませんか。もうそうな材としての本質でない枝葉の部分で心迷わされずに、本道の活かし方を頑張らんかい、という声も聞こえてきますが、誰もが相手にしないところにこそ実は大きなチャンスがあったりするもの。これがそうだと言うわけではありませんが、ものの見方のひとつとしてそういう視座も持っておきたいということです。木に求められるものも随分変わってきましたから。

従来からの建築資材や家具資材、土木資材、チップなど出口も大事ですし必要だと思っています。しかし弊社のような零細材木屋が生き残って行く道は、そんな華やかな道ばかりではないように思うのです。これはあくまでの1つの例えですが、ものの見方をどこまで変えられるか、ただのゴミにしか見えなかった端材が【森のかけら】に生まれ変わったように、どういう調味料をどのタイミングで振りかけるかで、出来た料理をどの場面で誰に出すかによって大化けするものがまだまだ眠っているはず

補足解説

バークビートル、樹皮下キクイムシと呼ばれる仲間ですね。幼虫が樹皮のすぐ下ーー内樹皮、形成層、未熟な木部ーーを食べます。材の深くまでピンホールを作るキクイムシより被害は少ないです。病原菌を運ぶ一部の種類を除いて、枯れかけてから(伐採してから)産卵→被害が多いです。ケヤキが倉庫に来た時には、樹皮の下で幼虫がせっせと食べていたのではないでしょうか。食痕が独特の模様になるので、磨けば個性になるかもしれませんね。
神戸大学大学院農学研究科 黒田慶子教授)※黒田先生から補足解説をいただきました。




 

昨日に続いて松山市内のイタリアンレストラン&ワインショップ『UGGLA(ウグーラ) 』さんにテーブルを納めさせていただいた話。ご希望に合わせて、丈夫でかつシンプルに、木の表情が楽しめる『ホワイトオーク』材を使わせていただきました。『キング・オブ・フォレスト(森の王様)』の異名を持つホワイトオークは、力強く雄々しい木目が魅力で、この木なら北欧風なお店の雰囲気にもうまく溶け込んでくれそうです。ちょうどホワイトオークの板材が入荷したところでしたので、木目のしっかりした板で幅剥ぎ加工。

機能性を重視したシンプルなデザインですが、木そのものに力のある木の場合は、下手な小細工をするよりも木の力を信じてシンプルに仕上げるほうが絶対にいいと思っています。今回は製作から納品まで時間的な余裕があったので、油を使われる飲食店でのご使用ということもあり、丹念に植物性オイルを3回塗り。植物性オイルは、ウレタン塗装に比べるとどうしても耐水性で劣るものの、そこは事前に重ね塗り(塗装後に時間をかけてしっかり乾燥させて、研磨してまた塗装の繰り返し)することと、定期的にオイルを塗るという日頃のメンテナンスで補えると考えています。そこで大切なのがオーナーやスタッフの方々のご理解ということになりますが、そもそも弊社に直接お越しになられるよう方は、木大好き人間ばかりなのでその心配もご無用。

いくら「森の王様」であろうと、オイルを重ね塗りしようとも、触れば温もりを感じる自然素材『木』ですから、傷にも汚れにも無縁の存在ではありません。そこに、これからこのテーブルの「育ての親」となられるオーナーの「子育て感」ならぬ『木育て感』が反映されていくのです。どんな育て方をされるのか、どんな風に育ったのかを見させていただくのも『生みの親』の隠れた楽しみ!『育ての親』たる岡田オーナー㊨、シェフ、スタッフの皆さんに座っていただき記念写真。


最近このように直接お店のオーナーからお問い合わせをいただき、お仕事をさせていただく機会が増えてきました。私の怠慢でほとんど営業らしい営業もしていないのですが、過去に納めさせていただいた家具や内装材たちなどが、代わりに無言の営業をしてくれているのではないかと勝手に解釈・・・。素敵なご縁をいただきましたので、美味との評判のイタリア料理とワインを堪能させていただくべく今度は改めて客としてお邪魔させていただこうと思っています。カウンターも、クスノキで作られた席も十分に魅力的なのですが、やはりそこはホワイトオークのテーブルで。

UGGLA(ウグーラ)

〒790-0003 松山市三番町4 丁目1-9 城南ビル1F Tel/Fax 089-993-6331
営業時間 ワインショップ/ 立ち飲みワインバー 12:00~24:00  レストラン/ ワイン酒場 18:00~24:00(23:30 L.O.)




 

先日、松山市三番町4丁目にある愛媛県松山市にあるイタリアンレストラン&ワインショップ『UGGLA(ウグーラ) 』さんに、お店で使われるテーブルを納品させていただきました。UGGLAのオーナーの岡田圭太さんは京都の高級イタリアンレストランで8年間働かれたのちに、2014年1月にこの地でお店をオープンされました。店名のUGGLAとは、スウェーデン語でフクロウを意味していますが、瀟洒なレンガの外壁のお店の正面玄関には、マスコットの木彫りのフクロウが迎えてくれます。


土地勘のある方だと、松山中央郵便局から千舟通りに向かう通りの二つ目の角というと大体、位置が分かると思います。実はこの辺りは『IL Banco(イル・バンコ)』さん、『Funny’s waffle(ファニーズ・ワッフル)』さん、『pastosita(パストジータ)』さん、『Sol et luna(ソール・エト・ルーナ)』さん、などお店の内装やカウンター、テーブルなどで関わらせていただいたお店が集中していて、自分で勝手もの凄く縁起のいい通りにしているのですが、またひとつ新たなご縁が加わりました。

もともとはオーナーのお住まいが弊社のある松山北部で、弊社が通勤路だったことがご縁でお店にお立ち寄りいただき、店内のリニューアルに伴い増設する席のテーブルをご注文をいただきました。ご注文いただいておきながら恐縮なんですが、私自身はワインよりも日本酒党なもので、今まで何度のお店の前を通っているはずなのに、まったく気づきませんでしたが、こうしてご縁が出来てからは、車でお店の前を通るだけでも気になるようになり、なぜにこんなに目立つ建物なのに目に入らなかったのか不思議なくらい。現金なものです。

テーブル納品時に初めてお邪魔して、お店の中を拝見させていただきました。それまでのオーナーとの打ち合わせ等で、凄く木が好きなんだろうなというのはヒシヒシと伝わっていましたが、店内にもたっぷりと木が使われていました。お店のコンセプトについては、『まだ高校生の頃に父親から「酒を飲むのは時間の無駄、酒を飲まないのは人生の無駄」という言葉を聞いたことがあります・・・という書き出しで始まるオーナーの素敵な言葉にその思いが凝縮されています

肝心のテーブルについては、明日ご紹介させていただきますが、こうやって地元の飲食店に家具などを納めさせていただけるのは、商売としてありがたいのは当然のことながら、オーナーやスタッフの方と知り合いになって人のご縁が更に広がることが嬉しい!そこからまら商売に繋がれば尚嬉しいですが、それ以上に街の中に知り合いが増えるというのは純粋にワクワクします。今まで知らなかった世界が広がって楽しい!この先の人生でどれぐらいの出会いがあるのかなんて事気にするような歳になりました。明日に続く・・・




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