森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

それで、その供給先を奈良県の吉野地方などにも求める事になったわけですが、10数年前でも4m無節の丸味の無い木目の通った良質なものだとかなり高価でしたが、当時はそれが決して高いとも思ってもいませんでした。仕入した値段よりも高く売れていたわけですから。ところがそんな時代もやがてバブル崩壊と共に終焉を迎えます。景気が停滞し始めるとその影響は家の造りに顕著に現れます。ヒノキの無節のような材は贅沢品とみなされ次第に敬遠されるようになります。

 

出番を失ったヒノキのフローリングは悲しき倉庫の在庫となっていくのでした・・・。それから数年はそれでも毎年僅かながらも注文があったものの、住宅の洋風化が進むのと歩調を合わせるようにヒノキのフローリングの出番はなくなっていきます。しかも厄介な事にヒノキは加工して長期間置いておくと材面にヤニが吹いてきます。それは米松(ダグラス・ファー)のような水飴のようなものではなく、ジワリと滲んでくる種のヤニなのですが、そうなると化粧材としての価値は損なわれます。

 

20151214 3なにより裸結束が災いして、倉庫内でも淡い日焼けや反り、収縮などが発生してくるため材価は著しく損なわれます。ならば別の形にして売るしかない!という事で・・・この最近、フローリングとしての用途には見切りをつけて、本実加工までしてある最終製品を再度帯鋸で挽き割って別のモノに加工し直して、まったく違うものとして世に出しています。もしも父親が生きていて、その光景を見たらきっとそんな馬馬鹿なことをするなと叱られた、いや呆れ果てたかもしれませんが

 

大きな材を大きな形のまま使ってやりたいというのは材木屋ならば誰もが抱くであろう重い十字架。昔の私だったら完成品を加工し直したり、別の形に削り直すことに抵抗もあったでしょうが、出るアテも無く延々と倉庫で埃をかぶる姿も材木屋として臨むべき姿でもありません。誰かに喜ばれてこそ、伐られた木にも意義が生まれるというもの!そうして自分自身に言い聞かせながら今日も英断の鋸を握るのです!そしてこれはヒノキやスギに留まらず、他の針葉樹・広葉樹にも派生中!




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2015年12月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  
Scroll Up