森のかけら | 大五木材


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さあ、ジャカランダの伐採ですが、昨日書いたように幹は見た目以上に幹はもろくてチェーンソーを使うまでもありません。短いつきあいでしたが、わが家で根付いてくれた感謝も込めて手鋸で丁寧に介錯させていただきました。駐車場を塞ぐように斜めに生えて、葉をいっぱい茂らせていた存在がいきなりなくなってしまうのですから、解放感以上に寂しさもあります。ならば今横たわる「材」となったこのジャカランダを骨の髄までしゃぶりつくらせていただくことことこそが礼儀ではないか!

ジャカランダは枝が多いのですが、狭いスペースに植えていたこともあって不自然な方向にも枝が出ていてその中にはこんなものも。うちの息子が振りかざしているのがそれです。こういうものも伐採現場では顧みられることもないのでしょうが、これもしっかり商品とさせていただくつもりです。そうやって細かく解体し、立派に成長したジャカランダは細い枝を残すのみとなったのです。さすがに10年近く共に成長してきた身内のようなものでしたから複雑な心境にはなりましたが、決して無駄にはすまい。

一方、残された湾曲した根元部分は強力で、しかもコンクリートを叩き割って地下に潜り込んでいるのでかなり手こずりました。地下に伸びた根は仕方がないので、薬剤で腐らせることにして(そうしないとシロアリが家に侵入する道となってしまうので)、とりあえず地上に出た湾曲した部分だけでも切断して除去。これはこれで乾かせていずれ解体して何かに使うことに。まあ、こうして思いがけず『熱帯の桜』の材部分が手に入ったのです。これはこれで喜びそうなマニアがいるとは思うのですが。

それだと全国のマニアな愛好家にチリジリバラバラに売れていってしまうことになるので、やはりこういうマニアックな材こそコレクション的な意味合いがあるのだろうと、【森のかけら・第二弾】を作る気持ちが高まったのです。残った切り株には刻まれた年輪は10年足らず。1年で勢いよく成長したことがうかがえます。きっともっと条件のいい場所に植えてあげられていたら、紫の花を沢山咲かせていただろうなと申し訳ない気持ちになりました。ペット同様、木を育てるにもそれなりの覚悟が必要という事。




★今日のかけら番外篇・E30ジャカランダJacaranda  ノウセンカズラ科・広葉樹・中南米産

 

昨日、【森のかけら】の新作、というか第二弾に取り組むという決意表明をしましたが(根幹はサグラダファミリアですので、完成の時期はあまり期待なさらずに・・・)、そういう気持ちにさせてくれた木との出会いが幾つかあります。本日はそんな木の中の1つをご紹介します。以前にもこのブログで取り上げましたが、それが私の自宅に生えていた(生えていたと過去形で語らなければならないのが辛い)『熱帯の桜』とも『ブラジルの至宝』とも呼ばれる『ジャカランダ』です(「ハカランダ」とも呼ばれます)。

更に『ブラジリアン・ローズウッド』の別名もあったりすますが、あの「ワシントン条約で絶滅危惧種に指定され輸出入が禁止されている世界的にも希少な銘木」とは別物です。そのジャカランダですが、当初思っていた以上に数年で急速に成長。最初少し斜めに幹が成長したころからきちんと修正しておけばよかったのですが、ドンドン成長して途中からロープ等で引っ張ったもののそれをものともせずに育つ育つ!みるみるカーポートの屋根を超えて、家の屋根に届くほどに成長していたのです。

それで一昨年には見事な花を咲かせてくれて、まさに『熱帯の桜』の艶姿を堪能させていただきました。しかし一方で大きな問題が発覚!そこまで大きく成長するとは想定していなかったため、自宅の横のブロック塀のすぐ傍らに植えたのです。それが成長とともに根が変な方向に膨らみ、たぶん地盤が固かったからだと思うのですが、根元が大きく上に膨れあがり、そこからブロック塀に進撃を開始!ブロック塀と平行に根を伸ばし、片方の大きなほうの根は遂に家の犬走りのコンクリートを破壊!

専門家にも見ていただき、このままにしておけば家の基礎部分にまで影響が出るとの判断から泣く泣く伐採することにしたのです。なので、遂に育てて伐って売るという次のビジネスモデルに突入したのか~!などとは思わないで下さい。そうならばここは家の主たる私が介錯つかまつるのが礼儀というもの。そして2017年の11月の中頃にいよいよジャカランダ伐採の儀が執り行われることと相成ったのであります。根っこは強力でも幹部分は驚くほど脆く、しなやかですが細い枝は手でポキンと簡単に折れます。続きは明日・・・




世界中の木を見てみたい、世界中の木を触ってみたいという好奇心と、端材を捨てるのがモッタイナイというケチ根性の両親から生まれたのが森のかけら】ですが、端材を捨てるのがモッタイナイという事に関しては、既に弊社の倉庫の中にある端材だけではまかなえない樹種がかなり増えてきており、ある意味でそちらの目的はある程度達成できたかと思っています(まだまだ端材そのものはありますので、違う出口も探っているところです)。一方の「世界中の木」の方については当然の事ながらゴールは雲の上。

あえて永遠に辿り着けないところに着地点を置いたのは、永遠に完成されることのないアントニオ・ガウディが設計を担当したサグラダファミリアよろしく、知的好奇心と遊び心をずっと持ち続けたいからというものでした(当のサグラダファミリアはガウディ没後100年の節目となる2026年に完成されると発表されましたが・・・個人的には、無謀と思えることにも妥協せずに挑み続けることへの象徴が無くなってしまうのは寂しいので完成しないほうがいいのですが、それでは関係者たまりませんわな)。

話が逸れましたが、【森のかけら】は解説書などの印刷物をまとめて販売しなければならないので、とりあえず日本120+世界120の合計240種としました。それ以外のレアな樹種に関しては『プレミア』という別枠でまとめました。それ以後、年を重ねるごとに国内外の新しい木(今まで私が出会っていなかった木)との出会いが増えて、もう少しでそれらだけで【新・森のかけら】が作れるほどになりつつあります。ただ、出会えたといっても立木で見ただけでは仕方なく材の確保が重要になります。

端材が少しでもあれば大丈夫だろうなんて高をくくって痛い目にあったような初期の失敗をしないためにも、ある程度のストックをしていかねばなりません。それを考えるとなかなか新作の製作に踏み切れなかったのですが、最近は立木だけでなくその材まで手に入ってくる機会が急増しており、どうやらこれはモッタイナイの神様』からの啓示ではなかろうかと!それでそろそろ新作の準備に取り掛かろうかと思っています。これからリストアップし、材を確保していくので、まだまだ先の話にはなりますが、一応決意表明!




森のかけら】は精度を安定させるため外部で加工してもらっています。弊社で40~45㎜程度の角材にして、いくらかの樹種をまとめて加工に出します。それで加工出来たものがこちらで、弊社で樹種を選別します。この時に樹種が分からなくならないように、似たような材質の木は同時期には加工しないように注意せねばなりません。例えば、エゾマツトドマツアカエゾマツモミなぞは決して混ぜてはいけません。エゾマツとトドマツぐらい見分けられるわ、という方は35㎜の世界をなめていらっしゃる。

通常材木屋が木を選別するのは、一枚板なら一枚板、1本の角材なら角材の全体の印象、雰囲気、形状、木目、木味、質感、重さ、匂い、節の状態などで、そこに自分の経験値を掛け合わせながら判断していくものです。基本的に板や角に製材されているので、葉っぱや樹皮はありませんので、それらを判断基準にすることは出来ませんし、導管を見るためのルーペを持ち歩いているわけでもありません。また小口も綺麗にスライスされているわけではないので、ルーペも万能というわけでもないのです。

瞬時に何の木なのかを判断しなけらばならないという時にもっとも頼りになるのは己自身の経験則。しかしこれがなかなか通用しないのが、縦・横・高さ35㎜の【森のかけら】の世界!上述したように己の経験則を生かすためには多くのデータが欠かせないのですが、35㎜の世界では年輪わずかに1,2本、赤身なし(あるいは白太なし)、見た目ほぼ同じ、樹種によっては重さもほぼ同じ、というような特殊な状況なのです。なので最初っから特徴の似た木は別にしておくということが肝心なのです。

とはいえ240種類もあれば多少は混ざってしまうもので、そうなったらルーペの登場となります。しかし木にも個体差というものが結構ありまして、30~40年の若木と100年を超える高齢木では、35㎜にしてもその差は歴然。まあ、木との出会いも一期一会と思っていただくしかありません。選別が終わると次は塗装に移ります。樹種ごとにズラリと並べて乾かしていくのですが、私この光景が大好きなのです!同じ形のモノが色違いに沢山並んでいるという構図にただただ無性に惹かれるのです!




最近心を入れ替えて、まじめに少しずつですがオンラインショップの商品をアップしているのですが、その際に気になっていることがあります。それは『ちょこっと端材』など、本当に小さな板材や角材をセットにする時。現在のオンラインショップを開設する前は、樹種別でセットすることが多かったのです。例えば、サイズはバラバラだけどブラック・ウォールナット1樹種だけのセットとか、ホワイトオークのみとか。ご来店される一般の木工愛好家の方々もそういうセットをご希望される事が多かったので。

ただそれだと、セット出来る樹種が極端に偏るということがありまして(通常あまり動かない木は、当然端材の発生率も悪いから)、なかなか倉庫が片付かないという事情もあって、サイズいろいろの多樹種でセットにした商品なども作っています。世の中には私たちのような『樹種異常溺愛症候群』のキャリアの方も沢山いらっしゃるようで、いろいろな木で同じスペックのモノを作りたいという人に受け入れられてきました。それで今も何点か、樹種ミックスの端材セットをオンランショップにはアップしています。

一方でココボロパープルハート、レースウッドなどレア感のある材については、セットにするとどうしても高額になるので、1枚ずつバラでアップしてほしいとの要望があり、『ちょこっと銘木端材』についてはなるべくバラ売り(または2,3枚の小さなセット)を心がけています。ただしあまり調子に乗ってオンラインショップ用の商品を作りすぎると、それを保管しておく棚があっという間に一杯になってしまうので、売れ行きを見ながら少しずつ追加していくことになると思います。

今こうして木が普通にネットで取引される時代ですが、ネットの黎明期には取引先の大工さんから「いろいろなモノがネットで売られるだろうが、自然素材である木だけは絶対無理!」と言われたものです。木目や触感、木味などを重要視する手刻みの大工さんの気概もあったと思うのですが、現実にはそんな問題をヒョイと飛び越えて、今やフローリングもパネリングも銘木だってネットで取引される時代。ネットの信頼性云々というより、木に対する期待値や価値観も随分と変わってきているんだと思います




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