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先日『ホワイトオーク』の平板が入荷。お取引先の多くが仕上がり30㎜を求められるため、弊社ではこういう平板の場合はホワイトオークに限らずほとんどが6/4インチ(約38㎜)サイズで仕入しています。北米広葉樹の厚みの規格としては他に、4/4インチ(約25㎜)、5/4インチ(約32㎜)、8/4インチ(約51㎜)、10/4インチ(約64㎜)、12/4インチ(約76㎜)などがあります。地域サイズというのもありますが、弊社においては6/4インチが主。
これに長さが加わるわけで、ひと口に『ホワイトオークの板ないですか?』と言われても、その長さ、厚み、幅によって在庫があるかどうかはまちまちなのです。本当は材木屋であればいろいろなサイズに対応できてこそなんだと思うのですが、大きいものとなると1梱包で2〜3㎥もあるため金額も結構なモノになるため、弊社などの零細企業はサイズを絞り込まなければ在庫を持てません。昔は厚みも2、3サイズ置いていたものの、さすがに最近は6/4インチにほぼ統一しました。
しかもお客さんのほとんどが、必要量を必要なタイミングでご購入される方ばかりなので、梱包で仕入れてそのまま梱包で売るなんて事はまずありませんので、仕入れてから最後の一枚までが売切れるまでには結構な時間がかかってしまいます。もともと短期決戦するつもりで仕入れているわけではないので、1枚1枚バラして反りやねじれも確認しながら販売する価格設定にしていますが、それだとどうしても最後の方になると、問題のあるような材ばかりが残ってくることになります。
その解消策として、自分で木取りできる自社家具を作ったり、短くカットして『モザイクボード』などに使ったりするようにしています。入荷した時は、これだけの枚数売り切るのに何カ月かかるんだろうと考えると少しプレッシャーを感じるものの、少なくなってきたらきたで早く入れとかないと、間に合わないと大変という強迫観念に襲われ、どちらかというとそちらの方が自分としては不安。それでというわけではないのですが、今回ご注文に合わせて久しぶりに4/4インチも入荷!
ジューサンケンチクセッケイさんの完成現場見学会の話の続き。二階には、バーチの明るい黄白色のフローリングをお使いいただきました。一階の猛々しいオークとは雰囲気が一転。このバーチ(カバ/樺)もメープルと並んで白系のリーズナブルなフローリングの代表格で、メープルが高騰する中にあって存在感が増しています。折角ですので、持ち込んで来た『モザイクスツール』を置いて写真撮影。白い床だとモザイクボードが一層引き立ちます。
2日間のうち、2日目のみのお手伝いだったのですが、開始から最後まで人が絶える事がありませんでした。予約等の必要がないフリーの見学会だったという事もあったのでしょうが、建築中から気になっていたご近所で新築計画の方や、遠方からわざわざ足を運ばれた方、毎回必ずお越し下さるジューサンケンチクファン等々。私も久々に一日見学会のお手伝いをさせていただいたのですが、油断していると言葉が出てこない・・・。
会場というかご自宅には、、『モート・レイニーハウス』の主とご家族もいらしていて、家造りの工程を治めたビデオ等を一緒に見ながらいろいろと家造りの物語を伺いました。家づくりをここまで堪能されたお施主さんに久しぶりに出会いました。こういう形でお施主さんと気軽にお付き合いさせていただけるというのも、設計士さんや施工を手掛けられたもみじ建築さんが絶対的な信頼関係を築かれているからこそだと思います。ちなみにこちらは、椿下棟梁が手掛けられました。
こうして膝詰めで話合うなひととひとのふれあいがないと、つい木材(モノ)を流れ作業で売っているようなモノ売りの感覚に陥ってしまいがちですが、木材(モノ)の先にいる、それを求められている人の顔が思い浮かばなくなったらお仕舞だと自分を戒め。当日お施主さんがお連れになっていた幼子が、後半は電池切れで疲れてソファーのうえでぐったりと眠ってしまったのですが、安心しきって無防備に寝顔を晒すその姿を見て、ひとに届いてこそモノなんだとつくづく思ったのです。
いつもお世話になっているジューサンケンチクセッケイの石村隆司君の設計された現場の完成見学会が開催される事になり、私も協力業者の一員としてお手伝いに行かせていただきました。その完成した現場とは、以前このブログでもご紹介した、『モート・レイニーハウス』。前回石村君と施主さんが一緒にご来店された時に、キッチンの棚板を探しに来られて、これ以上削るな、削りたいのやり取りがあったものですが、その後どう施工されたのか興味津々。
自ら、『カッコいいだけを集める。』と謳っているだけあって、さすがに細部にまで手が込んでいてどこから見ても絵になる仕掛けが散りばめられています。75㎜幅のシャープで木柄が個性的なナラのフローリング、まるでそれ自体がひとつのインテリアのように思わせる薪ストーブのサクラの薪、ヘリンボーンのタイル、むき出しの鉄骨の階段と施主の友人が現場で丁寧に塗った革の階段手摺の絶妙のバランス、オーダーメイドのキッチン。
そのどれにも設計士と施主のこだわりが宿っています。例のキッチンのホワイトオークの棚板もそんな格好いいパーツの1つとして堂々とその場に加わっていました。加工場ではあれほど気になった荒々しい仕上げが、ここではなんら気になるどころか、もっと激しい状態でもよかったと思えるほど馴染んでいました。敢えて残した大きな節も問題なし。仕上がりの完全なイメージを持っていればこそ、こうい節や荒々しい仕上げもうまく取り込めるという事。
床には75㎜幅のナラのフローリングを使っていただきましたが、先日チャイニーズ・メープルのラスチックグレードの話をご紹介しましたが、こちらはナラで節や色ムラ、偽芯などを含んだラスティックグレード。メープルと違って、もともと濃淡の差がハッキリしたナラですが、年輪が太くて強く、メリハリが利いた表情を持っている事から、多少節があった方が雄々しく男性的な魅力を発揮すると思っていて、私は断然ナラの場合は節有りがお薦めです!
えひめの猛獣使い・藤田雅彦氏との会談を終えた狩野顕さんは、その日開かれていた『えひめのあるくらし』の定例会に参加。私と藤田さん、高瀬くん(Yaetco)は、2年前の東京のギフトショーでお会いしてからの付き合いですが、本日初対面のメンバーもいて簡単な挨拶の後、いつものようにゲストをゲストも思わないような、また狩野さんもずっと前からそこに座っていました的な空気を漂わせながら会議は進行。当日は議題が多く、なかなか郡上の話にまで辿り着かず・・・。
ようやく会議後半で郡上の話になり、まずは狩野さんから『郡上ものづくりプロジェクト』とは何ぞやという話をしていただきました。愛媛と岐阜という距離感はあるものの、ギフトショーで一瞬のうちに理解し合えたほど『地域で異業種によるものづくり』という根っこが似ている事もあって、えひめメンバーもすぐに理解。具体的に郡上で作られている商品をご披露頂き、「キャー、これ可愛い~」と女子が飛びつきます。まさに女子並びにご婦人方の琴線に触れる商品ばかり。
9月にはチームえひめが郡上八幡にお邪魔させていただく事になり、ここに飛龍十番勝負の大三幕『おとなの部活動VS郡上八幡モノづくりプロジェクトIN郡上八幡』が決定!これを『おとなの部活動の修学旅行』と捉えて宿の部屋割りや交通手段をどうするこうすると大いに盛り上がるえひめメンバーにとって、まだ見ぬ敵に対する畏れは皆無!この能天気なほどのポジティブさこそ、おとなの部活動最大の強み。夕方に会議を終えて、狩野さんを誘って二人で夜の街へ。
思えば二年前のギフトショーで、ホーム&アウェイの交流会をしましょ~なんて軽口を叩いてから、本当にそれが実現する事になったのですから、『ひと、強く望めば大抵の願いは叶う』を実感。途中から郡上八幡と愛媛では縁もゆかりもありませんが、地域と地域の結びつきって結局人と人の結びつきでしかないので、こんな小さな事例から強い結びつきが生まれていくのかもしれないなんて予感を感じつつ、途中から猛獣使いも加わり、しみじみと思い出に浸りながら盃を交わしたのです。
本日、岐阜県郡上八幡からの使者が愛媛にご来県。郡上八幡は、岐阜の長良川上流に位置し、街の中心を流れる吉田川や日本名水百選の宗祇水など、清らかな水に恵まれ、お盆の徹夜踊りで知られる『郡上おどり』で有名な城下町です。なぜその郡上八幡と愛媛に関わりがあるのかというと、今から2年前。ギフトショーに出展したわれら『おとなの部活動/えひめのあるくらし』ブースには多くの人が立ち寄っていただきましたが、その中に郡上八幡から来られたお二人の姿が・・・
その人こそ、郡上ものづくりプロジェクトの代表を務める川嶋成樹さん(ミサト工業・代表取締役)と、その事務局を担当されている狩野顕さん。異業種が集まって取り組んでいるえひめのプロジェクトが、郡上ものづくりプロジェクトと共通する部分が多くて、お会いしてものの数分で、是非今度ホーム&アウェイ方式で対決しましょう〜なんて話に発展。それでもその時は、実現するかどうかは五分五分という感じでしたが、翌年も我らのブースにご来店いただき、話はかなり具体的に!
たまたまですが、それぞれがも3年間の期限付きのプロジェクトであり、今年が最終年度。やるなら今年しかないという事で、遂に山動く!という事になったのです。今回愛媛のメンバーが郡上に乗りこませていただくという事になり、その第一歩として事務教の狩野さんが愛媛にやって来られたのです。狩野さんとしてはどういう経緯で『おとなの部活動』が生まれたのかという点が最大の関心事。という事で、その生みの親である猛獣使い・藤田雅彦氏にインタビューに行く事に。
2年前のギフトショーで狩野さんと川嶋成樹さんを、ホーム&アウェイの交流会を企んだのは私と藤田さんなのですが、チーム愛媛と同じく行政の補助を受けているチーム郡上としては、どうやって行政の縛りの中でかくものびのびと好き放題出来ているのか(実際にそうやっているというより、外部からはそう見えるという事でしょうが)という理由が知りたかったようで、いかにして私は猛獣を飼いならしたかについて静かに熱く語り合う二人。ここに、もうひとつのものづくりの『現場』があります。
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